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イード・ル=アドハー(犠牲祭)休暇

 今日からイード・ル=アドハー(犠牲祭)の休日。
 イード・ル=アドハー自体は今年は11月27日から四日間ですが、前後の一日を含めて六日間休みになるところも多いです。学校もこの期間お休み。

 事前に大家さんのファトマから知らされていた通り、サッバーク(水道工事屋さん)がやって来る。「絶対一時間くらい遅れてくる」と思っていたら、時間ピッタリに来てびっくりしました。
 ファトマが来ると思っていたら、そのお母さんのおばあちゃんヒクマさんが来てくれました。ヒクマおばあちゃんは、足を痛めて、大家さん宅をお邪魔した時に何度か痛々しい包帯姿を見ていたのですが、復活して歩けるようになったらしいです。
 お茶を出そうとしたら、「いや、わたしはサイマだから(断食中)」と言われます。
 この期間も、断食する人は断食しています。

 ヒクマおばあちゃんは、歳なのに発音が明瞭で、わたしに向かって話してくれている時は、ほとんどの言葉が聞き取れます。ところが、おばあちゃんとサッバークの間の会話になると、途端にグッと難易度が上がって、正直さっぱり聞き取れません。両方アーンミーヤで、別に言語が違うわけでもないのに、この違いは何なんだろう、と凹みます。
 下水に問題があって、我が家だけの問題ではないようなのですが、今ひとつ細かいところが把握できていません。うちのことなのに・・・。

 というわけで、今日からお休み期間中、ちょっと旅してきます。

كل سنة أنتم طيبين
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エジプト  イード・ル=アドハー  休暇  下水  断食 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. イード・ル=アドハー(犠牲祭)休暇|2009/11/26(木) 22:58:32|
  2. エジプト留学日記

サッカーが何であるかを、あなたに理解させるものは何か

サッカーが何であるかを、あなたに理解させるものは何か
サッカーが何であるかを、あなたに理解させるものは何か posted by (C)ほじょこ

 小さなコラム記事ですが、クルアーンを読んでいる方なら、タイトルで「クス」とするかもしれません。
ما أدراك ما كرة القدم
マー アドラーカ マー クラトゥルカダム
サッカーが何であるかを、あなたに理解させるものは何か
 というタイトルですが、これは、
ما أدراك ما ليلة القدر
マー アドラーカ マー ライラトゥルカドル
みいつの夜が何であるかを,あなたに理解させるものは何か
 という、スーラトゥ・ル=カドル(みいつ章)2節のもじりです。「ライラトゥルカドル」と「クラトゥルカダム」も音が似ています。
 こういう「クルアーンネタ」というのは、ご法度なのではないかと気をつけていたのですが、品位ある内容であれば許されるようです。考えてみると、今までにも似たようなものを目にした気がするし、わたしの教養が足りずに気づかないだけで沢山あるのかもしれませんが、どの辺が「やりすぎライン」なのか微妙そうなので、自分ではなかなか使えません(笑)。

 この記事を訳してみようとしたのですが、詩文形式でエライ格式高い文章になっていて、正直まったく自信がありません。雰囲気を伝える参考までにヘボヘボの訳を載せてみますが、沢山間違っているので、笑って許してやってください。
 要するに、昨今のサッカーがらみの問題について、心ある方々はキチンと嘆いている、ということです(笑)。

