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ムスリム同胞団のガマール・ヒシュマトゥ釈放

ムスリム同胞団員釈放記事
ムスリム同胞団員釈放記事 posted by (C)ほじょこ

刑事裁判所、「国際部」で、ヒシュマトゥともう一人の容疑者の釈放を決定

 カイロ刑事裁判所は、ムスリム同胞団評議会メンバーのガマール・ヒシュマトゥ氏および同団イル=バヒーラ運営事務所のメンバーを釈放することを決めた。
 一方、医師連盟人間救済委員会の決定により、治安機関はアシュラフ・アブドゥルガッファールを釈放した。同容疑者を国際部問題で逮捕したのは同委員会である。また、同問題で逮捕されていたハーリド・イル=ビルターギー、アフマド・アリー・アッバースの二名も解放され、国際部および資金洗浄への関与の容疑のあった同胞団幹部はすべて釈放されたことになる。
 同胞団弁護士のアブドゥルムヌイム・アブドゥルマクスードは、三ヶ月前に国際部関係で逮捕された全員が釈放され、ほっとしている、と語った。
 また、アブドゥルマクスードは、全員が釈放されたことは同問題が真実ではなく捏造であり、彼らがかけられた容疑が偽りであることを示している、と付け加えた。

 ムスリム同胞団は多国籍な組織ですから、「国際部」というのは、エジプト国外の活動に関与した疑い、ということでしょう。
 مفبرك(ムファッバラク=捏造された、人造の)は、英語起源(fabric)の単語ですが、フスハーの文脈で使われているということは、「高級なアーンミーヤ」くらいのポジションなのだと思います。
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エジプト  ムスリム同胞団  新聞 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. ムスリム同胞団のガマール・ヒシュマトゥ釈放|2009/11/24(火) 05:55:11|
  2. 新聞・メディア

アルジェリア・エジプト問題の陰にアルジェリア大統領の後継者争い?

アルジェリア騒動の背景に後継者争いあり?
アルジェリア騒動の背景に後継者争いあり? posted by (C)ほじょこ

続く怒りのデモ 弁護士たちがアルジェリアの旗を焼く 下院にて沈静化の指導

アルジェリア筋 病のブトゥフリーカとその兄弟が、権力継承のために反エジプト扇動を率いる

 フルトゥームでの試合に端を発するアルジェリアに対する怒りの反対行動が続き、何十人もの弁護士が「エジプト民衆への侮辱」に抗議し在カイロ・アルジェリア大使を追放するよう求め、アルジェリアの国旗を焼いた。エジプト代表を応援する人々がアルジェリア人によって受けた攻撃を非難し、デモはアラブ諸国大学通りへ進んだが、アルジェリア大使館に続くシッタ・イシュリーン・ユリヨ通りは治安封鎖されていた。アレキサンドリア、ポールサイード(ポートサイド)、スエズでもデモが行われた。
 下院が事態沈静化を指示する一方、アルジェリア観測筋が、アルジェリアにおける反エジプト扇動キャンペーンの背後には、アルジェリア大統領の兄弟サイード・ブトゥフリーカがいる、と明らかにした。彼は、不治の病に侵された大統領の三つ巴の後継者争いで、民衆の人気を集めている。アルジェリア情報筋が本紙に明かしたことでは、試合後の事件はアルジェリアの指導権争いによるもので、その背景には、アブドゥルアジーズ・ブトゥフリーカ大統領が重病で、この未婚の大統領が、兄弟のサイード・ブトゥフリーカに権力を引き継がせようとしていることがある。
 この情報源の明らかにするところでは、サイード氏こそが、カイロとアルジェリアにおけるエジプト権益に対する扇動行動を率い、同国での人気を勝ち取ろうとしたのだという。「試合でエジプト代表が勝っていたら、エジプト人虐殺が起こっていただろう」。

