スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
  1. スポンサーサイト|--/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

ショブラで高校生らがナイフで喧嘩

ショブラで高校生らがナイフで喧嘩
ショブラの学校前で生徒二人がナイフで喧嘩

 ショブラのアフマド・ヘルミー通りにあるイル=ワフダ・ル=アラビーヤ・ッ=ダグリビーヤ高校の生徒二人の喧嘩がナイフによる格闘に発展し、イッ=シャラビーヤ地区に住む一人の生徒が、放課後にクラスメイトに懲罰を加えるべく、友人や親戚を呼び集めた。
 同地区の目撃者によると、ムスタファーと呼ばれる同校の生徒が学校から出ようとすると、彼を殺そうとする人々に襲われた。彼らは、彼と喧嘩していたクラスメイトの親戚や知人だった。この生徒が親戚を学校の前に呼び寄せ、ムスタファーが学校を出たところでナイフを突きつけたのだ。彼はすぐさま学校に逃げ戻り、友人に連絡し、友人らが彼を助けに駆けつけたところで、両者の間で激しい揉み合いになった。警察が呼ばれ、両者の仲裁に入った。
 校長のユスラー・サブラーは、近隣住民が事件について語っていることを否定し、喧嘩は学校のあるイル=イシュワーイーヤ地区の住人らの間で起こった、と述べた。そして、喧嘩の犠牲になりかけた一人の生徒を、親族が迎にくるまでかくまうために、学校の門を明けざるを得なかった、と述べた。
 「喧嘩は学校とはまったく関係ない。学校当局は当事者ではないし、警察を呼んでもいない。翌日にはまったく正常に授業を再開しており、三月三日の恒例の体育祭も行った。同じ日に記者会見を行ったが、これは様々なメディアの要請に応えたものだ」と校長は語った。
خناقة بالمطاوى بين طالبين أمام مدرسة فى شبرا

 مطاوىムタワはナイフですが、エジプト方言のはずです。調理用のものではなく、格闘用のナイフを指しますが、ハンガルよりはポケットナイフ的なイメージだと思います。

参考:
الشرابية - ويكيبيديا، الموسوعة الحرة
スポンサーサイト
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
エジプト  学校  社会  新聞 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. ショブラで高校生らがナイフで喧嘩|2010/03/08(月) 06:46:28|
  2. 新聞・メディア

インフルエンザを恐れて子供を学校に行かせない親たち

インフルエンザを恐れて子供を学校に行かせない親たち

サーミルとサマル グーグル学校とデリバリー先生

 十歳前の二人の兄弟、小学校五年生のサーミル・ラムジー・ルゥーフと四年生のサマルは、特殊で現代的な教育を受けている。サーミルとサマルは、一学期は最初の数日しか登校しなかった。その後、父親が「学校なんていらない。この国は病気で一杯だ」と断固たる決意を示したのだ。
 サーミルとサマルの家族は、二人の子供に登校を禁じることを躊躇しなかった。状況が、家族の感じた通り危険だったからだ。健康省の報じる数字が、母の心と父の心配を刺激していた(訳注:政府の発表する豚インフルエンザの感染者数を見て心配になっていた、の意)。決定は根本的で断固たるものだった。「家で勉強する」。しかし実際の詳しい負担となると、シャイターン(訳注:サタン、悪魔)の潜みかねないものだった。父親は、サミールとサマルに授業をしてくれる「出張」教師と契約せざるを得なかったが、「誰でも病気の可能性がある」。一方、母親はデットル(訳注:エジプトで一般的な消毒液の商品名)に夢中だ。「清潔中毒になっちゃったわ。考えることといったら、子供が病気になるんじゃないか、デットルすること、そればっかり」。
 サミールと妹の生活はすっかり様変わりした。夜は「勉強と学習」の時間で、昼間は寝ているだけだ。母親は「逆転生活」を心配し、テレビの学習プログラムをやるよう励ましたが、「子供たちといったら、映画とアニメを見たがるばかりだったわ」。父親はもっと心配していた。子供は、教科を理解するのに、時間をかけた教師の説明を必要とするものだからだ。
 「家族の出費」は三倍に膨れ上がり、「自宅学習」の学費を支払うのに、父親は長時間働かなければならなくなった。年間の学費を作るのに、おそらくは一日二十四時間連続で仕事することになるのはわかっていた。この心配のすべてはーー父親の言うことにはーー「この伝染病は、この国で十年続くかもしれない。その時はどうすればいいのか分からないよ」。
 一方母親は、子供の教育にCD教室を使うことを考えていた。これは、昨年、伝染病が流行る前に考えたことで、特に理由はなかった。何人かの教師が、家族にカリキュラムの入ったCDをくれていたのだ。
 インターネットの得意なサーミルだが、教育省のサイトは知らなかった。「このサイトでは迷子になっちゃうよ。どこに教材があるのかわからないし、テストの表もないんだ。欲しい情報は、社会学習で探すか、グーグルで見つけるよ」。
 サーミルがグーグルで勉強する一方、妹はCDの学校でカリキュラムを学ぶ旅をしている。母親は、「自宅学習」の成果を不安を抱えながら見守っている。同時に、予防接種についての決意は固いようだ。「いいえ、予防接種は受けさせないわ。危険な副作用があるって言われているもの。わたしが病気を持ってきてしまうのだけが心配だわ。彼らは良い子だから、主がお守りくださるでしょう」。