アラブの民よ、世界が笑っているぞ 足の発明を囲い込んでしまって以来
手綱は頭より足に落ちた 端綱は闇の愚者と成り果てた
知性は狂乱し、分別の彼方 振る舞いは道徳と価値に遠くある
民は学問と文学で競っていた 足の一蹴りは高みにあった
兄弟に対し、愛ある眼差しを送っていた それが敵意と下劣さの山で返された
スポーツは心身の基礎たるものだ 今や殴る蹴るの領分だ
願いの極みは十億のキック だが病気や疾病から癒されたか?
願いの極みは十億のキック だがテント暮らしの者の飢えに応えたか?
願いの極みは十億のキック だがバラバラになった者たちを秩序の元に集められたか?
友がライバルとして来ればガズワとなる バドル、ハンダク、栄光ハイバルにはこれがなかった
歴史とアラブ性は溶けた蝋燭 サッカー場が燃えれば集まってくる
十一の選手は努力を交わす 無数の夢中になった者たちが踊ったり落ち込んだりしている
ゴールを取ればピラミッドを築く あるいは学と知を声高に罵る
ゴールを取れば、この世に場所などあろうか? あるいは二人の多神教徒と続く列が不幸と闇と共に訪れるのか
破壊と混乱が断絶以外の何より遠かろう? その遠さは、後悔の指を噛むのに供するのか?
旗を高く掲げ 扇動を煽る 惨めな狂信へと堕ち退いてしまった
勝利を飾り立て敗北に委ねなかった アラブそのものが、サッカー競技場で敗れたのだ!

 バドル、ハンダク、ハイバルというのは、イスラーム草創期の合戦の名前です。ガズワというのは戦争のことですが、普通の戦争ではなく、イスラーム草創期の預言者の戦い、という含みがあります。
 もっと勉強するです・・・。
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エジプト  サッカー  クルアーン  新聞 

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  1. サッカーが何であるかを、あなたに理解させるものは何か|2009/11/26(木) 22:56:25|
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サッカーと犠牲祭の風刺漫画

 新聞の風刺漫画を二つ。アーンミーヤです。

アルジェリア問題の風刺漫画
アルジェリア問題の風刺漫画 posted by (C)ほじょこ

إحترم نفسك يا عديم الوطنية
شمتان قوي في محاسيب الحزب الوطني والناس المتلمعة وأعضاء مجلس الشعب إللي راحوا ماتش السودان

 「自分を大事にしろ、愛国心のない奴め。スーダンの試合に行った国民民主党の偉いさんとか、地位のある人とか、下院議員とかの不幸を喜ぶんじゃないよ」。
 例のアルジェリア騒動を背景にした漫画。スーダンまで試合観戦に行けるのは限られた人だけですが、そういう特権階級が散々な目に遭うのを喜んでいる子供をたしなめる、という内容。
 本当にひどい目に遭ったのは、在アルジェリアのエジプト人労働者なのですが。

羊とサッカーの風刺漫画
羊とサッカーの風刺漫画 posted by (C)ほじょこ

أهو خسروا الماتش وهيفوقوا علينا دلوقتي

 「見ろ、試合に負けて、いよいよ俺たちに目が向いたぞ!」
 サッカーに夢中だったエジプト人が負けて少し冷静になったところで、イード・ル=アドハーがやって来て、犠牲の羊が慌てている、という漫画。
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エジプト  サッカー  アルジェリア  イード・ル=アドハー  新聞  カリカチュア  漫画 

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  1. サッカーと犠牲祭の風刺漫画|2009/11/26(木) 05:37:52|
  2. 新聞・メディア

アルジェリア問題の背後にカタル企業?