 真偽のほどは定かではありませんが、アルジェリアならあり得るかも、な話です。
 アルジェリア大統領の名前は、日本では「ブーテフリカ」と表記されるようですが、「ブトゥフリーカ」の方が耳で聞いた印象に近いです。
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エジプト  アルジェリア  サッカー  新聞 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. アルジェリア・エジプト問題の陰にアルジェリア大統領の後継者争い?|2009/11/24(火) 05:53:51|
  2. 新聞・メディア

大統領閣下が通る、バスの切符を買う

 今日、授業後に学校のある建物から出ようとすると、真昼間の市街中心部なのに、外がガラーンとしています。車一台、歩行者一人見当たらず、代わりに警官が二メートルおきくらいにびっしり立っています。
 入り口のところに門番のおじさんと若い人がいたので「何があったの?」と尋ねると、「大統領が通るんだ」とのこと。
 いつもは騒がしいお店のテレビや音楽やクルアーンも完全に止められ、市民は全員建物の中に篭っているようです。
 しばらくすると、白バイに先導されたそれらしき車が通過しましたが、沢山車があって、どれに大統領閣下が乗っていたのかはわかりませんでした(わからないようにしているのでしょうけれど)。
 日本なら天皇陛下が通るような状態ですが、沿道で日の丸を振る姿はありません。ゴーストタウンのようで凄い風景でした。

 先々日に「明後日来い」と言われていたので、無駄な予感を抱えつつ、ラムスィースへ。
 前にアレキサンドリアに行った時は簡単に切符が買えたのに、時期(イード・ル=アドハー前)と方向(アッパーエジプト)が悪いのか、とんでもなく手間取ります。
 「あっちの窓口だ」「二日前にならないと買えない」「当日分しかない」等々、窓口ごとに違う答えに翻弄され、ほとんどすべての窓口に並んだ挙句「一番端の窓口だ」とか言われ、「そこでこっちだって言うから待ってたんだ! あそこに並んで、ここに並んで、最後にここに来たんだ! 予約ができないわけないじゃない! 予約で買ってる人がいるよ!」と喚きたてるものの、相手にされず。ムカついて窓口のガラスを殴ってふてくされていると、親切な若者が間に入ってくれて、もう一度交渉になります。
 その職員も「当日に来い、切符は電車の中で買える」と返すだけだったのですが、明らかに嘘です。
 ただでさえも「帰省ラッシュ」時期で、切符を求める客がわめき散らす修羅場と化しているのに、当日ふらっと来て買えるわけがありません。
 さらにダフ屋みたいな親父と警官が寄ってきて「夜の電車ならある、夜でもいいか」とか言ってきます。「昼がいいけど、夜しかないならそれでもいい」と言っているのに、何度も同じことを確認してきて、明らかに怪しい雰囲気。警官は仲裁しているというより、親父の変な商売を見逃して袖の下でも貰ってそうな雰囲気です。ダフ屋から電車の切符を買うのも釈然としないので、諦めて撤退しました。

 結局切符を買えないまま「どうしたもんかなぁ」と駅の外に出て、ふとカイロ在住暦の長い日本人の方に電話してみます。
 やはり駅員の口上は「その場しのぎの嘘だろう」とのことで、「時期が悪い、外国人は普通寝台列車に乗る、今の時期にその方法は薦められない」と言われます。
 外国人向け寝台列車が安全らしいのは知っていたのですが、アホほど高いので、なんとか普通の電車に乗ろうとしていたのです。
 でも確かに、たたでさえも評判の悪い電車に、さらに「帰省ラッシュ」時に乗り込んだら、どんな目に遭わされるかわかりません。日取りは多少ズラせるので、もう少し空いている時期にしようか、と思ったのですが、その前にバスに挑戦してみることにしました。