 この家族はかなり極端ですが、豚インフルエンザ恐怖はエジプトで結構流行っていました。メトロでヒガーブの裾で口元を多う女性の姿も、よく見かけました(あんなものでは何の予防効果もないと思いますが)。
 以前にも書きましたが、恐ろしいのはインフルエンザではなく、インフルエンザに対する人々の恐怖です。パニックが恐ろしいだけでなく、「伝染る病気」というのは、人を疑心暗鬼に陥れます。
 エジプトでは特に、社会的な人と人の距離が近く、親しい同性に会えばハグしてチュッチュというのが普通です。これでは予防もヘッタクレもありませんが、むしろ予防のためにハグハグチュッチュを控えるようなエジプトなら、砂漠に埋もれてしまえ!くらいに思います。
 大体、エジプトで普通に暮らしていれば、最も危険なのは交通事故であって、インフルエンザなんか流行っていなくても、ガスマスクが欲しくなるくらい大気汚染が酷いです。そっちの心配が先でしょう。

 こうして外国のこととして見ると滑稽さが際立ち分かりやすいのですが、日本だって同じことです。豚インフルより狂牛病より、交通事故の方がずっと危ない。飲酒運転なんか特に危ないですから、豚を屠殺するより飲酒運転を死刑にした方が「安全」なんじゃないですか。誰が安全なんだかよくわかりませんが。
 エジプトでも、ある程度教育があり意識の高い人間は、徒に豚インフルを恐れるようなことはないし「真の政治的問題を隠蔽するための政府のプロモーションだ」と冷静な意見を言う人もいます。まぁ「豚インフルエンザなど実は存在しない! 政府の陰謀だ!」まで行くと、ちょっと行き過ぎですが。
 セキュリティ・パラノイアを激しくこじらせている日本の風景の方が、エジプトより余程滑稽です。

 ただこの記事には一つ面白いことがあって、親が自己判断で勝手に「自宅学習」させていることです。日本ではもちろん違法でしょう。
 もしかするとエジプトでも正確には違法なのかもしれませんが、経済的事情で学校にロク行けない子供なんて掃いて捨てるほどいるので、国も一々チェックしていられないでしょう(エジプトの公教育はかなりの範囲で無料だが、それ以前に子供が働かないと家計がもたない家庭が多い)。
 学校に行かせるのが「義務」というのは、国家主体の考え方であって、行かせたくなければ勝手にやめればいい。それは個人主義というのとは違って、自由を称揚しようというのでも全然ありません(自由など要らん!)。
 この父親は、子供を学校に行かせず教育を与えるために、寝る間も惜しんで働いています。そういう覚悟をもって、自らの正義に従い、腹を括っている。ある意味、圧倒的「不自由」を選びとっているわけです。

 だからこれは、自由というより、単なる正義の実践であり、主の命に従うことだ。自由は与えられるものではない。なぜなら、我々は既にうんざりするほど自由だからだ。必要なのは、不自由さの中に自らを存在ごと投企することだ。