アルジェリア問題とカタル
アルジェリア問題とカタル posted by (C)ほじょこ

政府筋 アルジェリアでの対ユーロスコム事件、背後にカタルの手
先の事件でエジプト企業に五千四百万ドルの損失 アルジェリアの方策は昨年七月に始まっていた

 先のアルジェリア人による攻撃で、ユーロスコム・テレコムの受けた損害は、五千四百万ドルに上ることがわかった。攻撃は、中央センター、営業所、倉庫、工場の三十九箇所に対し行われた。政府筋によると、同社への六億ドルの課税を含む、今に至るまでのアルジェリアの歩みの背後には、おそらくカタルの働き、とりわけ、アルジェリアにおけるユーロスコム・テレコムのライバル会社カタルQTELがあり、この方策は、単にユーロスコムのアルジェリア市場からの追放にとどまらないだろう、と警告している。
 情報筋が付け加えるところでは、アルジェリアが経済開放を控えるようになったのは、2008年7月のアルジェリア大統領アブドゥルアジーズ・ブトゥフリーカの演説に始まった。彼はこう述べている。「アルジェリアは、とりわけ投資の分野で、過去にいくつかの過ちを犯してきた。まさに改革の時が来た」。ブトゥフリーカは、アルジェリアにおける海外資本は、アルジェリア国民にもアルジェリア経済にも益をもたらさない、と述べ、アルジェリアでのモバイル運用許可のために七億三千七百万米ドルを課されたユーロスコムについては、三年後に二十億ドルの収益を上げ、アルジェリアには何の役にも立たなかった、と語った。
 情報筋の語るところでは、ブトゥフリーカは、エジプトの会社がアルジェリア市場で吸い上げた投資の大きさと、四十億ドルをモバイル網の普及に投じ、五万人のアルジェリア人雇用を生み出したことを忘れてしまった。
 情報筋の示すところでは、この時よりアルジェリアは同国投資規制を調整し、海外資本を規制しており、いくつかの会社にしつこくまとわりつくようになっている。財産規制法では、いかなる海外資本においても、アルジェリア人率が三十パーセントを下回ってはならないとし、収益の差し押さえが盛り込まれ、海外の会社は、税務状況の決算次期変更を禁じられている。

 段々陰謀論っぽくなってきていますが、これくらいならあり得るかな、というのが恐ろしいところです。
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エジプト  アルジェリア  サッカー  カタル  新聞 

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  1. アルジェリア問題の背後にカタル企業?|2009/11/26(木) 04:55:30|
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雄鶏には天使が見え、ロバには悪魔が見える

 F女史から動物に関して面白い話を聞く。
 「朝、雄鶏が鳴くのは天使が見えるから」「ロバがいななくのは悪魔を見ているから」という二つ。どちらもイスラームに由来するお話です。
 一番鳥に天使が見える、というのは、ファジュルのアザーンとクロスオーバーするし、割と素直にわかります。
 ロバのいななきというのは、わたしもカイロに来て初めて聞いたのですが、「イーヒイーヒ」みたいなヘンテコな声で、夜中に時々耳にします。アラブ的にはあれは「醜い声」らしく、悪魔を連想するようです。ロバ、いつも踏んだり蹴ったりです。
 ちなみに、この話をしている時、F女史が素晴らしい動物の鳴きまねをしてくれました。彼女は今までにも何度か動物声帯模写をしてくれて、「エジプト人は音声センスが凄すぎる!」と思っていたのですが、これは別にエジプト人の性質ではなく、彼女個人の特技なのだとわかってきました(笑)。本当にめちゃくちゃ上手です。

 某日本関係施設で自習していたら、前にお話した日本語を学ぶNさんとSさんと再会。特にNさんは家もご近所で、物静かでお気に入りです。どうでもいいですが、背がわたしと同じくらいなのも楽チンです。
 Sさんはかなりアグレッシブなエジプト女子で、施設に勤める男性と激しく政治談議を交わしたりしていました。わたしが勉強している横から、ちょこちょこ日本語について質問してきて、ちょっとおかしいです。
 彼女たちには、「これ日本語でどう言うの?」という質問をよくされるのですが、アラビア語では非常に日常的な表現でも、日本語ではズバリ言えないものがよくあって、いちいち唸らされます。
ما فيس فائدة
 は「無駄」「仕方がない」と教わったらしいですが、彼女は「日本語をたくさん勉強しても、次の日には忘れてしまい、マーフィーシュファーイダ」と言いたいようで、そこで「無駄です」とか「仕方ないです」と言っては、あまりにも絶望的な台詞になってしまいます。確かに「無駄」に相当する表現なのですが、日本語ではそこで「無駄」とは言いません。「なかなか上達しません」とか、全然別の表現が来るのが自然な発言です。
 また「仕方がない」というのは、「他に方法がない」ということで、良い意味でも悪い意味でも使います。良い意味というのは、「結果は残念だったけれど、一生懸命やってくれたんだから、仕方ないよね」みたいな文脈の話で、これを伝えるのは非常に難しかったです。غير حاجة تانيةとかما فيس سبيلとか言うのでしょうか。フスハーならلا محالةとかもアリかと思います。それ以前に、これまたアラビア語ならまったく別の表現が来る方が自然な慰めになるはずです。
 帰りも家のすぐそばまで三人一緒で、子供の頃に戻ったみたいでした。

