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帰国計画破綻、エジプトのネット事情、エジプトのストリートミュージシャン

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 週の一度のお休み。エジプト航空の帰国便変更と、できたら日本大使館に行こうかなぁ、と思ってでかける。
 タハリールのエジプト航空オフィスに行くものの、「せっかくでかけからあれもこれも」と思ってバッグに詰め込んできたら、一番肝心の航空券を持ってくるのを忘れていました。どこまで抜けているんでしょうか。
 仕方なく一度部屋まで戻り、もう一度出直したところ(この時点で時間的にもう他に何もできなくなっている)、ショッキングな事実が判明。
 帰国便変更可能だと思っていたら、確かに変更可能なものの、二ヶ月の範囲内だけで、その二ヶ月はほぼ使い切っているので、実質変更不可能だったのです。
 「二ヶ月」というのは、二ヵ月後に帰ってくる便、という意味で、その帰国日を変えられるものかと思っていたのですが、大勘違いだったようです。旅慣れていないうえアホで飛行機の仕組みが未だによくわからないので、新幹線くらいのノリでテキトーに買っていました。
 追加料金を払えば変更自体は可能なものの、その金額が莫大で、新たに買った方が安いです。キャンセルして払い戻しできないか尋ねたけれど、それも無理。「じゃあこれはただの紙?」と聞いたら「そういうことですね」とのお答え。そうですか。最高ですね。あっはっはー。

 茫然自失して路上に座り、断食中なのにタバコをすって虚ろな目をしていたら、色々お世話になっている日本人様からお電話。最近の状況などを話してから、今直面している危機に触れると「じゃぁ、一度帰ったらいいんじゃない?」と、考えてもいなかった案が。
 確かに、今日本で手に入れたいものも色々あるし、一度帰って出直す、というのも一つです。話しているうちに大分冷静さを取り戻して、前向きな気持ちになってきました。

 どうするか?
 道は大きく分けて二つ。

①チケットを使って帰り、また戻ってくる
②チケットは紙飛行機にして飛ばして、帰りたい時にまた買う

 アパートを借りて仕事も決まったばかりのところなので、①今帰国するのはかなりバッドですが、すぐ戻って来られるなら良い方法です。
 ただ、この「すぐ戻ってくる」がネックで、どうせ戻るなら日本でやりたいことが沢山あるし、特に東京の部屋を何らかの形で処分できなければ、帰る意味がありません。ということは、少なくとも一二ヶ月は日本にいる必要があります。
 するとこちらの部屋はどうするか? 一ヵ月後に確実に戻ってくる、というなら、家賃を前払いしておいても良いのですが、日本人様(って、ブログ上の仮名でも考えたいですが、カイロの日本人社会は狭いので、あんまり情報出したくないです)から「そうやってお金を払っていったら、戻ってきたらもう他人が住んでいた、というケースがある」と聞かされます。うちの大家さんはすごく良い人そうで、そんな外道ではないと思うのですが、こちらで暮らしていると「十分あり得る」と頷ける話です。
 そもそもわたしの場合、一ヶ月で確実に帰ってこられるという保証もありません。期間が長くなると、部屋が心配なだけでなく、家賃がますます無駄になります。
 それに、正直言ってこちらに永住する(もしくは数年のスパンで住む)、というところまでの覚悟は決めていません。ご縁があって決まった仕事はあるものの、まったく初めての世界で、正直ずっとやりたい内容ではありません(エンジニアの仕事を続けるか、あるいは日本で何らかの形でアラビア語に関わる仕事がしたい)。何より、ダーリンとの関係が最重要です。
 それに、やっとこちらの環境にも慣れ、素敵なお部屋もゲットしたところで、カイロを離れたくありません。勉強もまだ全然だし、ここで帰国したら心が折れてしまいそうです。
 部屋に帰って考えると、やっぱり②案にして、粘れるだけ粘って年末年始くらいに帰り、その後しばらく日本で稼いでから、先のことを考える、という方が現実的な気がしてきました。切符代を稼がないと日本に帰れなくなりそうですが・・。
 もう少しじっくり考えます。

 ちなみに、エジプト航空のオフィスのそばには、来た客に「オフィスが移転した」とかテキトーなことを言ってひっかけようとする詐欺野郎がいるので、注意してください(結構有名)。今日もそれっぽいのがいたので、まだ何もひっかけられていなのに、こっちから日本語で「邪魔だカス、どけ!」とか怒鳴りつけたらキョトンとしていました。

