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サファリパーク

 お休みの日に学校の企画でサファリパークに行ってきました。
 サファリパークなるものに行くのは、生まれて初めて。アレキサンドリアに程近いところです。

 道中、「鳩の塔」を見かける。でも、幹線通り沿いですし、観光化されたもののようでした。

鳩の塔
鳩の塔 posted by (C)ほじょこ

 サファリパーク入り口。

サファリパーク入り口
サファリパーク入り口 posted by (C)ほじょこ

 サファリパークなので車で回るのですが、車といっても普通のワゴンバンで、ヤバめのところは一応窓閉めてちょっと隙間あけるだけにしてね、という緩さ。
 実際、ほとんどの動物は猛獣ではなく、草食系の人たちのところでは車から降りられます。
 動物を見ると無条件にアドレナリンが噴出する異常性格なので、ハイになってカモシカとか変わった山羊みたいなの(名前不明)を追い掛け回していたら、係のおじさんに怒られました。

 サルコーナーは、「窓は隙間だけにして」の危険エリア。
 走っている車にサルがガシガシ飛び乗ってきて、餌を強請ります。
 イイ感じにガン付けられているところを撮れました。

サルと運転手さん
サルと運転手さん posted by (C)ほじょこ

サル
サル posted by (C)ほじょこ

 かばでーす。

かば
かば posted by (C)ほじょこ

かばの口
かばの口 posted by (C)ほじょこ

 トリでーす。

トリ
トリ posted by (C)ほじょこ

 って、全然サファリパークらしい写真がありません。
 実際、肉食系の人たちはゴロゴロ寝ているだけで、全然面白くありません。

 この後、ボートに乗ったのですが、ゴリラの島の脇を通った時に、テレビで見るみたいにゴリラが超怒ってボートに併走してきて、二回も石を投げつけられたのがめちゃくちゃ楽しかったです。動画撮れば良かったです。
 結構コントロールが良く、二回とも何故かドイツ人の男性を正確に狙っていました。ゴリラを怒らせる何かが彼にあったのでしょうか。陸の上で対峙したら相当恐怖だと思いますが、船の上なのでケラケラ大爆笑していました。
 観光客の方にはお勧めしませんが、お子様のいらっしゃるエジプト定住者または長期滞在者の方は、遊びに行くと楽しいと思います。石を避ける運動神経も試せることでしょう。
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テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. サファリパーク|2009/12/29(火) 07:08:18|
  2. エジプト留学日記

エジプト・ガザ国境ラファフの密輸トンネルと窮状

 エジプト・ガザ国境の街ラファフからのリポートです。
 両国境は封鎖され、現在金属障壁の建設が進められていますが、これには広い範囲から批判が浴びせられていて、ガザ支援のための秘密トンネルも無数に建設されています。
 なお、文中に登場するイル=アリーシュは、国境に程近い拠点となる街。

ラファフリポート
ラファフリポート posted by (C)ほじょこ

ラファフ住民:検問所が閉鎖されている限りトンネルは続く
国境両側の商人たち:「イル=ワリードとイッ=シャルヤーン」の壁の分断以前から、物品の密輸で時を競っている

 「時は剣の如し。斬らざれば、トンネルが壁を斬る」。これがエジプト側ラファフの現状だ。住民たちは、住居にトンネルを迎え入れ、地面の下の通商活動と密輸を利用し、エジプト当局の建てた治安障壁の問題に対応し、これを現実的な対処と考え適応している。
 ラファフは待機と監視の街となり、誰もそこから発展が導かれるとは考えていない。これが始まったのは、イスラエルのメディアがガザとの国境の最初の金属障壁を報じてからで、この後、掘削機械への銃撃があった。
 匿名のベドウィンによると、壁は半分完成しており、スルターンの丘に始まり、イル=サルスーリーヤで終わっている。唯一の障害は国境線に隣接したサラーフ・ッディーンの場にある住居である。一方、治安筋によると、作業は今までのところ「治安ポイント」と呼ばれる部分で止まっている。
 本紙は、国境における直近のハマースによるデモの直前にラファフを訪れたが、緊張がその日の夕方まで続き、道には治安部隊が待ち伏せ、イッ=シェイフ・ズワイドに始まり、ラファフ検問所まで続き、密輸品を積んだ車を拘束できる状態だった。しかし、日没が近づくとすべてが様変わりし、昼間のラファフと夜のラファフは別物だった。国境沿いの道では警官と治安部隊が増強されるが、イル=マースーラ(訳注:パイプの意だが、道路の通称名と思われる)やイル=ゴーラのような何十もの幹線道路では、治安が欠如が見られる。夜の始まりと共に、物資を運ぶ車が整然とエジプト側ラファフのトンネルの入り口に集まる。国境の反対側のハマース責任者の会見によると、ここから二百万人のパレスチナ人に生活必需品の三分の二が供給されている。
 トンネルおよび倉庫の最重要関係者の一人アブー・ムハンマドの、ラファフのイル=マースーラ地区から程遠くない自宅を訪ねた。撮影を拒み、自身について多くを明かさない彼が述べるには、たった十分でいつでもガザに入ることができ、イル=アリーシュは一年半もの間訪れたことがない、とのことだ。
 理由を尋ねると、彼はこう述べた。「あそこにはトンネルや密輸関係で、投獄を決める三千件の欠席裁判があり、わたし自身も、欠席裁判で三年の刑が言い渡されている」。