 Sさんがذبحという語の訳にこだわっていました。
 「動物を屠殺する」という意味なのですが、「日本語では人間と同じ『殺す』か『屠殺する』だ」と言っても、「日本では電気で羊を殺すんでしょう? そうじゃないの、喉をナイフでかき切るの、それが重要なの!」と引きません。特に犠牲の動物を殺すというのは、宗教的な行為であって、単に機械的に家畜を殺して食べるのとは違うのだ、と言いたいのでしょうが、日本語では「それ用の単語」というのはありません。
 こういう「自分や自分の文化にとってすごく大切なもの、重要な違い」を伝えたいのに、外国語にしてしまうとやたら冗長になるばかりでサッパリうまく言えない、という気持ちは、よく理解できます。
 でもね、それは諦めるしかない(笑)。とりあえず大雑把なことを言って、後から時間をかけてジワジワ説明するしかないですよ。

 彼女たちと話していて、居合わせたインドネシア人の女の子Oさんと友達になりました。
 ヒジャーブをしていますが、顔つきが東アジア系だし、日本関係の施設だったので、最初は「エジプト人と結婚した日本人かな?」と思ったのですが、それにしては発音がうますぎるし、訛りが日本的ではありません。
 カイロに一家で数年住んでいて、アズハール大学の学生とのこと。アーンミーヤは、わたしから見たら完璧です。言葉遣いも丁寧で、とても好印象でした。
 インドネシアは世界最大のムスリム人口を抱える国で、ムスリムなら子供の頃から意味は分からなくてもクルアーンを勉強しますから、彼らの発音は素晴らしいです。
 英語は今ひとつたどたどしく、最近日本語の勉強を始めたとのこと。フスハーについては「カイロに来る前から勉強しているけれど、本当に難しくて大変」と言っていました。まったく同感です(笑)。
 アラビア語を学ぶアジア人同士ということで、日ごろの思いを色々共有できました。「アラビア語は世界一難しい!」とか「ぶっちゃけ、エジプト料理は不味い」とか(笑)。ちなみにわたしはインドネシアやタイ、マレーシアの料理は大好きで、「食べ物はインドネシアが断然良い」という彼女を断固支持したいです。
 顔つきはエジプト人よりは日本人に近いですが、ノリ的にはエジプト人に近い気がします。彼女個人の性格かもしれませんが、ちっちゃいのに元気一杯で、ちょっと動きが雑だけれど、じっと相手の目を見て熱く語るところが、エジプト女子と少し似ています。でもエジプト人より愛嬌があるかな(笑)。
 日本や韓国のこともエジプト人と違い良く知っていて、俄然インドネシアに親近感が沸いてきました。

 インドネシアで思い出しましたが、以前工場で働いていた友人が、インドネシア人の労働者と知り合いになり、彼らの一人が「英語はわからないけれど、アラビア語はわかる」と言っていたそうです。
 また、以前にネット上で、インドネシア人とアラビア語でやり取りしたことがあります。多分彼女は英語もわかるのですが、アラビア語を共通言語として使う、というのは、とても楽しい経験です。
 そう言えば、今日は同じ学校に通うイギリス人の女性とも、ずっとアラビア語で話していました。英語という最強言語が母語でありながら、気合でアラビア語で通す姿はカッコイイです。彼女はペルシャ語を学んだ経験もあるとのこと。素晴らしい。
 どんな言語でもそうですが、外国人同士が第三言語として使って話すのは、ネイティヴの話を耳ダンボで盗み聞きするより遥かに簡単です。ネイティヴでも、「外人向け」に喋ってくれている時はまだ楽なのですが、エジプト人同士の会話を盗み聞きするのは非常に大変です。