 今日のイフタールは、サンドイッチとサラダ(単なる生野菜)とジュース。

サンドイッチとジュース

 サンドイッチ屋さんというかターンメイヤ屋さんというか惣菜屋さんというか、そういうお店は町の至るところにありますが、お引越し先をうろついた結果「まずはここ」と思った店で買ってきました。フール(豆)のサンドイッチと、ナスやら色々野菜を入れてもらったものです。
 色んな具材がアイスクリーム屋さんみたいな感じで並べてあり、「これとこれ」と指定するのがスタンダードです。名前の分からないものは指差して「ダー(これ)」と言えば大丈夫ですし、食べてみて気に入ったら、次に行った時にでも名前を尋ねると勉強になります。
 ちなみに、「これ名前なに?」学習法は、いつでもどこでもできる、というわけではありません。というのも、こういう大衆的な店は大抵威勢が良く、「チャッチャカ言ってくんないと日が暮れちまうよっ」的雰囲気に満ちているので、外国人の変な好奇心に一々付き合ってくれるとは限らないからです。街全体が築地市場だと思えば、わかりやすいです。
 わたしは、何回か同じ店で買い物して、顔が通ってきてから質問するようにしています。なぜか、最初無愛想だったおっちゃんに限って、仲良くなると親切に色々教えてくれます。
 具を指定すると、それをエーシ(ピタパン)に詰めて出してくれます。このサンドイッチ二個で1.5ポンド(約30円)ですから、下手に自炊するより安いです。
 ターンメイヤというのは豆コロッケみたいなもので、わたしが勝手に「ターンメイヤ屋」と呼んでいるのは、これがこの手の店の看板メニューだからですが、個人的にはターンメイヤそのものはあんまり好きではなく、具材が豊富でわかりやすい店を選んで使っています。他の定番としてはポテトチップスがあって、エジプト人はこれを同じくピタパンに詰めて食べたりしていますが、炭水化物と油だらけで、ちょっと食べる気がしません。
 ジュース屋さんについては前にも書きましたが、普通はその場で飲むものですが、ラマダーン中だけ昼間はビニール袋に入れて売っています。こうしてペットボトルに入れて売っている店もあります。もちろん、このペットボトルは、ミネラルウォーターのボトルの「リユース」です。素晴らしい利用法です。

 イフタール後に大家さんとその娘のタスニームがやって来る。ネットの工事のためです。
 最初は「一週間かかる」と言っていたネット工事ですが、「インターネットは超重要」「わたしは日本のギークだ。洗濯機はなくてもいいが、コンピュータがないと死ぬ」とか意味不明なことをわめき続けた結果、入居翌日には工事をしてくれました(実際洗濯機はかれこれ二ヶ月なしで問題ない)。
 業者が来るまでの間、二人とお喋りする。まだこの二人と喋り慣れていないので、フスハーを使っても、会話がかなりたどたどしいです。旦那さんはサウジで働いていることとか、日本ではいつも着物を着ているのかとか、そんな話をする(日本の風習を説明するのはいつも非常に難しい)。
 大家さんのファトマは、フスハーを喋れるものの、放っておくとあっという間にアーンミーヤに戻ってしまいます。「英語喋れる?」と聞いてくるので「喋れるよ」と答えても、二言三言英語で喋った後、すぐアーンミーヤの重力に引かれていきます。この「英語喋れるか聞いてくるのにアーンミーヤに戻る」現象は、彼女に限らず至るところで遭遇します。

 娘のタスニームは、多分小学校五、六年くらいだと思うのですが、非常に利発で礼儀正しく、フスハーも英語もとても綺麗な発音で、すっかり好きになってしまいました。元彼女の部屋は熊さんのシールがぐるっと取り囲んでいるのですが「これはدبابドゥッバーブ」と教えてくれます(熊はدبドゥッブで、パターンに沿って母音を変化させると「熊ちゃん」みたいなニュアンスになる)。
 日本語をちょっと教えると、ファトマが全然覚えられないのに、正確な発音ですぐ繰り返します。「お母さん」という言葉を教えると、母親のファトマに「お母さん」と呼びかけて笑っています。
 子供はすごいです。特にエジプトの子供は、非常に複雑で豊かな発音を持つアラビア語に加え(この時点で、フスハーとアーンミーヤという、それなりに距離のある言語をマスターしている)、英語もフランス語も身近に育ちますから、外国語の習得能力は潜在的にかなり高いと思います。彼女は英仏語を習っているらしく「勉強しているけどまだちょっとしか喋れない」と言っていましたが、その発音も流暢さも、日本の高校生の比ではありません。
 また、こちらが拙いアラビア語で説明しても、勘をきかせて「これのこと?」と察してくれます。単に言葉が達者なのではなく、頭の回転が速い感じです。今、わたしは彼女が使っていた子供部屋に住まわせてもらっていますが、彼女の方がずっと賢くて大人な気がします。
 ああいう子に相応しい教育が与えられることを、心から祈っています。わたしの払った家賃があの子の教育費の助けになるなら、とても嬉しいことです。