 お陰で彼は捕まっておらず、我々は二人のパレスチナ人商人と知り合いになることができた。二人はトンネルを通ってエジプト側ラファフに来て、素早い取引で食料品を手に入れ、同じ道でガザへと戻っている。
 アブー・サーリフとアブー・イル=アブドの二人の商人は、我々と安心して話をするのに、とても長い時間がかかった。彼が最初に言ったのは、トンネルはガザ住民にとって、イスラエルが北の通気用の「肺」を遮断した今では「右肺」だ(訳注:「北」には「左」という意味もあるため、イスラエル側の左肺=北の通気口=トンネルとエジプト側のトンネルが対を成す含みになっている)、ということだった。また彼はこう付け加えた。「今のガザ地区では現在、エジプトとの通商活動が拡大しており、燃料、防寒衣料、住宅用品、セメントの需要が増している。イスラエルはかつて1リットルの石油を10ポンドで売っていたが、今ではガザでエジプト製石油が1リットル3ポンドを越えることはない」。アブー・イル=アブドは言う。「ガザでは牛肉が1キロ60ポンドで売られている。カイロのいくつかの地区と、そう変わらない価格だ」。
 日没の前に、我々はアブー・ムハンマドに同行し、いくつかの倉庫を回った。大型トラックは「ジャファーファ」通りや「イル=ガウラ」通りから来ていて、治安部隊の待ち伏せを警戒して、イル=アリーシュ-ラファフ間の道路を避けていた。中央シナイの工場で作られたセメント、、天然ガス、石油などの商品が、イル=ハンディーヤ村周辺に出現した。通商用トンネルは、さながら地底の巨大倉庫のようで、ナイロン袋で一杯だった。スイスから五千リットルの天然ガスを積んだタンク車が来て、トンネル用のサイズの小型車に詰め替えられ、ガザへポンプで送られる。同じようにして、セメントを積んだトラックも空になった。
 アブー・ムハンマドは、ベドウィンがトンネル活動の継続を望んでいることを明かした。彼らは正当であると、彼は次のような言葉で立場を明らかにした。「ガザの大衆は、我々の兄弟に囲まれている。可能な限り、支援をやめるわけにはいかない。同時に、トンネルは我々の経済状況も改善した。というのも、政府はラファフ住民に成長の機会を与えず、ラファフ検問所を閉鎖して我々の通商を断ち、これがラファフ住民をトンネルでの仕事に追い込んだのだ」。彼から政府にメッセージがある。「我々はエジプトの治安を脅かしたりしない。すべての輸出品が、イル=アリーシュの警察署の前に山積みされている。ポテトチップやタイヤや食料品だ。検問所を開いて欲しい」。我々は彼に尋ねた。深さ22メートルに達する壁が建設されたら、トンネルは影響を受けるか? 彼は言った。「パレスチナ人は、金属障壁への対応のエキスパートだ。深さ35メートルに達するトンネルもある」。しかし、商人たちは、壁の完成前に可能な限りの商品を持ち込もうと、時と戦っている。これは、彼の言葉を借りるなら、ガザ住民にとって静脈であり動脈なのだ。
 我々は、イル=イヤーイダ族に属するアブー・ムハンマドのエージェントとの接触を試みたが、彼が街道に配置したこの人物は、彼に携帯電話でこう連絡してきた。「今夜は仕事がないよ」。地区内でのエジプト治安要員の動きを見て、トンネルへのセメントの旅を追うのは、順延することにした。
 翌日、我々はイル=アリーシュに戻り、商工会議所の登録商人らの誘いを受け、商業地区を訪れた。七月二十三日通りにある、ほとんど空の部品店だ。イサーム・カウイーダルはこう言う。「イル=アリーシュの住民は包囲下に置かれるようになった。平和の架け橋が新たな税関所に成り果てている」。カウイーダルは自動車部品店を営み、三角地帯の警察官たちについて、頑迷という言葉で不平を漏らし、架け橋の上で彼らが直面している窮状を訴えた。彼の言うのは、商品は単に商店に行くだけで、売り上げ票と輸出書類に記録され、税金がこれに基づいて課せられている。
 一方、匿名のある食堂店員は、窮状をこう述べる。「我々は肉の問題に直面するようになった。ほとんど見つけることもできない」。原因は、ガザに持ち込まれるから、という口実による緊急の差し押さえだ。「トンネルと密輸に対抗する、という口実で、イル=アリーシュの住民を政府が苦しめて良いはずがない」。
 また、イル=アリーシュ商工会議所の秘書官アブドゥッラーヒ・キンディールはこう語る。「北シナイの合法的な商人たちは、苦しんでいる。県内外の治安上の窮状について、ガマール・ムバーラクへの苦情があがっている。特に検問所と「架け橋」で。トラックが拘束され物流会社が閉鎖され、活動が弱体化してしまっている。正しい書類があるのに、立ち往生するようになってしまった。合法商人が「散在」(訳注:賄賂のこと)な方法で商品を扱い、一方で非合法な商人が料金を支払い、彼らの商品が問題なく密輸やトンネルに流れているのは、おかしなことだ」。
 また、こう付け加える。「抑圧されている商人には、共和国全体で輸送の自由が与えられるべきだ。彼らを犯罪者のように扱うのはおかしい」。
 イル=アリーシュの商人の現状がこの通りである一方、トンネルの商人は--商工会議所秘書官によると--鉄製障壁が彼らに課す変化の前に、治安上の問題を避けつつ、活動を増しており、十歳以下の若年労働者を惹きつけている。彼らは、高額の報酬で、商品をトンネルまで運んでいる。イル=アリーシュから繁栄を引き抜き、潤い活動を増す国境へと移すように。