 シナイ半島に行った時にお世話になったトルゴマーンのバスステーションまで歩く(ラムスィースからはメトロ一駅半くらいで近い)。
 場末な空気漂うラムスィースとは対照的に、トルゴマーンはショッピングモールと一体化したとても綺麗な近代的施設です。
 切符売り場は、ほとんど並んでいる人もいなくて、空いています。
 アッパーエジプト行きの窓口に行き日にちと目的地を告げると、まったく並ばずものの数秒で切符が買えました。夜のバスしかありませんでしたが、外人価格で100ポンド。職員さんの言葉遣いもとても綺麗でした。
 なんというあっけなさ。
 バスが俄然大好きになりました。
 電車なんか牛とぶつかって大事故になるし、もう嫌い! イーッだ! バスだーい好き♪
 まぁ、まだ乗っていないので何が起こるかわからないですけれどね。
 アッパーエジプト方面は道も悪いらしいし、ちょっと怖いですが、まぁ悪くても死ぬだけなので気楽に行きます。

日本製ゲーム
日本製ゲーム posted by (C)ほじょこ

 オマケで、トルゴマーンにあった日本製のアーケードゲーム。
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エジプト  カイロ  治安  大統領  ラムスィース  電車  トルゴマーン  バス 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. 大統領閣下が通る、バスの切符を買う|2009/11/22(日) 06:56:36|
  2. エジプト留学日記

Discover Islam @El Sawy Culturewheel

 F女史の誘いを受け、ザマーレクのEl Sawy Culturewheel でイスラーム関係の映画を見る。
 ザマーレクはまだ三回しか行ったことがないのですが、本当に異様なまでに綺麗で安全なところです。治安については、エジプトはどこでもかなり良いのですが、女一人で歩いているとバカとかガキとかエロオヤジとかが毎分三人くらいで絡んでくる、という風景がありません。外人慣れ仕切って、誰がどんな格好で歩いていても無関心です。そこそこの距離を歩いたのに、全然ストレスになりませんでした。

 会場に到着すると、入り口が頑丈な柵の二重扉で、周りで大量の機動隊が盾を持って構えています。
 「イスラーム主義者の台頭を恐れる権力の圧力か!?」と思ったら、アルジェリア大使館が近いための警備でした。学生運動が僅かに生き延びている奇特な大学にいたので、こういう睨めっこ風景は割と懐かしいです。
 実際、クラクションを鳴らしまくる車、旗を振って叫ぶ若者が大勢います。エジプト人がこんなに一致団結している姿は、他で見たことがありません(笑)。

 会場は、ナイルのほとりの夢のように美しい施設。
 イスラーム関係のイベントといっても、窮屈でお説教くさい雰囲気はまったくなく、かなりオシャレです。

El Sawy Culturewheel
El Sawy Culturewheel posted by (C)ほじょこ

 映画上映とその後の質疑応答、という構成で、今回は「非イスラーム圏の外国人にイスラームを知ってもらう」ことが目的のイベントだそうで、映画は英語音声・ドイツ語字幕でした(回によって言語は異なり、日本語の時もあった模様)。質疑応答も、全部英語で行われていました。
 でも、観客の半分以上はエジプト人(多分ほぼすべてムスリム)で、後は欧米系と、ブラックアフリカ系と思われる数名がいただけで、アジア系はわたし一人でした。
 質疑応答に応じた先生が「どんな質問でも大歓迎だよ! アルジェリア人でも暖かく迎える!」とジョークで場を和ませます。飲酒を巡る質問が出た時は、「エジプトとアルジェリアの件も、酒を飲んで喧嘩しなかっただけまだ良かったね」というネタが出ました。ついでにサッカーを禁止する預言が下っていたら、もっと良かったんですけれどね。
 内容自体は、別に目新しいものではなく、特に「イスラームは科学的」みたいな正当化を図る部分は、個人的にはかなり嫌いでした。近代科学を持ち出して「クルアーンのここが科学的!」「イスラームは近代科学によっても素晴らしさが証明される!」みたいな持っていきかたは、インチキ臭くなるだけなので、やめて頂きたいです。