 そういう「反教育」なら、任侠的にもイスラーム的にもいつでも応援します。

元記事:سامر وسمر: المدرسة « جوجل».. والأستاذ «دليفرى»

追記:
 公教育が無料もしくは廉価であることについてですが、カイロで知り合ったある人物は、田舎を出て高校に通っている時は家がなく、路上で寝泊まりしていたそうです。ホームレス高校生!
 ちなみにこの男は、日本人好きのナンパエジプト人なので、同じエピソードを聞いたことのある日本人女性が他にもいるかもしれません。そう、アイツです。
 悪いヤツじゃありませんが、バカなので、一定以上の距離に入れないようテキトーにあしらってやってください。
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
エジプト  豚インフルエンザ  教育  学校  新聞 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. インフルエンザを恐れて子供を学校に行かせない親たち|2010/01/26(火) 18:30:10|
  2. 新聞・メディア

留学先選びと学校選び

 今後何回かで、わたしの乏しい経験の中から、参考になりそうな情報をまとめておきます。

 まず、大前提のエジプトという留学先。
 アラビア語学習者ならご存知だと思いますが、アラビア語ではフスハーとアーンミーヤの乖離というのが、一つの学習上の難所になります。
 エジプトのアーンミーヤ(エジプト方言)は、フスハーからかなり離れたものなので、とにかくフスハーを極めたい!という方には、不適かもしれません。
 マグリブよりはマシでしょが、シリア方言はエジプト方言よりはフスハーに近いと聞きますし、おそらく湾岸やイェメンなども、比較的フスハーに近いのではないかと思います。
 ですが、それでも完全にフスハーのままで日常生活のすべてを行っている地域があるわけではなく、いずれにせよアーンミーヤの海と戦う、という現実からは逃げられないはずです。
 また、わたし個人が強く感じることは、アーンミーヤがいかにフスハーから遠くなっていても、やはり「一つの言語」で、フスハーとアーンミーヤは合わせて一つなんじゃないか、ということです。
 イスラーム草創期の時代でさえ、現存している書き言葉としてのフスハーがそのまま全生活で使われていたとは考えにくいです。「正しいフスハー」が整備されていったのは、遥かに後の時代の話で、「千年以上変わらない言語」などというのは、ファンタジーにすぎません(このファンタジーはとても大切なのでバカにしてはいけませんが)。
 わたし自身、最初はエジプト方言が嫌いでした。わたしの中での「アラビア語の美しさ」からかけ離れ、何でもかんでもカスラだし、乱暴な印象があるし、「なんでみんな素晴らしいフスハーを使わないんだ!」と見当違いなことでイライラしたりもしました。
 でも、慣れてくるとエジプト方言も愛しくなり、TPOに合わせてコードを操っていくエジプト人の言語感覚が、段々理解できるようになってきました。フスハーというのは、フスハーの文法・語彙体系だけで成り立つものではなく、「フスハーで語るとはどういうことなのか」という、社会におけるフスハーの位置付けまで含めて、言語なのです。そして当該社会ではアーンミーヤが使われている以上、やはり二つは一つ、コードシフトとそのタイミングまで含めて、一つの言語なのだと考えた方が、より包括的にアラビア語およびアラブ社会を理解することができるのでは、と考えています。そう思ってから、エジプト方言がグッと好きになりました。第一、実際にエジプトで暮らしていれば、エジプト方言の速射砲のようなキレが心地よくなるものです(笑)。
 ですから、多少フスハーからの距離が離れていても、エジプトが悪いとは言いたくないのですが、まぁ正直なところ、フスハーの「会話力」はあんまり上がっていない気がします(笑)。読む力は格段に上達したし、アーンミーヤに至っては、最初全くのゼロだったものが、ほぼ全生活をアーンミーヤでこなし、路上で日々喧嘩できるまでになりました(笑)。
 エジプトを選ぶことの問題は、言語そのものというより、カイロという町がとにかく騒々しく空気が悪く、落ち着いて勉強できる雰囲気ではない、というところにあるように思います。自分なりの生活サイクルを築かないと、おせっかいなエジプト人に振り回されてばかりで、時間を浪費します。この浪費自体から学ぶことも多いので、一概に無駄とは言えませんが、いつまでもそれが続くのは好ましいと言えないでしょう。
 エジプト国内なら、アレキサンドリアあたりが、日本人には暮らしやすいと思います。ルクソールもとても環境の良いところですが、勉強に適しているかはわかりませんし、夏は地獄でしょう。
 聞いた話では、シリアの風土は全然違って、もっと素朴で、人々もエジプト人のようにやかましくはないようです。シリアにはシリアの問題があることでしょうが、フスハー以外やりたくない!少しでもフスハーに近い環境で暮らしたい!というようなら、選択肢に入れておくのも賢いでしょう。