 ガザ・エジプト間の国境封鎖については、エジプトはアラブ世界全体から非難されていますし、大抵のパレスチナ人はエジプトを批判しますし、またエジプト人自身も、ほとんどは快く思っていません。しかし、エジプトはイスラエルと直接国境を接している国であり、また欧米諸国との関係もあり、安易に国境を開いてガザを支援してしまうのも危険です。下手をすればエジプトもガザの巻き添えを食ってしまうわけで、エジプト政府も辛い立場にいるわけです。
 おそらく、公式には国境封鎖し、密輸を取り締まる一方、そこそこに抜け穴があって、秘密裏に民間の支援が行われるのを黙認、という状態が政府にとっては都合が良いのですが、それでは満足しない国民も多く、また公になれば、今度はイスラエルとアメリカが黙っていません(そういう意味でも、こういう非政府系新聞によるリポートを、政府は苦々しく眺めていることでしょう)。
 結局、イスラエルの問題そのものが解決へと進展しなければ、どうしようもないわけで、エジプト政府の苦しい立場を理解しつつ、根本解決に対する非力を批判したくもなります。具体的には、アメリカに対してもう少し強気に出られる(喧嘩を売ってはダメ)指導者が必要だと、個人的には思うのですけれどね。

 ちなみに、冒頭の「時は剣の如し。斬らざれば、トンネルが壁を斬る」というのは、アラブの有名な諺のもじりです。元の諺は、
الوقت كسيف ألم تقطعه قطعك
「時は剣の如し、斬らざれば、斬られる」

 括弧付きで使われているفرش المتاعというのは、最初「享楽の布団?」と、サッパリ分からなかったのですが(文脈から賄賂のようなものとは推測できる)、فرشにはspreadのような意味があり、またここでのمتاعは「物品」の意味で、つまり「物による賄賂」のようなコノテーションとなっています。
 合法商人が「物による賄賂」を渡し、非合法商人が「料金」を払っている、と書かれているのですが、エジプト人の意見を聞いてみたら、その「料金」も賄賂で、要は賄賂が物品か金銭か、その料や額が大きいか小さいかの違いのようです。

 فطع الغيارは「部品」の意。布の端切れではありません。

関連記事:
エジプト・ガザ地区間の密輸トンネルと国境の街ラファフの苦悩
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  1. エジプト・ガザ国境ラファフの密輸トンネルと窮状|2009/12/29(火) 04:29:15|
  2. 新聞・メディア

エジプトの「カイゼン」

カイゼン
カイゼン posted by (C)ほじょこ

カイゼンせよ、さらばアッラーは慈悲を与えられん

 「カイゼン」とは、日本のストラテジーであり、二つの言葉から成っている。「カイ」は変革を意味し、「ゼン」は「より良く」を意味し、あわせると「カイゼン」、つまり継続的改良となる。
 これが世に現れたのは1984年、日本のエキスパート今井正明によってで、この時かれは、人生のターニングポイントの一つにいた。この理論は、次の考えの上に立っている。「小さな一歩が人生を変えることができる」。例えばこうだ。何かの習慣、例えば喫煙をやめようという時、この決定は断固たるもので、この習慣に人を結びつけるすべてを遠ざけることを課すものだろう。これを成功させられる人はいるが、ほとんどの人は失敗する。なぜなら、突発的な情熱は、時と共に衰えていくからだ。
 カイゼンは、それまでの考えをきっぱりと拒む。なぜならそれは、「僅かな少しずつの変革」だからだ。このことは同じ例から理解することができる。
 何らかの習慣、例えば喫煙をやめようとする場合、我々は、この決定に十分な時間を与えなければならない。もし煙草を一箱吸っているなら、翌日には一本だけ減らし、また次の日には二本減らし、という具合だ。
 変革が段階的であれば、継続の機会はより強力になる。
 つまり、
活動またはプロセス = 有益な作業 + 無益な作業
カイゼン = 有益な作業 - 無益な作業
 ということだ。

 カイゼンは「二つの言葉」ではなく「二つの文字」なのですが、そこを説明し出すと大変なので、「言葉」と言っているのでしょう。
 わたしは、この手の「経営哲学」的な話が大嫌いなので、カイゼンについてもその単語を耳にした程度しか知識がないのですが、「ちょっとずつやるのが大切よ」な話は、イスラームの文脈で何度も聞いています。
 التدرج في العبادة(信仰における段階性)と言い、「何でも一遍に完璧にしようとするのはいけない、ちょっとずつ良くしていくのが一番良い」という意味で、多分ハディースかクルアーンのアーヤに参照先があるはずなのですが、具体的には覚えていません。すいません。

 この記事で面白いのはタイトルで、「カイゼン」から作ったكيزنという造語の動詞を、「カイゼンせよ」と複数への命令形に活用させています(タカイジヌー)。kaizenがアラビア語に定着する日も来るのでしょうか。

『カイゼン―日本企業が国際競争で成功した経営ノウハウ』今井正明
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  1. エジプトの「カイゼン」|2009/12/28(月) 03:58:48|
  2. 新聞・メディア