 映像は綺麗だし、わたし個人は多少なりとも勉強していて極めてイスラーム寄りの人間なのでまだ好意的に見られますが、こういう「イスラームは素晴らしいよ」な映画を見せられたからといって、反イスラーム的な人々が考えを変えるとも思えないし、むしろ「自画自賛しやがって、ケッ!」と反感を煽るのがオチな気がします。というか、そういう人はそもそもこんな映画見ないでしょう。中間くらいで判断保留している人が見ても、これでイスラーム側に転ぶとは思えません。
 とはいえ、対象が対象だけに、「良いところもある、悪いところがある」という言説は構築しにくいのも事実です。
 信仰について、他の文化圏との軋轢を避けるには、個々人のレベルで触れ合うしかないのではないでしょうか。たとえその信仰プロパーを受け付けないにしても、個人と個人で相対すれば、かならず共有部分、共感できる面というのがあります。「この人はわたしの嫌いなイスラームを信じているけれど、アニメの話が通じる! 全否定しないで、様子を見てみようか」となれば、もう合格点です。
 様子を見て様子を見て、五十年くらい時間を稼げは人間死にますから、そんな調子でノラリクラリと暮らせばいいじゃないですか。共存だの寛容だの、言葉面は綺麗ですが、実際のところは「こいつムカつくけど、とりあえず腹減ったから殺すのは明日にしとくか」程度のものでしょう。「明日こそ」とか言ってるうちに、ズルズル百年くらい「平和」が持ちこたえたりするものです。下手に肯定なんか迫らない方がうまくいくこともあります。

 ある思想体系に対する価値判断というのは、顔をつき合わせて付き合う関係にあるうちは、全否定に転ぶ確率というのは、結構低いものですよ。というのは、百人嫌いな人間がいても、一人好きな人がいて、その人が当該思想体系をとても大事にしていたら、それだけで全否定にはブレーキがかかるからです。
 その子の目を見て、全否定するような口はきけないでしょう。心のそこでは「それさえなければ」と思うかもしれませんが、とりあえず保留にして、積極的否定には走らないのが普通でしょう。それで十分です。

 少しだけテロとジハードの話題が出て「次の講演ではジハードをテーマとする。そこでは、そもそものテロの定義についても考えたい」と仰っていました。
 これも目新しさはないですが、この辺から話してやらないといけない欧米人も沢山いるだろうし、値打ちはあるのかなぁ、という印象。

 講演の中でヒロシマ・ナガサキの名が触れられる。
 ヒロシマ・ナガサキがアラブ世界で非常に有名なことについては、以前にも触れたことがありますが、この話題が出る文脈に割とよく居合わせるせいか、日本にいた時より、よく考えるようになりました。
 生まれる遥か前の出来事なのに、時々沸々と怒りが沸いてきます。今でも劣化ウラン弾とかイラクで使っているわけですが、あいつらは。

 ドイツ人の女性が一人質問していたのですが、彼女の英語がかなりヘタクソで、「海外に出るようなヨーロッパ人でも喋り下手な人がいるんだ」と、変なところで勇気付けられました(笑)。

 で、なんと今回も、呼んだF女史とは会えずじまい。他の回に来たのかもしれないし、多忙で体調も崩していたので、来られなかったのかもしれません。
 でも、前回のオペラの件といい、呼んでもらわなければ足を踏み入れる機会もない場を知ることができて、すごくラッキーでした。


 全然関係ありませんが、帰りに近所で新しいマアラ(ナッツ屋)が開店していました。

マアラの開店
マアラの開店 posted by (C)ほじょこ

 開店祝いなのですが、耳をつんざくような大音量でクルアーンを流しています。巨大スピーカーから、轟音ぶりを察して頂けるでしょうか。
 こんなスピーカーをずっと置いているわけではなく、開店祝いのためにDJ(こういうAV機材一般をアーンミーヤ「DJ」という)を呼んでいるだけですが、それにしても尋常ではない音量です。ハムスターくらいなら殺せそうです。
 建物の上には人も住んでいるのですが、流しているのがクルアーンなだけに、誰も文句は言えないでしょう。というか、彼らのノリだと、これくらいは別に迷惑に感じていないと思います。
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テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. Discover Islam @El Sawy Culturewheel|2009/11/22(日) 02:11:53|
  2. エジプト留学日記