 全然関係ありませんが、最近現代アラビア語小辞典を借りて使っていることが時々あり、これが結構使えます。
 アラビア語日本語辞書なら、まずパスポート初級アラビア語辞典という例文も豊富で素晴らしい辞書がありますが、あくまで初級用で、これだけでは新聞も読めません(解説は本当に素晴らしく、単語集としてはずっと使えるし、わたしも寝る前に毎日読んでいます)。
 また、Pdicで使う辞書データが公開されていて、大変お世話になっていますが、マシンが手元にないと当然使えません。
 Hans Wehrは語彙数的に申し分なく、全アラビア語学習者が使っていると思いますが、単に訳語が羅列してあるだけで、また日本人にとっては英語も所詮外国語です。わからないアラビア語の単語を調べたら、わからない英単語が出てきて、わからない単語を二つノートに書く、というシュールなオチになることもあります(笑)。
 現代アラビア語小辞典は、語彙数ではHans Wehrに到底及びませんが、実用に供する収録数で、かつ日本語です。以前に書店で見た時は「表紙が固くて使いにくそう」とかいうどうでもいい理由でパスしてしまったのですが、異国の地で有り難味を噛み締めています。
 とりあえず現代アラビア語小辞典で調べて、見つからなかったらHans Wehr、みたいなパターンが最近多いです。

夜の肉屋さん
夜の肉屋さん posted by (C)ほじょこ
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  1. 雄鶏には天使が見え、ロバには悪魔が見える|2009/11/25(水) 08:01:12|
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アルジェリア問題と大使の責任、アムル・ムーサー

 今、エジプトの新聞のトップニュースは、サッカーワールドカップ予選を巡る「アルジェリア騒動」関連ニュースで占められています。在アルジェリアエジプト人が、アルジェリア人の熱狂的ファンによる暴力的な攻撃や脅迫を受け、職場や住居を破壊され、エジプトに脱出するような事態になっているのです。
 試合時のエジプト人たちの狂乱ぶりは言語を絶するものでしたし、カイロでの試合ではアルジェリア選手団に石が投げられた、という噂も聞いたので、熱狂した一部の市民が暴走した、ということかと思っていたのですが、そんな生易しいものではなかったようです。
 アルジェリアで「エジプトで選手団が襲われ、アルジェリア人が殺された」という誤情報が流されたことが原因とも、その情報操作の背景にはアルジェリア国内の権力闘争があるとも聞きます。
 カイロでの投石が事実かどうかもわからないのですが、その噂を聞いた時には「嘆かわしい」と自国を批判していたF女史も、アルジェリアでの事件に発展してからは、アルジェリア批判に鞍替えしてしまいました。

アルジェリア問題とアムル・ムーサー
アルジェリア問題とアムル・ムーサー posted by (C)ほじょこ

 この記事は、社説のようなコラム記事で、このアルジェリア騒動を扱い、かつアラブ連盟事務総長アムル・ムーサーの名前が出ているので、気になって読んでみたのですが、アムル・ムーサーの名は最後にちらっと出てくるだけでした(笑)。
 アムル・ムーサーは、エジプト国民の中で非常に人気のある人物で、次期大統領の座を巡っては、法的状況から最も有利な位置にありながら国民には人気のないガマール・ムバーラク(ムバーラク大統領の次男)とは好対照を成しています。
 格調高い文章で(コラム記事は大抵普通の記事より難しい)、訳はかなり覚束ないのですが、参考までに載せさせて頂きます。頼りなくてすいません。