 次に、学校選びについて。
 わたしは、エジプトに渡る前からお世話になっていたAという家庭教師派遣型の学校を最初利用していたのですが、途中でFという別の学校に乗り換えました(Fは現在はAから始まる名称になっていますが、紛らわしいのでFにしておきます)。前者はオンラインレッスンが中心で、家庭教師派遣のみで物理的な学校はありません。後者も個人レッスン中心ですが、物理的な場所があります。
 A語学学校が割高なのはわかっていたのですが、今までの関係、他の学校でいくつか悪い噂を聞いていたので、最初は疑問なくそこで学んでいました。
 辞めようと思った理由はいくつかありますが、最大のものは、途中から授業キャンセル等が頻発するようになったことです。
 当初教わっていた先生が学校を辞めてしまったり、その理由がわたしの関わるお金関係だったり、というのにも疲れましたし、経営者でもある先生のやたら人を支配しリードしようとする性質にも嫌気がさしました。生徒層を眺めていても、駐在員や大使館関係者など、割とお金を持っている日本人をターゲットにしているように見えます(日本との関係は深い)。
 経営者でもある先生は教師として優秀な人物だと思いますが、どうにも営業主体で、授業スタイルもいちいち手綱を握っていないと気がすみません。おまけに、自分が直接教えるとなると、平気で遅刻やキャンセルを繰り返します。
 支配的な授業スタイルというのは、リードしてもらいたいタイプの方にはむしろ向いていると思いますが、わたしは自分のプログラムにそって教師を逆調教する方が性分に合っているため、相性の悪さもありました(偉そうなことを言えば、管理されないと勉強できないような人は、どちらにせよ伸びくい気がします)。
 また、家庭教師派遣というやり方自体の問題もあります。
 落ち着いて勉強できる場所が確保できているなら良いですが、それがない場合、物理的な場所を求めて苦労することになる可能性があります。わたしは、「毎日決まった場所まで通って、同じ場所で勉強する」というサイクルが欲しかったので、これもF語学学校の方が好ましかったです。
 F語学学校は、教師によりバラつきはあるものの、決して指導力に劣ることはなく、先生方もみな礼儀正しいです。遅刻は一度もなく、病気でキャンセルというのが数回あっただけでした。価格的には、期待していたほど安くはならなかったのですが、もっと早くこちらに移るべきだった、と後悔したほどです。
 強いて言えば、フスハーの授業でも、こちらがアーンミーヤで喋ると、そのままアーンミーヤに流れます。わたしはそれで構わない、というか、「フスハーをアーンミーヤで説明する」というのはエジプト人が普通に行っていることなので、テクストを読み上げる場合以外はすべてアーンミーヤで喋っていましたが、徹底してフスハーを鍛えたい方は、「フスハー以外喋らないでくれ」と最初に言った方が良いです。もちろん、先生方はフスハーには不自由ないし、英語も非常に上手です。

 確証はありませんが、オンラインレッスンやウェブ上でのビジネスの大きいところは、どうも怪しい匂いがします。何の因果関係もなく、緩い相関関係が見出させるだけですが、個人的にはウェブに力を入れすぎているものは、何でも信用しません。わたしの求めているものは、もっと泥臭くてウェットなものなので。

B002QDNVGO留学ジャーナル別冊2010-2011『学生&社会人のための海外の大学・大学院完全ガイド』
留学ジャーナル 2009-10-01

にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
エジプト  留学  学校  アラビア語 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. 留学先選びと学校選び|2010/01/14(木) 01:13:40|
  2. 留学まとめ