ガスが出るのは目か口か

 F先生の授業。
 ほとんど怒涛のようなお喋りで過ごしてしまう。本当は教科書も進めたかったのですが、話が面白くて止まりませんでした。
 わたし自身が今後どうアラビア語と関わっていくか、どう生きていくのか、ということと、米国行きを控えた彼女がこれから生きていきていきたいのか、そういう個人的な問題から始まって、言語を学ぶということはどういうことなのか、さらに信仰の話まで膨らんでしまいました。
 彼女は、現時点までに出会ったエジプト人の中で、一番話の合う人物です。
 女性で、教養ある家庭で育ち教育を受け、外で働いている(「育ち」は日本と比べると上から下までの幅がずっと広いので、少し話すとすぐにわかる)。自身が英語をかなり熱心に勉強していて、なおかつ「ただの用具」というだけでなく「言語そのもの」への純粋な好奇心と興味を持っている。外国へ行く予定もあり、外国人の友人も多く見識も広い一方、ムスリマとして、エジプト人としてのアイデンティティを強く抱いている。自立心も強いけれど、ちょっと不安を覗かせる時もある。こういう人には、彼女を除いてエジプトでは会っていないし、日本でもそんな友人は数人しかいません。
 彼女は冷静に自国を批判することがしばしばあるのですが、ただ政府の悪口を言うだけなら、その辺のエジプト人でも皆愚痴っています。日本人だって一緒です。わたしが「すごいな」と思ったことの一つは、自分の学んだ自国の歴史に「誤り」があることをロシア人から指摘されて、公平に考えてロシア人の考えを受け入れていたことです。歴史認識というのは、思いの他深いところに刷り込まれていて、しかも当人は価値判断ではなく事実認識だと信じている場合が多いですから、揺さぶりをかけるのが難しい領域です。自覚があっても、外国人に指摘されると、つい防衛反応を返してしまう場合もあるものです。
 もちろん、美しいフスハーを操り、フスハーのできないエジプト人を嘆いているところも素晴らしいです。
 辞書にもないアーンミーヤの単語の説明を考えあぐねて、とりあえずGoogle様に尋ねているところを見て「この人はエジプト人だけど同じ文化で生きている人だ!」と確信しました(笑)。

 プライベートなことは一応伏せておきますが、「外国語を学ぶ者同士」という点で「あるあるそれ!」と声を合わせてしまったのが面白かったです。
 一つが、「知的な話題は話せるのに、身近なことを意外と言えない」。これは、外国語を学んだ人なら誰でも思い当たるでしょうが、たとえば台所周りの細かいものの名前とか、結構言えないものです。そんな子供でも知っているようなことがポロッと抜けているのが「外国人」というものです。
 彼女とはほとんど英語で話したことがないですが、五歳から英語教育を受けていて、かなりの達人であることは間違いないです。そんな彼女が「アラビア語(アーンミーヤ)では、ガスに火を付けるのをولعって言うけれど、そう言えば英語で何て言うのか自信ない」「流しの下の下水管から水がポタポタ落ちる感じはنقطةだけど、英語で言えない」「ガスコンロの口عين البوتاجازはどう言うの?」等々、二人で大笑いしてしまいました。
 ちなみに、ガスコンロの口(火が出ていてその上に薬缶などを載せる部分)を、アーンミーヤでは「ガスの目」と「目」という単語(泉という意味もある)を使って表しますが、日本語では「口」です。
 ああいう「穴がポコッと開いていてそこから何か出てくる感じ」系のものは、日本語では「口」で表象される場合が多いですが、アラビア語だと「目」が多いです。このことを彼女に話したら、非常に面白がってくれて、こういう関心の持ち方も共有しています。