アムル・ムーサーの知性へ

 エジプトとアルジェリアの間の危機が長く続くことを望む者は、一人もいないだろう。両国間の関係が本来のものへ戻る日が来るのは疑いようもないが、その日がいつ来るのかはわからない。わかっているのは、その日がひとりでに来ることはなく、偶然に訪れることもなく、それに先立つ歩みが必要だ、ということだ。
 アルジェリア当局が、この危機にあってとった行動に出たのは、理由のないことではない。確固たる理由があったのであり、その理由のうちいくつかは我々の眼前で明らかとなっており、いくつかは模糊として知れない。
 理由のうち明らかなものに触れさせて頂けるなら、またアルジェリア国の振る舞いが、同国代表が十一月十四日の試合前に空港からホテルへの移動中に遭遇したことについて、カイロから伝えられた情報に帰するものだと述べさせて頂けるなら、その情報とは、アルジェリア中枢にも、外務筋にも伝えられておらず、情報源は限定されており、その第一のものも、別のものも、はっきりわかっている。
 最も重要な第一の情報源は、在カイロ同国大使アブドゥルカーディル・ハッジャールである。彼は、同国代表が熱狂的ファンからの投石に遭った、という、まったく事実ではない内容を打電していた。また彼は、在カイロアルジェリア人の死傷者が出ている、と試合直後に報告書に書いているが、これも一片も事実ではない。
 アルジェリア中枢が何らかの態度を示す、あるいは何らかの立場を採るなら、誠に当然のことながら、危機の最中に目にしたように、基本的に、我国にいる彼らの大使からの情報に頼ることになる。例えばブラジルにいる大使からの情報で態度を決める、などということは考えられない。
 ここにこそ、我々が扱っている危機の核心、もし同国当局が現在起こっていることを乗り越えたいなら越えなければならない核心がある。アルジェリア大使自身がその渦中にある状況を否定することはできず、起こったことはこの状況に負っているのであり、これに沿った振る舞いをしたのであり、意図的にであれそうでないのであれ、多くの問題をもたらしてしまったのだ。
 このすべてが目下の我々の主題、事件を追っているすべての者、すべての読者がやがて目にするであろう我々の真の主題なわけではないが、このような種類の大使は、彼とエジプト国の間で将来対話を再開することはできないし、彼の手の及ばないかもしれない理由により、両国の関係を修復することもできないし、この男は、わたしの評価では、すでに権限を失い、権限のための手段も失い、使い物にならなくなるのだ。
 大使の価値を貶めたり、彼やかの国の人々を悪し様に言いたくはない。もし彼が彼の書いたもの危機の初めからを見直してくれていたら、このような意思がわたしの側にはまったくないのを見たことだろう。わたしは、目にし観察し、示してきた現実を語っているのだ。おそらくは、状況の力が大使自身より強かったのだろう。他の首都であれば、彼はかの国に尽くすことができたのだろう。この件について、一体どちらに向かって良いのかわからない。アルジェリア中枢なのか、同国外務省なのか。この二者に、アブドゥルカーディル・ハッジャールに、できるだけ近い今後の外務人事にて、エジプトの職から去るよう求めて欲しい。危機の当事者ではない別の人物がこの地位につき、再建の道を進めるように。あるいは、アラブ連盟事務総長アムル・ムーサーに向かい、できるだけ近い機会に、この要望をアルジェリアに彼の方法で届けてもらうのか。事務総長は必ずこの亀裂の修復を望んでおり、我々を守ってくれるだろう。彼は、この種の亀裂が、この悲惨な一頁に参加しておらず、それを覆い隠してくれる、新しい大使の存在の元でなければ、修復不可能だとわかっている。

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  1. アルジェリア問題と大使の責任、アムル・ムーサー|2009/11/25(水) 06:27:31|
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イード・ル=アドハーに向けて

 イード・ル=アドハー(犠牲祭)に向けて、街が着々と動いています。

イード・ル=アドハーに向けて
イード・ル=アドハーに向けて posted by (C)ほじょこ

アレキサンドリアにて、消費に適さない肉・魚・砂糖・野菜数トン押収
マフグーブ大臣、イード期間中の地方首長の休暇を禁止 市町村長に水とパンの供給途絶への注意を呼びかける