 定番の「なぜ結婚しないの」質問が来て、「日本ではこれくらいの歳で結婚してないのは珍しくない」とか、テキトーな返事をします(いや、もう日本でも結婚してないとおかしい歳になってしまいましたが・・)。エジプトでは結婚時に男が家やその他諸々を用意するのは当然で、お金がないと結婚できません。しかもほとんどのエジプト女性は専業主婦です。「婚約者がお金がないから?」と聞いてきたので「確かにあまりお金持ちではない」とか答えてしまいました。ダーリン、ごめんなさい。別にわたしはビンボーでもいいよ。帰ったらちゃんと働くから。ううー。

 ネット業者がやって来る。
 子供部屋のバルコニーに、ケーブルを手繰り寄せて引っ張ってくる。
 無線LANが使えるように頼んであったので「ワイヤレスか?」と尋ねると「ちがう、うちはワイヤレスはやっていない」と言います。よく見てみると、引っ張り込んでいるのはLANケーブルのようです。「これLANケーブル?」と尋ねると「そうだ」と言います。「ということは、この先にルータがあって、モデムがあるわけ?」と言うと「そうだ」との答え。
 どうやら建物単位か狭いエリア単位でルータを置いて、そこから先を一つのLANにしているらしいです。道理で安く済むわけだし、うちだけ無線LANにしてくれと言っても受け付けないわけです。エジプトは日本のように地上電話が普及しきった後でネットが広まったわけではないので、こういう方式が一般的なのかもしれません。
 幸いケーブルを引っ張り込んだのは、いつもいる子供部屋なので、月40ポンド(約800円)という価格と素早い工事に免じて、有線で手を打つことにしました。
 実際の開通は翌日朝7時とのこと。夕方までに動いていれば万々歳でしょう。

 ネット工事後、引越し後の初コーヒー(インスタント)を入れようとして、うっかり薬缶を直接持って指を火傷してしまう。
 水で冷やし続けたものの、思ったよりなかなか痛みが引かず、日本から持ってきていたロキソニンを飲む。
 うっかりというか、「この薬缶、取っ手も金属だけど熱くないのかな? うまくできていて熱が伝わらないのかな?」と思って持ってみたら、普通に熱かった、という展開です。わたしの行動パターンがよく表れた事件です。子供の頃、ピンセットをコンセントに突っ込みました。日本で運転していて、左折時に標識に横腹を擦りかけて止まり、「これ、このまま突っ切ったらどうなるのかな?」と思ってアクセルを踏み込んで標識一本と左ドアすべてを破壊したのもわたしです。
 ちなみにコーヒーは超不味かったです(トルココーヒーは美味しいけれど、それ以外の普通のコーヒーは大抵インスタントで、ちゃんと不味い)。

 痛みが引いたころに、通りからお祭りのような音楽が聞こえてくる。
 エジプト人は演歌のようなコテコテポップスが大好きですが、路上で音楽が演奏されているのは見たことがありません。一応、イスラーム的には歌舞楽曲の類はよろしくないようだし、そこら中に警官が立っている国なので、ストリートミュージシャンというのは難しいのかもしれません。
 すごく楽しい音楽で、鏡の前でウキウキ踊りだしてしまいます。踊っていると果てしなくハイになり、部屋から飛びして「どこや!」と音の主を探しました。
 チンドン屋のような感じで、タイコとトランペットと歌い手が練り歩いています。陽気なエジプト人のことだから、日本の盆踊りみたいに地域住民が踊りまくっているのを期待したのですが、意外にも子供がはしゃいでいるだけです。わたしが踊ってみせると、子供にはウケるものの、やっぱりはしたない行為のようです。ちょっとションボリです。歌い手のおっちゃんに1ポンドだけ渡して帰りました。