アムル・ムーサー、エジプト大統領選および諸問題を語る

アムル・ムーサー ロングインタビュー1
アムル・ムーサー ロングインタビュー1 posted by (C)ほじょこ

 エジプトで大変人気があり、大統領候補とも囁かれるアラブ連盟事務総長アムル・ムーサーのロングインタビューがありました。
 法制度上の制限等から、このままでは事実上現職再選もしくは「世襲」となる可能性が高いのですが、エジプト国民の多くは現状を快くは思っておらず、先日「条件付出馬」を表明したイル=バラーダイー(エルバラダイ)氏と並んで、アムル・ムーサーも「刺客」候補の一人となっています。
 周囲でそれとなく聞いた印象では、アムル・ムーサーはイル=バラーダイーより人気がある様子。あまりに人気があるので、危険視されて、アラブ連盟事務総長という「名誉職」に飛ばされているわけです(名誉職は言いすぎかもしれませんが、現在のアラブ連盟は名前のような勇ましいパワーは持っていない)。

 まず、前編の見出しから。

本誌とのロングインタビューで立場を決する
アムル・ムーサー:大統領職への道は「閉ざされている」

七十六条は立候補を望む者への非常な制約
七十七条は生活上の伝統慣習に反し、大統領職に任期制限があるのは極めて妥当
選挙に対し最大限の司法監視が入れることに賛成
国際監視については欠点も問題も見当たらない
わたしが与党の下で立候補するのは安易であり政治的日和見主義だ

アラブ連盟については、一度ならず辞表提出の手前まで行ったが、連盟の存在に怖れを抱いた
少なくとも一年半後にはアラブ連盟を去り、以後は、発展の道において社会が頼れる人間の一人となることができる
エジプト社会は大変な抑圧状態にある。教育は、国内的にも国外的にも必要もないことを押し付けている

ムバーラク大統領は立候補するだろうと考えている。その場合、選挙と候補者のシナリオは、立候補しなかった場合とは異なるものになるだろう
(ガマール・ムバーラクがその父の存命中に大統領選に立候補することは自然なことか?という問いに対し)我々は、単に目撃者であるだけではすまないことだろう

憲法改正を語るすべての者を、敵として扱うべきではない

いかなる社会においても、我々は国民と法を畏れなければならない。もし国民が大声で主張し集まっていないのなら、なぜこれを畏れるのか。もし法に小さな穴もないなら、なぜこれを畏れるのか(訳注:実際には国民は不満を抱え主張していおり、法は穴だらけ、の意)

イル=バラーダイー(エルバラダイ)は、彼のやり方で立場を表したが、この方法で攻撃するのは正しくない。わたしは、わたしを脅迫する者に言う。「一人を脅迫すれば(テロ攻撃を加えれば)、二人目が現れるし、三人目が続く」
アフマド・ザウィール(訳注:化学者、1999年ノーベル化学賞受賞)の力と学問を役立てたいと、どれほど願っていることか。ムスタファー・イッ=サイード(訳注:エジプトの化学者)についても、彼ら二人のような学問と栄光ある他の人物についても同様だ
政府は議会に対し、質問も許さないままだ。できるのかどうかもわからない。我々は「語る者は成し遂げる」という考え方を持つようになった

 憲法七十六条は、2005年の大統領選挙時に改正され、それまでの信任投票方式から、一応複数候補が立候補できるようになったものの、少数政党・独立系候補に非常に厳しい内容。
 政党系候補については、全議員の5%以上の支持がないといけないのですが、野党議員を全部合わせても5%に満たず(イスラーム系無所属を合計すれば越えられるが、超超党派の団結が必要)、事実上与党国民民主党しか候補を出せません(2005年選挙では特例として公認政党からは議席数に限らず候補者が出せた)。
 独立系候補については、上下院および地方議会から250名以上の支持(うち下院議員から65名以上)がないといけませんが、これらの議会の全議員数は3859名で、政党系候補以上の難関。下院の選挙で選ばれる議員数は444人なので、14%以上の支持が必要ということで、政党系候補の更に三倍ハードルが高くなっています。
 もちろん、重要なのは5%とか14%とかいう数字ではありません。大統領選出馬に一定の制限がかけられるのは当然ですし、「普通の議会」で議員の5%というなら十分マトモな規定でしょうが、要するに5%とか言う以前に、母数になっている議員の選ばれ方が既に怪しい、ということです。

 一方、憲法七十七条は、大統領の任期(六年)と再選について規定したもので、ここには「再選可能」との記述があるだけです。つまり、再選回数に制限がないわけで、六年ごとの「選挙(以前は信任投票)」をクリアすれば、永遠に再選ループを続けられる、という仕組みです。

 この両項目についてアムル・ムーサーの語る下りは次の通り。

--七十六条と七十七条についての議論があるが、これについての意見は?
 現行憲法の第七十六条についてお尋ねなら、これは立候補したい者にとって究極の制限だ、と言おう。この重要な職に進もうという者に対しては、基本的な基準と制限がなければならないが、必要なものと反対の結果に導くようなものではいけないし、門戸を閉ざすものでもあってはならない。一方、七十七条についてだが、生活上の伝統慣習では、世代交代、責任の委譲、国の変化、世代から世代への受け継ぎが行われるものだ。このことから、国の大統領職および他の多くの地位に時間的な枠組み(訳注:再選制限)があるのは、至って合理的なことだ。これは変化の伝統慣習であり、フランス、アメリカ、イギリス、インド、ブラジル、南アフリカ等々に例を見ることができる。これらの国は、生活上の様々な面で進歩し大きな成果をあげた。その原因はたくさんあるが、わたしは開かれた民主的システムとしておきたい。