 何かが「出てくる」のだから、「口」は変な気もしますが、口は「入る」ところにも関わらず、魂が口から抜けて出て行くようなイメージもあります。
 また、「出る場所じゃない」というなら「目」だって出る場所ではないのですが、アラブ世界には邪視の思想が強く、目からは何かが放射されているイメージがあります。そもそもعينに目と泉の二つの意味があることからして、目は何か沸いてくるものらしいです。
 どちらの「出るイメージ」も洋の東西を問わず存在するのですが、日本(多分東アジア全般)では口優勢で、アラブ(多分西洋も)では目優勢のように感じられます(<要出展)。

 それにしても、二人とも将来については先が見えず、わたしにしても、とりあえず一度は帰国しますが、それからどうするのかサッパリです。

 図書館で、また日本語を勉強している女の子と少し話す。
 日本語になった時は、注意して易しく丁寧な言葉でゆっくり喋るのですが、これが結構骨の折れるものです。わたしもいつもこういう苦労をかけているのだな、と思い知ります(苦労してくれないエジプト人の方が多いですが・・・)。
 「排気量の違うバイクで一緒にツーリングに行くと、疲れるのは大きいバイクに乗っている方」の法則です(マニアックな喩え)。
 以前にも書きましたが「外国人にわかりやすく話す」というのは、技量の要るものです。英語ではこのための訓練があるのですが、日本語についても、少しで良いから教育の中に組み込んで貰えたら、長い目で見たら日本語学習者の気持ちを上向きにし、日本のイメージおよび国力を微力ながら上げることができるのではないか、と思います。

 彼女が「Eメールを出します」と言った時、わたしが「Eメールを送ってくれるのですか」と言い換えて返したら、「Eメールは『出す』ではないですか。『送る』ですか」と質問されたのが興味深かったです。「どっちでもいいです」と答えておきました(つまらん回答!)。
 また「三角形」という漢字の読み方を尋ねられたのですが、答えを口で言うと、彼女がひらがなで「さんかっけい」と書きます。それを「さんかくけい」と訂正しながら、ふと「いやいやいや、発音はどう考えても『さんかっけい』やんね。でも、ひらがなで書くなら『さんかくけい』が正しいはず」と気づき、非常にワクワクしました。とりあえず書記と発音の遊離として説明しておきましたが、どういう説明が一番ストンと落ちるのでしょう。日本語をもっと勉強しないといけません。
 それにしても、彼女たちが丁寧な日本語で喋っていると、とても暖かく幸せな気持ちになります。優しく丁寧な日本語は、本当に美しくてほっぺたがホニャラ~ととろけそうになります。彼女たちの先生(多分日本人!)に感謝します。

 メトロの中で、アバーヤの後ろの裾がジーンズにひっかかっているのを、指摘してもらう。
 お手洗いに行った時にでもひっかけたらしいです。メトロの床に穴掘って入りたかったです・・。
 スカートじゃなくて良かった・・・って、それ前に一度やったことありますけどね、しかも彼氏の前で。もう失うものなんて何もないですよ、あっはっはっ(泣)。

 前に座っていた女の子が「心配ないって!」と大笑いしながら言ってくれて、そこから「ところで昨日のアルジェリア、どう思うよ??」とか会話になりました。
 わたしが新聞を読んでいると、下から反対側の記事を読んでいて、わたしの新聞を押さえて読みやすいようにしたりします。
 こういう「他人が近い」感じはエジプトのデフォルトですが、非常に気楽で安心します。まぁ、時々鬱陶しいのも事実ですが・・・。