良いアラビア語教師の探し方、語学教師は水商売に似ている説

 最近ふと、語学教師は水商売にちょっと似ていないか、と思いました。
 語学教師と言っても、例えば日本でアラビア語を教えているエジプト人、というのは該当しません。また日本人のアラビア語教師も違います(他の言語でも同様)。
 ここで言っているのは、エジプト人がエジプトでアラビア語を教える、あるいは日本人が日本で日本語を教える、というような場合です。

 日本人が日本で日本語教師をする状況を想像すればわかるでしょうが、ただ単に「アラビア語が喋れます」というだけなら、その辺のエジプト人でもみんな喋れるわけです。そんな渋谷で拾ってきた兄ちゃんに日本語を教えさせるようなことをされて、お金を払う道理はありません。
 アラビア語の場合「フスハーがキチンと喋れて読み書きがしっかりしている」という明示的要件があるので、渋谷の兄ちゃんほど悲惨なことはないでしょうが、とにかくアーンミーヤを喋るだけなら誰でもできます。
 変な先生につかまれば、水商売の女の子が店外デートを渋るように、枠を区切って「あなたの為に時間を割いているのよ」というだけになってしまいます。尤も、良い先生だとしても時間を区切らないと商売になりませんから、どこか水商売的要素はありますし、そのこと自体は悪いことではありません。「専用の時間を決めて、親切に説明してもらう」ことには、それだけで値打ちがあります。決して、語学の先生の価値を貶めよう、というのではありません。

 ただ、エジプトで生活し、ほとんどアーンミーヤとはいえアラビア語を喋る人たちに囲まれながら、なおかつ学校に通っていると、「良いアラビア語教師とは何のか」について思いを巡らさずにいられません(実際、お金を払う授業時間は最初の頃に比べ大分減らし、良い友人との時間や独習に割く時間が増えている)。
 特に初心者には、良い先生を見分けること自体が難しい、という問題があります。
 中国武術には「三年かけて良師を探せ」という教えがありますが、ある先生が「これは嘘だ!」と批判していました。「初心者にはそもそも良師を見分ける目が備わっていない。そんな状態では、三年かかっても良師には出会えないだろう。まず何でもいいから、一年でも二年でもやってみろ。良師を探すのはそれからでも遅くない」。
 語学について言えば、初歩の初歩については、日本人なら日本人の先生に教わるとか、日本語で書かれた本で勉強するといったプロセスが、合理的だと思います。「良師」を求めるのはそれからで遅くありません。この段階をクリアしないでネイティヴに教わっても、基本の理解にやたら時間が取られるだけで、お金の無駄です。わたしは日本人に教わった経験は一度もありませんが、幸いこのレベルは日本でクリアしていました。

 わたしの考える「アラブ人の良いアラビア語教師」とは、次のような人です。

 まず、当たり前ですが、キチンとしたフスハーを使いこなせること。別にクルアーンの先生であったりする必要はありません。基準としては、「カジュアルな話題をスムーズにフスハーで話せるか」というのが有効だと思っています。聞き取りや新聞を読む程度ならほとんどのエジプト人にできますし、「一応喋れます」というレベルも普通ですが、あたかもアーンミーヤであるかのように砕けた調子でフスハーを喋れて、かつ間違えない、という人は限られています。このレベルに達している人は、必ずフスハーについての深い理解があると思います。「硬い話題」ではなく「カジュアルな話題」というところがポイントです。
 逆に、フスハーについてのものすごい深い教養を持っている必要はありません。外国人学習者が必要とするのは、そんな高度なものではなく、むしろ基本的なことのわかりやすい説明です。万葉集について語れなくても、日本語教師としての資質にはまったく問題ないでしょう。