 イル=バラーダイー(エルバラダイ)の「条件付き出馬」について。

--イル=バラーダイー氏の立場と大統領選出馬のためにあげた条件について、どうコメントされますか。特に、彼があなた同様、いかなる政党にも属さず独立のままであることを欲していることについて。
 イル=バラーダイーは、彼のやり方で立場を表したが、この方法で攻撃するのは正しくない。この立場に賛成するにせよ反対するにせよ、公職についての彼の意向を尊重すべきであり、このことを主題として議論しなければならない。

 ちなみに、イル=バラーダイー氏とアムル・ムーサーは、遠い親戚関係にあるそうです。

 アムル・ムーサー自身の出馬について。

--あなたの言葉を、現在の情勢では、大統領選に出馬することは現実的に不可能だ、と理解しましたが。
 わたしは現実的人間であり、夢想家ではない。また健全な政治は、単なる理論や知名度ではなく、熱意の上に打ち立てられなければならない。わたしは、お陰様で、知名度については申し分なく、立候補宣言でその成果を摘み取ることもできる。質問は、それは可能か、ということだろうか。それなら答えは、道は閉ざされている、というものだ。

アムル・ムーサー ロングインタビュー2
アムル・ムーサー ロングインタビュー2 posted by (C)ほじょこ

 続いて、後半の見出し。

アラブ世界は「分裂し疲弊し弱体化している」と素描する一方、アムル・ムーサーは言う「民族が何だ、アラブが何だ」という者達は、「紙とペン」を共有する利益を軽んじている(訳注:アラブとして統一的な言動を取ることのメリットを無視している、の意)

アラブ連盟の活動を麻痺させようとする勢力がいる・・なぜなら、全体としてのアラブという立場が、彼らにとって「都合が悪い」からだ
わたしは「アラブ民族主義」について、情感を込めたり、喝采を送るような意味では語らない・・アラブ諸国はすべて、その「全体としての」問題について語らなければならない
現状では、イスラエルとのいかなる仲裁も無駄である、と考えている・・トルコの役割に悩まされてはいない

中東は変革に瀕している。トルコのように回帰してくる勢力がある(訳注:一度は中東世界の枠組みから離れつつあったが、再び仲間となりつつある、の意)・・また、イランのように上昇しているものがある。一方、アラブ世界は役割において弱体化している

「政治ゲーム」は、最初の頁から最後まで、完全にその役割を終えた

和平プロセルに期限を設けなかった点で、また国連を脇に置いてしまったこと、「公正なる仲介」なるものを受け入れてしまった(訳注:括弧付きの「公正なる仲介」は、暗黙裡にアメリカを指している)点において、我々は誤った。

エジプト国民、そしてエジプトの政治家として、わたしは言う。「もしイスラエルに核プログラムがあるなら・・一方でイランにも可能性があるなら・・エジプトの核プログラムもまた、急がれねばならない

パレスチナ問題には腐敗がある・・パレスチナ人は、彼らの権力闘争において、責任の一端を負っている
アラブ・イランの対話の枠組みが必要だ・・これのどこに危険があるのか理解できない
イランとは、地理的関係からいって、どちらからも脅迫を加えることなく、共存というファクターに重点を置いていかなければならない
エジプト・アルジェリア間の問題が「飛び出して」しまった(訳注:潜在的だった問題が顕在化した、の意)・・無関心と脆弱さが、我々の社会の一つの特色なっていまったと感じる

 「エジプトも核プログラムを急ぐべき」というのは、もちろん核兵器開発のことではなく、「核の平和利用」の意です。

(…)もちろん平和的な枠組みにおいてだが、核についての活動を開始すべきだ。我々は、この大変デリケートで、また社会の学問的発展と大いに関係ある問題について、完璧に出遅れてしまっている。
--それでは、エジプトの核活動開始の決定は正しい、と考えているのですか?
 もちろんだ。この件についてのアラブ連合の決定を見て欲しい。我々は既に、アラブ諸国全体に対し、原子力の研究の学校への導入、原子力の平和利用の進展、社会的要請に応えるための原子力利用を求めているおり、ヨルダンおよびUAEは実際の活動を熱意をもって開始している。これは、彼らの関心を将来的に彼らの国へと届けるためのものだ。

 もちろん「核の平和利用」というのは一般に、単なるエネルギー政策ではなく軍事的・政治的プレゼンスのためのものでしょうが、中東のパワーバランスを考えると、イランやエジプトが核技術を持つことは、マイナスではないと、個人的には思っています。
 少なくとも、エジプトは米国に抗って核の軍事転用を進めるところへ暴走することはあり得ないでしょうし、イランも、米国が余計な刺激を与えなければ、一部のシオニストが懸念を表明しているように、イスラエルに対して先制攻撃を仕掛けるような真似はしないのではないかと思っています。
 ただ、エジプトにとっての最大の懸念の一つ、パレスチナ問題について言うなら、軍事的プレゼンス云々より、米国の政策を内部から少しずつ変えていくことを、アラブ諸国全体およびイスラーム社会全体として、試みていくことが重要だ、と考えていますが・・・。

追記:
 この記事はフスハーで書かれていますが、ところどころにアーンミーヤが混ざっています。インタビューそのものは、「文化人の言葉」つまりフスハーとアーンミーヤの中間形態で行われたのでは、と推測されますが、基本的にはフスハーに「翻訳」され、不自然になるところはアーンミーヤの表現を生かしているようです。
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  1. アムル・ムーサー、エジプト大統領選および諸問題を語る|2009/12/28(月) 03:55:09|
  2. 新聞・メディア