 イード・ル=アドハーにむけて、アレキサンドリア県治安局供給運営調査会は、供給局の協力を得て、消費に適さない数トンの肉・魚・砂糖・茶・野菜を市場へ出る前に押収した。
 消費に適さない腐ったり産地不明の1.5トンの肉と3トンの魚、1トンの砂糖、200キロの塩、半トンの  200キロの米、1トンの野菜、200キロの油、1/4トンの茶、膨大な量のジュース、1万千の爆竹、160羽の冷凍鳩が押収され、押収物の保存と所有者に対する説明が行われ、市民代表に公開された。
 一方、地域育成相アブドゥルサラーム・イル=マフグーブ少将は、イード・ル=アドハー期間中の地域センター、市、地域の首長の休暇を禁じた。県執務室に主要業務室を設け、これをすべての地域センターや市と連絡し、市民からのあらゆる通報や苦情に応じ、イード期間中二十四時間対応する。
 マフグーブが本紙に語るところでは、地域育成省の主要業務室の電話番号33478597が、対応を要する市民からの苦情を専ら受け付け、県知事らは主要業務室を各県に設けるという。
 最も重要なのは電気・ガス・水道と急病人の治療であり、歩行者の通行の邪魔となるので各県の歩道で羊売りが出店を立てることを禁じる、としている。犠牲の羊が病気を運んでいないか、衛生上の安全性を調べるよう、農業省は獣医師会に係員を送る。
 また大臣は、地区・市・村の各長に、イード中に飲料水が途絶えたりパン屋の前に長蛇の列が並ぶことのないよう注意を呼びかけた。イード前の混乱におけるパン問題については各県に政治的指導を一任し、政府はこの期間のために追加のパン用小麦粉を提供する。
 ベニー・スウェーフでは、アッザトゥ・アブドゥッラー知事が、すべての組織長および行政事務所について、イード休み中の休暇を禁止した。行政局長らと行政事務所長らとの会議で、行政サービスおよびすべての業務、とりわけ飲料水および下水道網の県内の拠点の保証に一致して取り掛かることを強調し、期間中も交代業務を継続し、あらゆる苦情と通報を受け付ける125番のホットラインを広報し、すべての村議会のメンテナンスセンターを拡充し、県内のどこの市町村にあっても、あらゆる故障や緊急の修理に対応する。
(後略)


 周囲を見渡しても、続々と都市部に犠牲の羊が結集しつつあります。
 うちの近所でも、「その日」を待つ羊たちの姿がありました。

生きている羊と死んでいる羊
生きている羊と死んでいる羊 posted by (C)ほじょこ

 イード・ル=アドハーには街が血の海になると言いますが、普段の日でも、肉屋さんでは普通に殺したての羊を洗っていますし、羊の生首が転がっていたりします。
 カイロで魚が高くて不味いのは、物流を考えると仕方ないでしょうが、肉は新鮮で美味しいです。考えてみれば、魚は獲ったら車なり馬車なりで運ぶしかありませんが、羊や山羊は自走しますから(笑)、肉屋さんまで自分で歩いてもらって、サッと殺してパッと食べられます。鮮度が保てるわけです。
 「明日の我が身も知らず暢気に草など食べて、哀れなものね・・ふっふっふっ」と言いたいところですが、人間だって明日死ぬかもしれなくても今日草ぐらい食べるし、神様から見たら一緒だなぁ、と感じます。

追記:
 本文中で一箇所空白で抜けているところがあります。「わからないから後で書こう」と思ってうっかりそのまま載せてしまったのですが、敢えてそのままにします。というのも、ちょっと調べてかつ先生にも質問したのですが、依然意味がわからないからです(笑)。
ملح سياحات
مسلى
の二つが謎です。سياحاتの塩って何でしょう。また、مسلىは文脈からして食品の一種と思われるのですが、教育あるエジプト人も「わからない」と言っているので、何かの誤植かもしれません。
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  1. イード・ル=アドハーに向けて|2009/11/25(水) 03:58:32|
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Author:ほじょこ
アラビア語修行にエジプト留学して帰国。翻訳やっています。お問い合わせは下のフォームから御気軽に。

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