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エジプトのフェミニスト、ドイツ、コシャリの名門アブー・ターレク

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 近況をざっくりメモ。

 F先生の授業は、今週はほとんどフスハー。様々な新聞記事を素材にした文章を読み、討論したり、練習問題などをこなしています。
 彼女との授業は、フスハーの授業でも二人の会話はフスハーだったりアーンミーヤだったり一貫していません。「フスハーをひたすら鍛えたい!」という人にはお勧めしませんが、こういうコードの使い分けは、エジプト人の間では非常に一般的なことなので、わたしもフスハーの文章を読み上げて、顔をあげて先生と話す時はアーンミーヤにシフトしています(でもまだ使い分けが下手で、フスハーとごっちゃになっていることが多いw)。
 普通のエジプト人と一緒に新聞などを読んでいても、新聞を小声で読み上げる時はフスハーで、その後しばらくフスハーが続いた後、いつの間にかアーンミーヤに戻っている、ということがよくあります。「これどういう意味?」等と尋ねると、大抵のエジプト人はアーンミーヤに言い換えようとするので、最初の頃は「それ余計わからん!」と思っていたのですが、段々そのノリにも適応してきました。

 ふと気づくと、F先生の授業では、ほとんどわたしが喋っています。対して、S先生の授業は、聞く時間の方が遥かに長い。男性と女性の違いが大きい気がします。

 「日本語に語根みたいのはある?」と聞かれて、ホイ来た!と常々感じている漢字の意味が拡張していく感じと語根概念が似ていることを熱く語ります。
 アラブ人は、フスハーについて語る時に「すべてに意味がある」ということをよく口にし、わたしもそこが大好きなのですが、日本や中国の使っている文字もまた、「すべてに意味がある」と言えます。もちろん、現在ではほとんどが元の意味を失っているのですが、そういう「言語そのもの基底に埋め込まれた記憶」について考えていると、うっとりとして時間が止まったような気持ちになります。

 女性の社会進出についての文章を読み、この件について二人で議論したのですが、非常に面白かったです。彼女もわたしの意見に興味があったようで、事前に作文が宿題で出されていたのですが、概ね考え方が一致して安心しました。
 彼女は、何せ自分が働いているくらいなので、女性の就労には肯定的で、イスラームとも矛盾しない、と考えています。女性を家の閉じ込めようとするのは「反動だ」と言い、نوال السعداوي(Nawal El Saadawi)というエジプト人フェミニストのことも教えて貰いました。彼女については、嫌っているエジプト人(特に男性w)が多いそうです。
 もちろん、社会を急激に変える危険についても、よく認識しています。わたしも、闇雲に女性を解放すれば良いとは思っていないし、女性の教育や独立が人口爆発の抑制に効果的だとは思っても、現在の日本の少子化などを眺めていると、うまくコントロールしないと別の新しい問題の種になるだけだな、と常々考えています。まぁ、専業主婦という存在に憎悪を抱いてはいますが、それはただの私怨なので横に置いておきます(笑)。
 彼女の友人に、大学卒業まで一年を残す状態で結婚した人がいて、旦那さんの猛反発で、結局学業を断念することになったそうです。こういうことは、エジプトでは珍しくありません。「あと一年なのに、どうかしてるんじゃないのか。もし旦那さんが病気にでもなったら、彼女が働かざるを得なくなるかもしれないし、その時は学歴がものを言うかもしれないじゃないか」と二人で憤慨しました。彼女は三人の子宝に恵まれたものの、彼の家族との関係がうまくいかず、幸せとは言えないようです。

 Dさんに紹介されたUさんと、度々一緒に勉強しています。
 ドイツ関連某施設の図書館を利用していているのですが、とても清潔で静かなところで、日本人のわたしもパスポート一つで入れて貰えて、ドイツ大好きになりそうです。職員の方も非常にフレンドリー。
 Uさんは、これまで出会ったエジプト人の中で、最も礼儀正しく勉強熱心で、清潔感溢れる好青年です。時間や予定もしっかり管理するし、生真面目で控えめなので、エジプト社会では生きづらいんじゃないか、と心配になるくらいです。図書館で紹介してくれる彼の友達も、全員言葉遣いがキレイです。
 彼の友人が文化間のノンバーバルコミュニケーション比較についてのディスカッションのことを話していて「やっと話が合いそうな人たちがいた」と思いました。街のエジプト人とのあまりの違いに愕然とします(笑)。
 場所が場所だけに、周りのエジプト人はみんなドイツ語がペラペラですが、英語はできる人とできない人がいます。Uさんは英語もできますが、その友達はサッパリでした。もちろん、こっちも意地になってアラビア語で喋ります。
 「君は日本語と英語が喋れて、今はアラビア語を勉強していて、それだけ?」と言われ、ションボリします。それだけでも苦労してるんだよ! アンタら多言語マスターすぎ!