 勉強の後、予定している旅行のために切符を買いにラムスィースへ。
 例によって、長蛇の列に並んだ挙句、順番が来たら「あっちの窓口だ」とたらい回しにされます。「隣の部屋の七番窓口だ」とか言われて行くと、番号なんてどこにも書いていなかったりします(笑)。
 並んでいる人に尋ねても「あっちが当日、こっちが予約」「いや、全部一緒だ」とか、みんな言うことバラバラです。その横で老婆が「一枚くらいいいじゃない、どうしても今日乗らないといけないの、一枚切符頂戴!」とか泣き叫んだりしていますが、いつもの光景なので全スルー。自分とアッラーだけ信じて淡々と駒を進めます。
 四回目くらいに並んだ窓口で「予約はない、当日だけだ」とか言っているので、周りの人に「当日しか買えないなんてある??」と聞いたら「予約はできる」と言います。
 居合わせた女性が助けを差し伸べてくれて、窓口と交渉してくれたのですが、イード・ル=アドハー前のせいで、満席との答え。
 ところがその直後、別の通らしい男(謎)が、「今日はまだ早すぎる、土曜日の朝にもう一度来い」と言います。女性も信じているし、どの道切符は買えなさそうだったので、今日は諦めて出直すことにしました。
 土曜日に来ても買えない予感がアリアリですが・・・バスにしようかなぁ・・・。

DSCN4277
コシュク posted by (C)ほじょこ
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  1. ガスが出るのは目か口か|2009/11/20(金) 20:25:36|
  2. エジプト留学日記

汚染されるナイルの水

汚染されるナイルの水
汚染されるナイルの水 posted by (C)ほじょこ

弁護士たち、イル=マスリー・ル・ヨームと連帯、イル=ハワームディーヤ精糖告訴のため著名キャンペーンを始める
健康、灌漑、環境各相に対して公式に届け出る

 大勢の弁護士たちが、ナイルに注がれる下水と、イル=ハワームディーヤ地区における化学物質と毒物による飲料水汚染に対するイル=マスリー・ル・ヨーム(訳注:本記事の掲載紙名)のキャンペーンと連帯し、汚染された飲料水による被害者家族の代表団と共に、イル=ハワームディーヤ精糖社長ハサン・カーミル氏を告訴する予定である、と述べた。本紙がカイロ大学精密分析室で行った分析により、エジプトの基準値と世界基準を上回る重金属や有毒化学物質の存在が突き止められ、先月曜日にこの地区における飲料水汚染を大きく報じていた。
 弁護士でイル=ハワームディーヤの住人の一人でもあるマフムード・サイード・アフマドは言う。「我々はこの地区の生まれ育ち、飲料水の汚染に大変苦しめられてきた。しかし、製糖会社に対抗する何の証拠も持ち合わせていなかった。今、新聞社が政府の研究所で行った精密分析が、飲料水汚染を突き止め、イル=ハワームディーヤ住民から著名を集めるキャンペーンを始め、会社に対する法的訴訟を起こそうとしている。ナイル川への有毒物垂れ流しを止めるまで、立ち向かうつもりだ」。
 イル=ハワームディーヤに住む弁護士アフマド・アブドゥルタワーブ・マフムードは語る。「この怠慢の責任者たちが、彼らの杜撰さと、イル=ハワームディーヤの住人の心を軽んじてきたことの代価を払うまで、我々の魂が静まることはないだろう。我々は環境省に、彼らの分析で、会社の犯した重大な違法行為を明らかにするものを提出するよう、求めていく」。
 この時、一市民サウサン・アリー・スレイマーンが、イル=ハワームディーヤの住人と共に連帯し、昨朝、検事総長事務所に環境、農業、灌漑の各相および及びイル=ハワームディーヤ精糖社長に対し、管理不行届きを訴える届出番号20293を提出した。サウサンが本紙に語る。「一エジプト人のわたしは、この会社が国民に対して行ったことで、悲しみと痛みを覚えた。責任者たちには、わたしたちが飲んだ水を飲み、食べたものを食べて欲しい。多分、わたしたちを苦しめてきた怠慢の大きさを感じることでしょう」。また、こう付け加える。「わたしが届出を出したのは、政府が腕組みをして突っ立っている前で、飲み水のせいで国民が毒に冒されたり、腎臓を蝕む病気に苦しむのを見るに耐えないからです」。
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  1. 汚染されるナイルの水|2009/11/20(金) 20:23:37|
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アラビア語のURL、エジプトのドメイン

