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名前だけのイスラームというものはない、エジプトのインディペンデント映画

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 水曜日、家を出て歩いていると、ヒシャームという男にナンパされる。
 こんな自宅近くでは初めての体験です(前に小学生が突然メールアドレスを押し付けてきたことはありますが・・)。数々のナンパ避け対策のお陰でディフェンス度があがっていて、ちょっと久々でした。街中でもないし、いい加減近所には顔が知れているはずなのに、呆れるというか笑えてきます。
 携帯を三つも持っていて「石油技術者」で、最初「アルメニア出身」と言っているように聞こえたのですが、名前から顔つきから言葉から、どう考えてもアラブ人です。どこかの都市名と聞き違えたのでしょうか。
 結構イイ男でした(笑)。最初「エジプト人か?」と声をかけてくれたので、勝手に評価を上げておきます。

 F女史との授業で、合間にまたイスラームについての話題になる。
 彼女のような「話の通じるムスリマのエジプト人女性」という稀有な存在にしか聞けないことが色々あり、際どいところまでツッコんで相談に乗ってもらいました。
 常々感じている「ボーンムスリムでないことの重み」「ムスリム少数派の国独特の問題」を、率直に話してみる。「選べる」ということは、「選べない」ことより時にしんどいです。
 また、日本で暮らすとどうしても「ムスリム代表」な扱いを受け、ちょっと粗相があると「これだからイスラームは」という話になり、非常に面倒臭そうです。実際のところ、ムスリムだろうがキリスト教徒だろうが色んな人がいるわけで、そんな聖人君子のような人ばかりだったら、イスラーム世界に戦争も犯罪もありません(笑)。まったく当たり前の話なのに、日本国内だと通用しなさそうで、その苦難を越えて日本で生活しているムスリムの方々には頭が下がります。
 ちなみに、同じ「在日ムスリム」と言っても、日本人と外国人では意味が違います。外国人には外国人の辛さが沢山あるでしょうが、外国人なら許されることでも、日本人ムスリムだと通らないことが沢山あるはずです。
 例えば、エジプト人ムスリマの女性がヒジャーブで会社に行っても「外国の人だから」とスルーされる可能性が高いですが、日本人ムスリマが同じことをしたら「日本人なのに何やっているんだ」と実に意味不明な面倒くさい状況になるのが容易に想像できます。

 彼女が言った「名前だけのイスラームというものはない」というのが、とても印象的です。
 日本人に限らず、信仰が形骸化した先進諸国の間では、信仰と言えば「内面」の問題だと思われがちですが、「内面」だけのイスラームなどというものは成り立ちません。「内面」が最重要なのは当然ですが、「内面」があれば「外面」もついてきて当然、という前提があります。
 これはイスラームは元より、信仰というものについて考える上で、非常に重要なポイントです。
 「外面」が一切要らないような強靭な人間なら、多分信仰そのものが要りません。そして多分、そんな果てしない強さを持った人間など、この地上には数えるほどしかいないはずです。

 図書館でNちゃんと勉強する。
 日本語について質問されてばかりで、自分の勉強が今ひとつはかどらない。
 某アラビア語単語集を一緒に眺めていて「家の中のもの」のページに「مائدةマーイダ(テーブル)」という単語があるのを「マーイダって一度も使ったことない。タラベーザしか言わないよね」と笑う。أريكةアリーカ(長椅子)とかも、絶対「カナバ」としか言いません。
 単にフスハーとアーンミーヤの違いなのですが、こういう身の回りの品の名前は、書き言葉で使うことが余りないし、新聞でテーブルの話題が出たのも見たことがありません。政治やら経済の用語はフスハーでよく使うわけですが(というか別にアーンミーヤでも変わらない)、「身近なもの」のフスハーの単語というのは、本当に使う機会がありません。
 まぁ、「マーイダ」くらい、全エジプト人とアラビア語学習者が知っているでしょうし、日本語にも「みんな知ってるけど全然使わない」単語なんて山ほどありますから、こういうものなのかな、と思っておきますが。こういう知識は割りと好きですし(笑)。
 シリアなんかでは「マーイダ」って言うのでしょうか。

 アメ大書店がセールで、F女史と待ち合わせ、Nちゃんと一緒に行く。
 アーンミーヤの辞書を買おうと思っていたら、売り切れでナシ。アメ大図書館は素晴らしいのですが、英語の本がほとんどで、エジプトの本屋さんとは思えません。ちょっと寂しいです。