 彼とはまだ会話量が少なく、こちらの言語能力が十分に伝わっていないこともあって、しばしば「ここに何て書いてあったか、説明してみて」「今僕のいったことわかってる? 説明できる?」と問われます。
 「わかってますよ!」を伝えるためには、ここで素早く適切に言い換えや例示をしないといけないのですが、これは以前に「良い語学教師の要件」として挙げたのと同じパフォーマンスです。
 「良い語学教師」は、自分で言い換えや例示ができるだけでなく、適切なタイミングで学生にもそれを要求しないといけないでしょう。彼は教師でもないのに、頻繁にプレッシャーを与えてくれて、しんどいながらも非常に助かっています。
 ちょっと口ごもったりすると「いや、まだわかっていないな。わかっていないだろう? つまりこれはね・・」と更に難しい話に進展していったりするので、間髪入れずに答えないと、体力を温存できません(笑)。

 豚インフルエンザ問題でも、Uさんの見解はF先生同様に冷静で、気持ちが落ち着きます。「豚インフルエンザはもちろん危険だが、こんなに騒ぐほどのことじゃない。他にも危険なんて沢山ある。本当の政治的問題から目を逸らすための、政府のキャンペーンにすぎない」。
 日本で覆い隠されているのは何でしょうか。本気で豚だの鳥だの騒いでいる人たちが多いのだろうし、状況はエジプトより深刻だと思いますが。地球温暖化キャンペーン然り。

 今のところ、ほとんどアラビア語を教えてもらっているだけですが、彼が読んでいる英語の文章を一緒に読んで、英語で議論することもあります。速読力では、依然英語とアラビア語にかなりの開きがあって、ちょっと焦ります。
 Uさんはドイツ語はペラペラだけれど、英語にはまだ自信がないようです。といっても、もちろん普通の会話ではまったく困らないレベルです。ビジネス英語になると、語彙が不足していたりして、一緒に英文を読んでみると、会話は非常に上手なのに、意外と基本的なボキャブラリーが欠けていたりします。エジプト人らしいです。
 文法についても、時々「アラビア語話者らしい間違い」をしていて、興味深いです。前置詞だけで関係性を示す名詞文みたいな英語を使う、等です。
 彼らの助けもあって、大分アーンミーヤ高速トークにもしがみついていけるようになってきました。こっちはなかなかスムーズに喋れませんし、完全に聞き取れているわけでは全くないのですが、場を白けさせない程度には、何とかついて行っています。非常に体力を消耗するので、三時間も話し込んでいると、別れた後立ちくらみがしそうです(笑)。

 彼と彼の友人と喋っていると、アラビア語と英語に加えてドイツ語が混ざるので、めちゃくちゃ言語混成です。ドイツ語になるとまったく一言もわからないので、蚊帳の外になってしまいます。
 ドイツ人が混ざると、日本人とドイツ人がアラビア語で話す、というレアな状況が出来上がります。

 いつも新聞を買っている売店で、「お前は外国人じゃないのか? エジプト人か? アラビア語が上手だな」と言われて、すごく嬉しかったです。彼とはほとんど会話していなくて、かつ新聞を毎日買っているので、勝手にアラビア語が上手だと勘違いされただけなのですが、「エジプト人か?」と言われるのは、お世辞でも幸せです。
 顔は全然違うと思いますが、いっそ顔が似ているのでもいいです。エジプト人可愛いし!

 新聞記事の見出しに、
الفيروس يواصل الزحف على المدارس
 という表現がありました。「ウィルス、学校への進軍を続行」ということです。
 زحفは、辞書で引くと「這うこと、進軍、行軍」といった訳が載っていて、「進軍」という言い方は軍隊用語かな、と思うのですが、軍隊用語のうち一般人でも知っているようなものは、このように比喩表現として使われることがよくあります。
 以前に単語集で勉強していた時、軍隊用語で日本語でも意味のわからない単語が沢山あって「いつ使うねん!」と思ったのですが、一部の単語は軍事・メディア関係者以外にとっても重要です。

 コシャリの名門、アブー・ターレクを初めて訪れる。

アブー・ターレクのコシャリ
アブー・ターレクのコシャリ posted by (C)ほじょこ

 コシャリそのものが好きではないので、近くを通ったついでに「有名だし、一回食べてみるか」と寄っただけなのですが、まず、店内が広いのに驚き。
 加えて、コシャリ小で5ポンド。
 気になる味の方ですが、別に普通のコシャリだと思いますけれどね・・。
 まぁ、コシャリが好きではない味オンチの言うことなので流して頂いた方が良いですが、とりあえずわたしはコシャリに5ポンド出す気にはなれないです。

 以前に、エジプト日本人界の有名人丸山さんが、四谷にできたコシャリ屋を批判する文章の中で、「本当に貧しいエジプト人は、コシャリも食べていない。政府の援助があるパンを食べる」といったことを書かれていたのですが、まったくその通りだと思います。5ポンドだって、貧しいエジプト人の一食にしては、ちょっと高いです。
 エーシなら1ポンドだし、適当に野菜を煮込んだスープと一緒に食べれば、コシャリなんかより安くて栄養があって美味しいものが食べられます。
 というか、その辺のテイクアウェイの店でターメイヤのサンドウィッチでも頼めば、もっと安く済みますよね。ターメイヤも個人的には好きになれないし、やっぱりなんといっても豆!を推したいですが(ターメイヤも原料豆ですが、コロッケなので、安い店の油がかなりキツイ)。

 漫画家の永井豪さんの講演会情報を見かける。

エジプトの永井豪
エジプトの永井豪 posted by (C)ほじょこ

 マジンガーZなどが放送されていたそうですが、もう大分前のことで、エジプト人との会話の中で話題にされたことはありません。
 「おしん」も有名ですが、これも流行したのは大昔で、話題になったのは二回くらいだけです。「ウシーン」みたいに発音するので、最初は何のことかと思いました。

 最近、大分涼しくなってきました。もう夏の格好だと、朝夕は肌寒いです。
 「服を何とか調達しないと」と思うのですが、街で眺めても、今のところ秋冬っぽいものはあまり見かけません。セーターとかコートとかは、いつ頃出回るのでしょうか。何となく、エジプト女子は夏でも冬でも同じような格好で乗り切っているような気がして、このままでは凍え死ぬんじゃないか、と不安です(笑)。
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  1. エジプトのフェミニスト、ドイツ、コシャリの名門アブー・ターレク|2009/10/15(木) 15:36:37|
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