 次に、「アラビア語をアラビア語で説明できる」「適切な例文を当意即妙に作れる」「アラビア語の類義語・対義語を列挙できる」ということです。語学能力というより、機転が利くかどうかです。英語に翻訳できても、ちっとも偉くありません。そんなことなら辞書でもできます。外国人にストンと落ちる例文を作るのは、誰にでもできることではありません。
 「英語ができるかどうか」を基準にする人もいるかもしれませんが、個人的には全然必要ないと思います。むしろ一切英語は使いたくないです。
 大抵のエジプト人はほとんどの日本人よりは英語が上手なので(少なくとも上手だと当人は思っている)、そもそもこんな心配はあまり要りませんが、下手に英語が達者だと、やたら英語に言い換えて説明が終わった気になってしまう恐れがあります。「当該言語の中での相対的位置付け」を身体化できなければ、学習の意味がありません。
 もちろん、超初心者の場合は英語で説明してもらう必要があるでしょうが、そのレベルは独学なり日本での学習なりでクリアしておいた方が良いです。

 もう一つ、エジプト人にアラビア語を教わった人は皆経験しているでしょうが、「おはようー、今日は何しよう? 何でも好きな勉強でいいよ!」というノリの人がよくいます。「学生の主体性を重んじる」と言えば聞こえが良いですが、やはり教師というのは、ある程度リードしてくれる方が助かります。
 主体性の乏しいエジプト人に教えてもらう場合、こちら側で意志を強くもち、予め目標を決めてプログラムを提案した方が賢明です。それができるためにも、最悪初歩の初歩は日本でクリアしておいた方が合理的です。
 ただ、これも相性ですし、わたしも最初のころはリードを期待していましたが、今ではむしろフリーな方が主導権が取れて都合が良いな、と感じています。

 「外国人への対応に慣れている」という点では、海外経験のある先生だと、付き合い易いと思います。
 でも現実的には、「海外経験の豊富な外国人のためのエジプト人アラビア語教師」というのは、数が限られている気がします。それだけの経験があるなら、語学教師などより良い仕事があるでしょうから。
 教職の方には失礼ですが、語学の先生というのは、多分そんなに儲かる商売ではないでしょう。エジプトで外人相手の教師をするなら、普通の先生より大分稼げるはずですが、観光関係とかの方がずっと実入りが良いはずです(一般の学校の先生の収入を聞いたことがありますが、あり得ないほど安いです)。
 なおかつ、元々「エジプト人のためのアラビア語教師(国語の先生)」だったような場合、インターナショナルマインドどころか、非常に黴臭く偏った考えの持ち主の可能性もあります。高校の古文の先生を思い出してください。
 下手をすると、「バイト感覚の学生」の方が、人間的に付き合い易いかもしれません。

 でも、一番重要なのは、「その人と喋りたいと思えるかどうか」でしょう。
 一人でいる時に、その人と喋ることを妄想して、心の中でアラビア語で喋っていれば、それは良い先生だと思います。

DSCN4430
日本語教材 posted by (C)ほじょこ
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
エジプト  カイロ  留学  アラビア語  学校  教師  勉強法 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. 良いアラビア語教師の探し方、語学教師は水商売に似ている説|2009/10/12(月) 03:34:49|
  2. エジプト留学雑記

エジプトでの豚インフルエンザ、アスワーン方言とフスハー

 今日は、いつも習っている先生以外の学校で、初のお試し授業。
 今習っている先生は、付き合いも長いので切るつもりはないのですが、経営者でもあるため非常に多忙で、最近は特に家庭の事情で度々授業が流れます。ちょっとイライラするので、他の学校と併用することにしたのです。
 家庭教師派遣ではなく、学校での一対一もしくはグループレッスン。今の先生よりいくらか割安ですが、期待していた程安くありません。
 でも、場所が決まっているというのは安心感があるし、わたしが訪れた時はマネジャークラスらしい先生以外は全員女性で、ほぼみんな愛想が良かったです。こちらに来て以来、話す相手には事欠かないものの、大家さん一家を除くと他はほぼ全員男性です。これはちょっと不自然だし、エジプトではかなり異常なことなので、女の先生に教えて貰えるのは良いかな、と思いました。
 担当して頂いたF先生は礼儀正しくフスハーもキレイで、質問したところは板書のようにメモに書いてくれます。
 今日は豚インフルエンザ(日本での「新型インフルエンザ」はエジプトでは「豚インフルエンザ」と呼ばれているし、英語圏のメディアでもほとんど「豚」だと思います)の話題になり、わたしが「豚インフルエンザは、世間で騒いでいるほど危険なものじゃない。普通のインフルエンザだって危険は危険だし、誰でも病気になる時はなる。わたしは豚インフルエンザより、人々の恐怖が怖い」と言ったところ、「わたしもそう思う。インフルエンザが怖い怖いと恐れていると、かえって身体が弱くなる。やたら恐れるべきではない」と同意してもらえて、非常に楽しく話せました。
 彼女は「寿司が好き」と言っていて、エジプト人には珍しいです。以前に「日本人は毎日寿司を食べている」という誤情報を他の日本人からインプットされてしまったようで、「いや、普通の人は毎日寿司なんか食べない。寿司は日本でも高い」と言っておきました。わたしの情報が正しいですよね? それともみんな毎日お寿司を食べているんですか?
 肉をほとんど食べないわたしに対し、彼女は「肉はなんでも好き!」だけれど「ウサギだけは食べない」そうです。子供の頃うさぎを飼っていて、それを食べるなんて言語道断だと信じているわたしにとっては、癒される嗜好でした。
 それにしても、ダブルスクール状態になって、ますます経済状況が逼迫してきました。稼がないと帰りの切符が買えません。

