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スイスのミナレット建設禁止とフェイスブックでの抗議活動

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スイスのミナレット建設禁止問題とフェイスブック
スイスのミナレット建設禁止問題とフェイスブック posted by (C)ほじょこ

スイス政府に対するインターネット上でのイスラームの戦い

 アラブおよびイスラーム市民は、国民投票の結果が伝えられてから、スイスにおけるミナレット建設禁止に対する怒りを、フェイスブックで表している。この国民投票は、スイス右派人民党が、同国内での新しいミナレット建設禁止を呼びかけたもので、57.5%の賛成多数で禁止となった。国民投票の結果を批判し、スイスへの制裁と政治的・経済的断絶を求める、英語およびアラビア語による何十ものグループが作られた。
 国民投票から数日しか経っていないにも関わらず、フェイスブックは、国民投票を批判するグループとニュースで賑わっており、300を越えるグループに五十万近い人々が集まった。「共にスイスとの断絶を」と題するグループの一つの創設者は、「スイス人民のYESは、スイス政府および人民が、イスラームを戦争を呼びかけるテロ宗教であり、そのモスクは戦争を呼びかける象徴だ、と公式に考えているということだ。スイスとの断絶およびスイス製品拒否で、これに対抗する」と語った。そのメンバーたちは、ムスリム労働者たちに対し、スイスの銀行から預金を引き上げるよう呼びかけ、何十億ものドルでスイス政府に再考を促させようとしている。別のグループは、スイスのムスリムにへの差別的処遇に対するイスラームの怒りの大きさを世界に知らしめ、当地のムスリムを支援すべく、国民投票を批判する百万の著名を集めた。グループはコメントで溢れ、フェイスブックで活動する「ヤーセル・ナジュム」は、「民主主義とは、矛盾のある場合には、少数派の権利を尊重する、という条件の下で、多数派の決定を適用するものだ。民主主義と自由と他者を受け入れること、というヨーロッパのスローガンは、どこで響いているのか、と考えている」と語った。
 また、フェイスブック利用者の一人「アフマド・アブドゥルファッターフ」は「多くの人が、スイスでのミナレット建設禁止問題につらい思いをしているよ。彼らは尤もだよ。でも問題は、大騒ぎしている連中のほとんどが、(ミナレットだけでなく)新しい教会を建てるレンガの一つだって拒むってことだ。キリスト教徒が本当に必要としていてもだ」
 グループメンバーの一人ターヒル・アブーザイドは「スイスでのミナレット禁止が問題なのか分からない。ミナレットは、マイクのない時代に、ムアッジン(訳注:礼拝を呼びかけるアザーンを行う人)が声が届くよう登るために作られたものだ。今は、ミナレットからもマイクからも、モスクの外でのアザーンはないんだ」。テクノロジー専門家は、フェイスブックは、単なる社交の場ではなく、アラブ民衆の状態を写す鏡になっていてる、と語り、精神分析家は、アラブ社会は、アラブ民衆が苦しんでいる政治的・経済的理由で苦しんでいる抑圧から逃れるための空間として、ソーシャルサイトを利用しており、納得のいかない出来事に対する不満の捌け口となっている、と言う。
 現在までの怒りの形が、批判や非難、断絶要求という形式に留まっているにも関わらず、フェイスブックは、依然頂点には達していないイスラームの怒りが満ちていることを示しており、スイスの国民投票の結果が、未だ癒えぬイスラームの傷口を開くことになった。2005年には、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)のカリカチュア画がイスラーム世界で大騒動を引き起こし、デンマーク経済を混乱させる広範な批判と断絶に至ったが、現在までのところ、対スイスの状況はこのような事態には至っていない。


 台詞部分は一部アーンミーヤ。
 過剰な反応に見えるかもしれませんが、過敏になる理由があるのもまた事実。
 この件に関しては、スイスの極右政党が煽ったお陰で、スイス政府にとっても都合の悪い結果が出ていまい、双方あまり得していない、という状況のようです。多分今、一番困っているのはスイスの良識ある市民で、一番得しているのはアホな極右と、一部のアホな勘違いムスリムです。
 スイスを叩いているのはムスリムだけでなく、欧米メディアでも大変評判が悪いですが、怒ったムスリムが暴走して、かえって欧米人の「反対意欲」をそいでしまわないか、気がかりです。彼らが、イスラーム以外のものが同様の抑圧を蒙った時、同じように抗議することができれば、素晴らしいことなのですが、現実的には、そこまで広い視野を持っているのは一部の人だけのように思います。

 「教会を建てるレンガ一つも拒否」云々と言っているのは、建設禁止派は宗教行為そのものを敵視しているのだ、という主張ですが、これが妥当かどうかは少し疑問です。
 記事の最後でカリカチュア問題が触れられていますが、確かにこれとは次元の違う話で、そういう発展の仕方はしないのでは、と思います。

 この記事で面白いのは「ミウザナ(ミナレット)なんて、今はあってもなくてもいいやん」という素朴なツッコミがムスリムの側から入れられていることです。もちろん、多くのムスリムが反対しているのは、そんな実用的側面ではなく(それを言ったら、エジプトだってマイク使ってるからミナレットなんか要らない)、象徴としてのミナレットの建設禁止をイスラームに対する抑圧と捉えているからですが、斜め上に抜けてしまうようなとぼけたコメントがあると、逆に少し安心します(記事から推測するに、スイスではアザーンの大音響放送は行われていない様子)。
 このとぼけた彼がいてくれるお陰で、この記事一つでも、ムスリムが非常に多様であることを察することができるでしょう。
 欧米の人々、あるいは日本や韓国の人にとってムスリムが不気味に映る時というのは、彼らが一様な行動様式を取り、まるで個というものがないかのように一体となって見える時なのではないでしょうか。マッカの巡礼風景の写真などを見ると、そんな印象を受けてしまうかもしれませんが、実際のところは人それぞれで、宗教に対するスタンスも多様なら、そもそも信仰一つに全人格を還元できるものでもありません。
 大体、イスラームが個を殺し一糸乱れぬ統一を生むものなら、とっくの昔にイスラエルを追い出せているでしょう(笑)。このまとまりの無さは、イスラーム的には問題なのかもしれませんが、多くの日本人にとっては、むしろ親近感を持ちやすいのではないか、と思います。

 この件にしても、最近日本で流行っている安っぽい排外主義にしても、目にするたびに心に浮かぶのは「じゃぁアンタら日本人同士だったら共存できんのかい」というツッコミです。
 少なくともわたしにとっては、日本人のほとんどは赤の他人で、大多数の人はノリも合わなければ仲間でもないし、むしろ「敵」とすら思える人々の方が数が多いし、とりたてて「共存」しようとも思っていません。一週間後にアイツもわたしも生きていたら、結果的に「共存」できていたのかもしれませんが。そういう意味では、日本人もエジプト人も一緒です。
 分かりやすい異物を見つけて排除しようとする人たちは、逆に「共存」の敷居が低すぎるんじゃないですかね。わたしだったら、向き合ってじっくり話して、腹を探り合いの一つや二つしないと、到底信用できませんがね。
 日本人ならOKとか、キリスト教徒ならOKとか、ちょっと油断しすぎちゃいますか。アンタたちに足りないのは、寛容さじゃなくて絶望だよ。
 まぁ、油断してくれた方がこっちは都合が良いのですが。

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  1. スイスのミナレット建設禁止とフェイスブックでの抗議活動|2009/12/10(木) 05:56:25|
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