気遣いの違い、聖俗分離の危うさ

 土曜日。
 話の流れで、日本とエジプトにおける「気遣い」の違いが話題になる。
 エジプト人はとにかくおせっかいで、常に人を助けるチャンスを狙っています。頼んでもいないのに「何か問題ない?」「困ったことがあったらいつでも電話してよ!」とやる気満々です。
 そして、うっかり「ちょっと体調が悪い」などと口にしようものなら、次から次にお見舞いコールがかかってきて、寝ている暇もありません(笑)。
 日本にも「声をかけてあげる親切」というのはありますが、同時に「放っておいてあげる親切」も尊重されます。逆にエジプトにだって、「他人に構いすぎるな」という発想がないわけではないのですが、比率として、圧倒的に「介入派」です。
 これが時に鬱陶しい、という話をしたところ、F先生は「それは面白い」と乗ってくれて、「確かに、エジプトでは、こちらから声をかけないと不親切ということになる」と言います。
 「わたし個人は、放っておかれても何も感じない。でも、以前に秘書の子が一日だけ体調を崩して休んだのだけれど、次の日学校に来たら、とても悲しそうにしていた。誰からも電話がかかってこなかったのがショックだったらしい。エジプトでは、確かにそういう時は、積極的に声をかけた方が良い」。
 あぁ、ついていけない・・・。

 F女史に教えてもらった隠れ家的お勉強スペースで勉強。静かで本が沢山あって、天国のよう。

 日曜日。
 ルクソールでお会いしたAさんを尋ねて某ホテルを襲撃するも、既に別のホテルに移った後。代わり?に噂に聞いていた若い日本人留学生さんとお話する。超かわいらしくて心配になる。なんかドキドキしました(笑)。

 月曜日。
 二ラウンドの長丁場授業。図書館で、普通のエジプト人にアーンミーヤについての質問に答えて貰う。
 アーンミーヤについても大量に質問が溜まっているのですが、授業は今読んでいるフスハーのテクストで一杯一杯で、全然質問する時間がありません。時間がもったいないので、基本的に自習ですべてこなし、分からないところだけ矢継ぎ早に質問しているのですが、それでも全然時間が足りない。

 火曜日。
 ご飯を奢ってもらってしまう。
 四五年連絡を取っていなかったオランダ在住の友人が電話をかけてくれる。感動。ちなみに時差は一時間。ヨーロッパは近いですね。
 オランダはビザが厳しいらしく、彼女が突然「日本もEUだったらいいのに!」と物凄いことを言い出す。トルコだってなかなか入れないのに、無茶言うたらあかんがな。
 でも本当に、日本がもう少し近かったら、往復も簡単だし時差も少ないし、とても楽しいのですけれどね。
 そんなことを考えて電話を切った後、彼女以上の妄想を閃きました。
 日本とイスラエルをかえっこしましょうよ。
 何せ神国ですから、シオニストに進呈する約束の地として不足はないでしょう(断言)。で、パレスチナ人に土地を返して、残ったちっこいところにぎゅうぎゅうにみんなで住みましょう。日本人の狭さ耐性と素晴らしい秩序形成能力をもってすれば、なんとかなります。みんな宗教とかテキトーだし、愛想だけは良いから、パレスチナ人ともあんまり喧嘩しない。お上品だから、トルコの次くらいには見事EU加盟。沖には海底油田があるって説もあるし、ウハウハですぜ。
 ネタです、一応。

 水曜日。
 夜にとうとうAさんと再会。延々とカフェでダベる。
 今後のこととか、イロコイ話とか、超楽しかったです。
 彼女は世界中旅している旅プロで、カイロ引きこもりなわたしと違って、本当に色んなことを知っています。
 「キリスト教圏の国は治安が悪い」と言うので、「アメリカやヨーロッパのキリスト教徒なんて名前だけだし、キリスト教じゃなくて近代化の問題でしょ」と返したら、興味深いポイントを指摘されました。
 「中南米の国のほとんどはキリスト教で、かつ未だ伝統色が強く、信仰も根強い。にも関わらず、犯罪は非常に多く、治安が悪い」。
 中南米というのは、まったく視野の中にありませんでした。