 新聞の見出しでは連日豚インフルが話題にされていて、メトロではヒジャーブの裾で口元を覆っている女性も時々いるのですが(マスクも極稀にいる)、エジプトではこれはかなり異様な振る舞いです。先生も「あれは変だ」と言っていました(日本では花粉症等によりマスクをする習慣があるので、別にしたければしても構わないと思いますが)。
 もちろん、病気は怖いし、豚インフルも危険は危険でしょうが、危険なんて言い始めたら、カイロでは道路の横断の方が遥かに危険です(笑)。食中毒が怖かったら買い食いもできません。人間、誰でも病気になる時はなるし、問題の一つや二つはあるもので、最後には必ず死にます。すべてはアッラーの意志でしょう。恐れて縮こまるのは愚かなことだし、武道やスポーツと一緒で、恐怖に負けると、避けられる打撃もかわせなくなると思います。
 わたしは自分の恐怖が一番怖いです。

 夕方にいつものS先生の授業。
 今日の授業で、アスワーン方言について面白い話を聞きました。
 シャルムに行った時に、アスワーン出身者がقلبを「ガルブ」と発音していたのですが、アスワーンではقはg音に変化するそうです。カイロ方言のأへの変化に比べると、大分穏やかです(それだって外国人が聞いたら厳しいですが・・)。
 アスワーン方言全般に、カイロ方言(いわゆるエジプト方言)に比べると、フスハーに近い、とのことです。
 例えば、
كيف حالك؟(カイファ・ハールカ? ご機嫌いかがですか?)
は、カイロ方言では「イザーィヤック?」とまるで違う形になりますが(howに相当する疑問詞自体が跡形もなく変形している)、アスワーン方言では「ケーフィック?」または「ケーフ・ハーラック?」で、文字に起こしたら同じになるくらい、近いです。
 地方になればなるほど、外部社会との交流が少なく、諸外国語からの影響も少ないため、古いアラビア語が残っている率が高くなるのでしょう。それでも、カスラ(i音)に引っ張られるところはカイロ方言と共通しているのが面白いです。エジプト人、本当にカスラ好き(笑)。二人称人称代名詞の性が、直前の母音で代替表現されるのも一緒のようです。
 以前にDさんが言っていた「ベドウィンは生まれた時からフスハーだけ話している」というのは極端にしても(不正確な情報)、彼らの方言もまた、カイロ方言に比べればフスハーに近いのではないかと思います。
 ますますアスワーンに行きたくなってきました。

 今日得たマメ知識「砂糖に蟻がたかっていたら、砂糖ごと直射日光の下に置いておくと、蟻がいなくなる」。
 本当でしょうか。一回お砂糖に蟻がたかって丸ごと捨てて以来、砂糖を買うのをやめたのですが、機会があれば(あんまり嬉しくない)試してみます。紫外線パワーが強力なエジプトならではの方法なのかもしれません。
 ちなみに今、エジプトではお砂糖の値段が上がって、庶民の暮らしを直撃しているのですが、彼らのお砂糖への愛は尋常ではないので、このマメ知識も本当かもしれません。砂糖の入れ物に「塩」と書いて蟻が来るのを防ぐ、というジョークもあります。