 外に出たついでに、近所を散歩する。もうほんと、エジプトに来てやっていることと言ったら、勉強と散歩だけです。エジプトでの散歩は、色々な意味で日本の百倍過酷ですが、もう適応しました。どんな障害があっても散歩する!
 この近所はトゥクトゥク(三輪タクシー)が多く、トゥクトゥクはマイクロバス(ワゴンバンを使った乗り合いタクシー)より更にド派手率が高く、田舎の暴走族並に電飾とデコレーションだらけの車体が沢山あります。ネオン電飾用にバッテリ換装しているようなヤンキー魂溢れるトゥクトゥクを写真に撮ろうとするのですが、なかなかうまくいきません。

 近所にある児童遊園地に寄る。入場料50ピアストル(約10円)。
 この遊園地は、昼間に通ると廃墟のようなのですが、夜は夢の世界に変貌しています。ここに限らず、カイロでは「昼間は死んでいるけれど夜は天国」な場所が非常に多いです。ラマダーン中は特にそうです。
 遊具を写真に撮ったりしていると、子供たちが集まってきて「写真撮って撮って」とはしゃぎます。お母さんらしき人物をちらっと見ると、とがめる様子もないので、写真を撮ります。
 子供の写真を撮る時は、一応注意が必要です。親や兄弟が嫌がることがあるのと、撮り出すと子供がどんどんハイになって、調子に乗りすぎて止まらなくなることがあるからです。
 この時も、撮っても撮っても「ターニヤ、ターニヤ(もう一回)」と言われて、キリがありません。しかも、撮るたびに「俺が一番前や!」みたいに喧嘩になって、突き飛ばすは蹴りを入れるわ、本気パンチぶち込むわ、大騒ぎです。「殴ったらあかん、友達殴る子は撮らんで!」と言っても、大人しくなるのは一瞬だけです。一人の子は散々弾かれて、ついにプイ!とスネて帰ってしまいました。「ほら見ぃ、可哀想やないか!」と言うと、苦笑いしているのですが、絶対反省していません。
 エジプト人は物理的にも人と人の標準距離が近く、文化的な身体接触が多いですが(ハグとかチュッチュとか)、子供同士だと冗談でもかなり派手に蹴ったり殴ったりしていて、顔に傷の多い子が多いのも頷けます。ちなみに、この時見た一人の子のパンチは、子供のじゃれあいなのに「殴る」感じではなく「突く」フォームがちゃんとできていて、良いボクサーになりそうでした。
 子供がふざけて「ワン・パウンド(1ポンドくれ)」とか言ってきたので、「撮ってって言うから撮ってやったんだ。わたしにギニーくれ。マネーマネー!」と言って笑いました。

夜の児童公園
夜の児童公園 posted by (C)ほじょこ

児童公園の子供たち
児童公園の子供たち posted by (C)ほじょこ

 帰りがけに寄ったスーパーで、うっかり買い物の一部をレジに忘れて帰ってしまう。
 この一日だけで、どんだけドジやねん!と我ながら呆れます。この抜け加減で、もうすぐ二ヶ月もカイロで生存できているのが不思議です。もしかしてもう死んでいるのでしょうか。
 気づいてから「絶対無駄やろな」と思いつつ店に戻ってみると、ちゃんと「忘れ物リスト」で管理されていて、商品を取り戻すことができ感動しました。受け取りサインをアラビア語で書いたら、店員さんが「クワイス!(good)」と親指を立ててくれて楽しかったです。

 一件、非常にきな臭い事件があったのですが、まだ状況が見通せていないので割愛。学校を変えるかもしれません。それにしても、事件やトラブルが何もない日がほとんどないです(笑)。
 働くのも経験になるし、そもそももうお金がないので働くしかないのですが、勉強の方が大事だし、悩ましいところです。
 わたしもエジプト人を見習って、お金持ちの日本人でも騙して巻き上げようかしら。乞食もいいなぁ。

 そうそう、日本の女子友達でほんとにカイロまで来そうなバカさ加減を見込めるS子ちゃんとRちん、一部屋空いているからルームシェアしませんか。飛行機の切符買えたら、後はなんとかなるよ。安宿より安くシャンデリアのあるお部屋を提供します。来る時は物資輸送を頼むかもしれないので、先にメールしてね。ダブルベッドでびよんびよん跳ねて遊びましょう。
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  1. 帰国計画破綻、エジプトのネット事情、エジプトのストリートミュージシャン|2009/09/07(月) 06:59:29|
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