 ことを宗教に還元してしまうのは大変危険ですし、彼女もわたしもそんな還元を本気で信じてはまったくいません。ですから、まったく根拠薄弱な連想にすぎませんが、キリスト教圏に一般的に見られる「信仰と世俗の分離」には、以前から疑問があります。
 「信仰と世俗の分離」というと、多くの日本人はむしろポジティヴにとらえるでしょうし、政教分離に反対しようとか、神権国家を翼賛しようという気はありません。政治体制というより、大衆に共有される思想的基盤について考えています。つまり、「政教分離」ではなく「聖俗分離」のことです。
 思想的基盤として「信仰と世俗の分離」は、世俗のところで悪どい真似をしても、信仰の世界に行って懺悔すれば許される、というようなイージーな「宗教の使い方」に堕ちてしまう危険を孕んでいます(もちろん、まともなキリスト者にそんなアホはいないでしょうが、どんな国のどんな宗教も、大半は「あんまりお上品ではない信仰者」が占めている)。
 ごめんで済んだら警察要りません。
 イスラームは社会の隅々まで介入しようとする傾向があり、「信仰の世界と世俗の世界」という二分的発想が非常に希薄です。わたしとしては、戦争にすらコミットしようとするイスラームの「天網恢恢」な勢いを大変肯定的にとらえています。ストリートを監視できないような弱い神様は要りません。神様なんだから、戦場でも売春宿でも、至るところに介入して当然です。そして、良い行いと悪い行いがある以上、許す専門ではなく罰する力もあるのは至って自然なことでしょう。許す専門の神様なんて、都合の良いゴミ捨て場にされるのが関の山です。
 世の中には、許されることと許されないことがある。
 この身も蓋もないことを粛々と実行しているのがイスラームで、大変地に足がついているのですが、一方で「宗教」というものに日本人の多くが期待する性質とは一致しない、というのもよく理解できます。全然「超越的」ではありませんから(一部のスーフィズムやイスラーム哲学を除く)。
 少なからぬ日本人の抱くであろう反感に対し、別に反論しようという気はありません。本音を言えば、直観的には、むしろそちらの「分離型」の発想の方がしっくりくるくらいで、わたしのイスラームへの接近は、直観に抗いザラザラしたところを無理に進むところから始まっています。人一倍「超越的」な信仰世界に惹かれながら、それを信仰の枠内で地に繋ぎ止める、という運動が、イスラームへわたしを招いていったようにも思いますが、これはまったく個人的なお話。
 繰り返しますが、この話は茶飲み話の流れで出てきた思いつきであって、本気で宗教に還元し説明するような思想には反対です。また、仮に相関性があったとしても、因果性があるのかは怪しいですし、またこの性質が教義に由来するのか、単なる相関的な社会的属性に由来するのかもおぼつきません。
 ただ、一般にキリスト教圏の方が治安が悪く、イスラーム圏が全般に治安がよろしい、というのは、単純に事実でしょう。特に「中東」というと、日本では物騒なイメージが強いですが、実際のところは、ほとんどの地域(都市部)は非常に安全です。ニューヨークなんかの方が遥かに危ないでしょう。
 シオニストがいなければもっと安全なんですがね(笑)。

 木曜日。
 休憩を挟みつつ六時間一対一授業。疲れが気持ちよい。
 F女史と一緒にメトロで帰る。メトロの車内にある表示が、あちこちスペルミスしているのが話題になる。
 エジプト人(アラビア語話者)にとっては問題ない「ミス」なのはわかるし、わたしでも読めるわけですが、正確なフスハーの文法から言うと「間違っ」ている表記というのは、あちこちに見られます。まぁ、日本語だって、おっちゃんの書いた張り紙なんて怪しいものですが・・・。

 相変わらずネットが丸一日二日くらい余裕で落ちますが、完全に慣れてしまいました。
 「次ネットがつながったらこれやろう、これ調べよう」というメモを、忘れないように書いています。お買い物みたいで楽しいです。

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らくだのモニカ posted by (C)ほじょこ
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  1. 気遣いの違い、聖俗分離の危うさ|2009/12/28(月) 03:53:16|
  2. エジプト留学日記

エルバラダイ大統領

 イル=バラーダイー(エルバラダイ)氏の、エジプト大統領選への「条件付出馬」に関して、短いですがとても面白い記事がありました。
 彼の「条件」とは、「公正な選挙が行われること」「独立系候補を認めること」等、「世襲」のための法制度が固められた現状にあっては、はっきり口にしなくても誰もが不可能とわかっているものです。つまり、彼の「条件付出馬」とは、それ自体が痛烈な政府批判になっているのですが、当然のことながら、政府国民民主党からは、様々な批判がぶつけられています。

イル=バラーダイー大統領
イル=バラーダイー大統領 posted by (C)ほじょこ

イル=バラーダイー大統領

 とうとうイル=バラーダイーが、暗黙のうちに、来る大統領選挙への不出馬を表明した。確かに、彼の口からはそう言っていない。ただ彼の知性と魂からそう言ったのだ。公正な選挙を望むことを理由に、はっきりと実現不可能と知りながら、選挙の実施法を改革することを条件とした時に。今や、問いはこうだ。どうして我々が、公正な選挙を行うというのか? この男は夢見ているのか、勘違いしているのか、野望を抱いているのか。重要なのは、彼が多くの条件で不可能を要求し、そこに最後の条件、つまり、ナイル川をアレキサンドリアからアスワーンに向けて流す、という条件を付け忘れたということで、誰もが彼が出馬しないということを確信している。興味深いのは、イル=バラーダイーの条件ではなく、各紙の編集長たちが行った彼への攻撃と、彼の条件および誰もが疑わないその尊敬すべき人間性への嘲笑だ。ここで、問いはこうなる。もしイル=バラーダイーが直接出てきて大統領選に出馬しない、と言っていたら、同じだけの中傷と詮索があっただろうか? 国際原子力機関のような国際機関で、華々しい役職に辿り着き、その任を終えた後で、彼が生まれ育ち、役立つ男として世界に送り出してくれた国の選挙に立候補することを考えた時、イル=バラーダイー氏は誤ったのだろうか。なぜ我々は、我々の象徴を中傷しようとするのか。なぜ我々は、我が国における、この世界的に尊敬される人物を生み出した好意をないがしろにしようとするのか。編集長の一人の主張が行ったように、彼をスウェーデン国籍に結びつけようとしたりするのか。エジプト人たちよ、君たちには驚かされる。少し違うかもしれないが、もしクフ王がもう一度生命を吹き込まれて、大統領選に出馬したとしたら、彼からエジプト国籍を引き剥がして、ピラミッドから放り出すのか? 諸兄よ、彼の言ったことが、単なる彼の望みであるなら、その望みが困難で実現に程遠いことは我々が皆知っていることなのだから、こんな大騒ぎは必要ないはずだ。彼は願い、我々は夢見、彼と彼の試みを誇りとし、アッラーにことを預け、助けを待つ。最後に、わたし自身はイル=バラーダイーの擁立に賛成していない。だがまた、庶民の名の下に語り、庶民は彼の課した条件を受け入れないと言う者たちの誰が出てくるのであれ、わたしには困難なことだ。最後の問いは、この兄弟に対する、おかしくて泣かせるものだ。あなたはいつから、庶民たちを気にかけるようになったのか? 誰が、庶民の名の下に語る資格をあなたに与えたのか? その地位には、選挙によって着いたのか、それとも当局による指名で? その当局は、彼ら庶民を味方せずにやって来たのだが。