 木曜日。
 授業の休憩中、疲れたので廊下で手足をブラブラさせて、小手先で型分解みたいなのをしていたら、学校の子にウケる。武道歴があるとネタにできて便利ですが、男の人だと「じゃあ本当にやってみよう!」とかなって、命がいくつあっても足りないかもしれません(笑)。やっぱり折り紙の方がいいですね。

 授業のあと、マクタバ・シュルークでいくつか小説と辞書を物色。お財布が寂しくて、とりあえず保留にして帰る。
 マクタバ・シュルークはタラアト・ハルブ広場にある本屋さんで、最初の頃は単に「綺麗な本屋さんだなぁ」と思っていたのですが、版元でもあるエジプトで重要な本屋さんなのだと後にわかりました。
 ここはアラビア語と英語が7:3くらいで、流行の本ならアラビア語と英訳を一緒に買うこともできます。夢のような空間で、時間がどんどん過ぎて行きます。

 ARAB SHORTS.NETという、アラブ圏のインディペンデント映画祭を見に行く。各国のVJが数作品ずつ紹介する形。とりあえずエジプトの回を見ました。
 訳あってインディペンデント映画には大変馴染みが深いのですが、全般にレベルが高くて驚きました。エジプト作品は、一作品のみビデオ、他はフィルム(16ミリのはず)。実験系の映画が多いですから、内容的に意味不明がちなのは万国共通で良いとして、技術的にどれも一定の水準に達しています。また、実験映画でも劇映画的手法を多用するものが多い印象を受けました。

نادين خان واحد من مليون
ナーディ・ハーン「ワーヘド・フィ・ル=ミリユーン(One in a Million)」
 ビデオ。深夜零時前後のカイロの風景が、いくつかの場面で並行的に描かれる。実験色強。

شريف البنداري صباح الفل
シャリーフ・イル=ビンダーリー「サバーフ・ル=フッル(Rise and Shine)」
 女性の一人芝居(正確には赤ちゃんも出演)で、場面もアパート一室のみ。
 朝、子供を連れあわてて支度をして仕事に出ようとする女性が、鍵を見つけられず、昨晩帰ってきた場面を再度演じてやっと思い出し、とうとう出かけようという時になって、金曜日(休日)だと気付く、というお話。かなりよくできている。
 「サバーフルフッル」というのは、ちょっとおどけた朝の挨拶でよくあります。「サバーフルアサル」と返したりします。

محمد ممدوح الآتي
ムハンマド・マムドゥーフ「イル=アーティー(Next)」
 男子を欲しがる農村の家父長的風景。今ひとつ内容わからず。

هديل نظمي الأسانسير
ハディール・ナズミー「イル=アサンセール(Elavator)」
 エレベータに閉じ込められた女の子のところに、間違い電話がかかってきて、エレベータから助け出す代わりに色々質問する男に、少しずつ惹かれていくお話。女性の一人芝居で場面もエレベータの中だけですが、飽きません。電話しながら髪をほどいて結いなおす感じとか、すごくイイです。

محمد حماد سنترال
ムハンマド・ハマードゥ「セントラール(Centraal)」
 電話局(公衆電話がいくつも一つの部屋に並んでいる電話屋さんのような感じ)で客の会話を盗み聞きする店番女性。こういうお店は、うちの近所にもありますが、携帯が普及してさすがに斜陽産業のようです。

محمد محسن رقم قومي
ムハンマド・ムフシン「ラクム・カウミー(ID Number)」
 ある日突然「誰からも見えなく」なってしまった男が、最後に自殺し、その瞬間に周りから見えるようになる、というお話。割とクラシックなネタ。

 ほぼすべて英語字幕付きですが、その字幕が大文字小文字乱用だったり、タイトルの訳自体が本編の中だけで二種類あってさらにパンフレットと相違していたり、エジプトらしいです。
 商業映画もインディペンデント映画も、エジプトは大変水準が高いのに、あまり日本で紹介されていなくてもったいないです。

ハトシェプスト女王葬祭殿遠景
ハトシェプスト女王葬祭殿遠景 posted by (C)ほじょこ
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  1. 名前だけのイスラームというものはない、エジプトのインディペンデント映画|2009/12/12(土) 07:30:41|
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