アラビア語のURL、エジプトのドメイン
アラビア語のURL、エジプトのドメイン posted by (C)ほじょこ

スーザン・ムバーラク、多文化政策を呼びかける

 共和国大統領夫人スーザン・ムバーラクが、インターネットの運用について、利害当事者たちの間での権利と義務を均等化するよう、訴えた。
 第四回インターネット・ガバナンス・フォーラムでの発言で、世界の国々において、文化的多元性と多様性を育むために政治的働きかけと共に、先進国と発展途上国のデジタル・ディバイドを食い止め調整することが必要である、と述べた。
 エジプトにおけるインターネット利用者および携帯電話利用者数の増加に触れ、地域レベルでこの分野が発展していることを示している、とし、将来的にインターネットはより低コストになるだろう、と述べた。
 通信情報技術相ターリク・カーミル氏は、フォーラムの会見で、「ドット・マスル(訳注:エジプトのこと)」ドメインを個人に与えるかどうかは未決定であるとし、始めは上院本会議を通じて政府機関に与えられるにとどめられるだろう、と述べた。
 URLでのアラビア語使用に門戸を開くとのICANNの合意を示し、アラビア語が他の言語、例えばペルシャ語と類似していることにより、アラブ諸国が大きな制限に直面しているとした。また、例え英語表記であっても、世界的な商標にドメイン登録されないよう、知的所有権についての規正が必要である、と述べた。
 これに続き、多くの会議出席者が、アフリカ大陸を、インターネットサービスを支えるケーブルで結びつける必要性を訴えた。国際情報ネットの利用度において、茶色い大陸は最低レベルにあるとされている、と触れた。

 かなり不安定で低速とは言え、エジプトでもインターネットは普及しています。質に関しては、日本と比べてはアメリカだって下ですから、これくらいでも上等でしょう。
 ただ、ドメイン取得等については、かなり規制があるらしく、れっきとした企業のメールがhotmailだったりすることがよくあります。
 アラビア語URLは、認められるにしても、日本語URL以上に人気が出ないのでは、と思われます。文字の綴り方向がURLの途中で変わるなんて、考えただけで不吉です。

 「ドット・マスル」が.egだとするなら、現在でも存在するし、かなり限られているとはいえ、.name.eg以下で個人による取得も不可能ではありません。アラビア語URLについて触れられているので、ドメイン名がアラビア語、ということでしょうか。.مصرと、文字通りアラビア語のドメインを新たに設け、これを大幅な制限の元に運用する、ということかもしれません。覚束なくてすいません。

 記事で触れられている「アラビア語が他の言語と類似していることによって蒙っている制限」というのは、何が言いたいのかよくわかりません。文字を共有しているというなら、英語とフランス語だってほとんど一緒です。
 アラビア語関係でネットを使っていて不便を感じるのは、活用の激しいアラビア語の性質故に、検索語をうまく絞れないとか、アーンミーヤ記法やラテン文字表記がバラバラだとか、その程度です。これはいずれGoogle様が解決してくれるでしょう(笑)。日本語だって「デジタル」「ディジタル」やら「デバイド」「ディバイド」「ディヴァイド」等の揺れがありますから、そんなに変なことでもありません。

 ICANNは、日本では「アイキャン」と読まれることが多いと思うのですが、アラビア語表記を見ると「イーキャン」と読んでいるようです。
 الفجوة الرقمية はdigital divideで良いと思います。面白い訳です。
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  1. アラビア語のURL、エジプトのドメイン|2009/11/20(金) 20:21:51|
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Author:ほじょこ
アラビア語修行にエジプト留学して帰国。翻訳やっています。お問い合わせは下のフォームから御気軽に。

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