 翻訳の拙さを無粋な説明で補っておきます。
 「どうして我々が、公正な選挙を行うというのか?」というのは勿論、そんなことは不可能、との意。
 「編集長たち」と言われているのは、新聞の編集長のことですが、暗黙的に、イル=バラーダイーを批判している政府系新聞の編集者を指しています。「彼の言ったことがただの望みであるなら、そんな口やかましく騒ぎ立てる必要がどこにある?」という皮肉です。
 「スウェーデン国籍」云々というのは、彼がスウェーデン国籍を持つ二重国籍者だ、という、政府系新聞による中傷のこと。イル=バラーダイーを生み出したのは、他ならぬ我らが祖国なのに、その祖国の名誉まで傷つけるのか、との意。
 イル=バラーダイーの擁立に賛成しかねないながら、同時に「庶民の名の下に語る」者たちにはもっと賛成できない、と言っています。彼らは「国民はイル=バラーダイーの条件などのめない」と主張しているのですが、そう言っているのはもちろん、「国民」ではありません(笑)。
 「あなたはいつから、庶民たちを気にかけるようになったのか?」。もちろん、今でも気にかけていない、という皮肉。
 そして、選挙についてのイル=バラーダイーの発言を批判している者たちは、選挙でその責に着いた訳ではなく、皆政府の指名で「天下り」(?)して来ているだけ、ということです。

関連記事:
エジプトの超党派的改革運動「キファーヤ」、イル=バラーダイー(エルバラダイ)氏の「条件付出馬」を支持
イル=バラーダイー(エルバラダイ)、大統領選での政党擁立を否定、憲法改正を訴える
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  1. エルバラダイ大統領|2009/12/22(火) 05:56:25|
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エジプト人、財政状況の不分明により、アラブ人長者番付から姿を消す

アラブ長者番付
アラブ長者番付 posted by (C)ほじょこ

エジプト人、財政状況の不分明により、アラブ人長者番付から姿を消す

 ドバイで発行されている雑誌「アラビヤーン・ビジネス」誌は本日、2009年の最も裕福なアラブ人五十名のリストを発表し、本紙はこれを入手した。エジプト人は二人しか含まれていなかった。サウィーリス一家が33億ドルの資産で24位、ムハンマド・シャフィーク・ガブルが12億ドルの資産で39位を占めた。2008年には登場したアフマド・アッズ、ファーイズ・サールーフィーム、タラアト・ムスタファーは姿を消した。
 本紙編集長のハサン・アブドゥルラフマーンは、有名なエジプト人資産家の名前が消えたのは、世界金融危機以降、彼らについての十分な情報を得ることができなかったためとし、情報の入手できた二名に留めたという。
 「サウィーリス一家は昨年33位だったのが1億ドル資産を増やして24位に、昨年35位だったシャフィーク・ガブルが39位となった」。
 2008年には15億ドルの資産で46位に入り、エジプトの鉄鋼市場の60%と世界市場に流れるエジプトの鋼鉄全体の50%以上を支配しすることから、本誌が鉄鋼王と渾名したエジプト人実業家アフマド・アッズは、掲載されなかった。同じく、2008年には15億ドルの資産で48位におり、タラアト・ムスタファー・グループもリストから消えた。本誌は同社を、エジプトの最も重要な企業群を所有し、工業開発で二十年以上の実績を持ち、エジプト社会が直面する生活上の問題に創発的な解決を作り出し、エジプト人の直面する生活上の必要に対し、サービスと便宜を提供した、と見なしていた。
 2008年には14億ドルの資産で49位に入っていたファーイズ・サールーフィームもまた、リストから消えた。本誌は彼に強大な政治力を握るエジプトのファラオと渾名し、これにより15億ドルを築き上げ、大会社を買占め、良い時も悪い時もこれを支配した。彼はエジプトの裕福な綿農家に生まれ、カリフォルニア大学とハーバード大学を卒業、三十歳の時にサールーフィーム銀行と開発銀行を創業した。
 本誌のチームは、世界金融危機以降、財政状況および財政基盤の調査のため、三百以上の会社および財界人のファイルを揃え、ハーフィズ・アル=ワリード・ブン=タラールを、180億ドルの資産でリストの筆頭に挙げ、クウェイト人のナーセル・アル=フラーフィーが94億ドルの資産でこれに続いた。

 写真はアラブ世界一の富豪ハーフィズ・アル=ワリード・ブン=タラール。
 凄まじいルックスです・・・。
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  1. エジプト人、財政状況の不分明により、アラブ人長者番付から姿を消す|2009/12/22(火) 05:51:03|
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