 今日の授業中、珍しくS先生がアメリカの悪口を言っていました。
 外国人相手の商売をしているせいか、特定の国をネガティヴに言うことはほとんどないし、「どんな国にも良い人と悪い人がいる」という当たり前のことはよくよく認識しているのですが、それを差し引いても「すべてではないが、アメリカ人には傲慢な人が多い」とこぼしていました。
 何かというと歴史の長さやら中世のイスラーム全盛時代を持ち出すエジプト人もどうかと思うし、日本人も謙虚というより単にお人好しで話下手なだけじゃないのか、という気がしないでもないですが。

 夜に大家さんとその娘がやってきて、何故か部屋のソファを交換していきました。何となくグレードアップした気がしますが、一体なぜソファを交換してくれたのか、今もって理解できていません(笑)。
 それより洗濯機の方が重要ですが、明後日にとうとう到着するようです。明後日と言われたら再来週くらいに思っておいた方が安全ですが、もうすぐ三ヶ月になろうとするカイロ生活で、遂に洗濯機が我が家にやってくるかもしれません、インシャアッラー。
 今日の新聞で、豚インフルエンザのせいで夏休みが伸びまくっていた学校がとうとう始まった、というのを読んだのですが、大家さんの娘もその話をしていました。マスクをして学校に通っているそうです。
 学校を休校にしたくらいで感染拡大が防げるとは思わないし、学校の外で接触してしまえば一緒のことだと思いますが、エジプトでは特に女の子は家に篭る時間が長いので、日本における休校よりはいくらか意味があるかもしれません。
 わたしはすべてをアッラーに預けて、予防は手洗いとうがいくらいにしておきます。豚インフルの前に車に轢かれないように気をつけます。

馬に乗る人の絵
馬に乗る人の絵 posted by (C)ほじょこ
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
人気ブログランキングへ
エジプト  カイロ  留学  アラビア語  アーンミーヤ  学校  アスワーン  アメリカ  砂糖  豚インフルエンザ 

テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. エジプトでの豚インフルエンザ、アスワーン方言とフスハー|2009/10/05(月) 07:18:19|
  2. エジプト留学日記

スポンサードリンク

ランキング

最新記事

カテゴリ

エジプト留学日記 (127)
エジプト留学雑記 (43)
アレキサンドリアの旅 (1)
シナイ半島の旅 (6)
ルクソール・アスワーンの旅 (7)
新聞・メディア (123)
留学まとめ (8)
試論・雑記 (9)
未分類 (0)

月別アーカイブ

サイト内検索

アラブ・イスラームおすすめ本

アラビア語の教科書

エジプトの写真

タグ

エジプト カイロ 新聞 留学 アラビア語 アーンミーヤ イスラーム 食べ物 文化 動物 日本 サッカー 日本語 エルバラダイ 治安 選挙 医療 イスラエル 交通 政治 恋愛 観光 男女 フスハー アルジェリア ラマダーン ルクソール アメリカ IT ガザ地区 英語 学校 映画 クルアーン パレスチナ アムル・ムーサー 大統領 社会 経済 中国 ニカーブ 精神医療 労働 シャルム・ッシェーフ アパート エルサレム ドイツ ナイル川 豚インフルエンザ 物価 テロ スポーツ ビーチリゾート 病気 ダハブ 音楽 生活 ナイル 写真 ホテル イード・ル=アドハー 衛星放送 ハマース ガス 勉強法 辞書 教科書  シナイ半島 信仰 小説 気候 買い物 エジプト航空 長距離バス アスワーン マシュラバ コプト インドネシア カリカチュア ロシア ロバ 貧困 停電 身体障害者 アニメ バス ネット 自殺 トルゴマーン トゥクトゥク 電話 洗濯機 風邪 記法 カタル アバーヤ ロボット  ケニア ザマーレク ラムスィース エレベータ 電車 環境問題 アラーゥ・アル=アスワーニー トルコ イギリス ユダヤ フェミニズム ムスリム同胞団 ミウザナ ラクダ 男女関係 乞食 インフラ 大学 クウェート マルワ・イル=シャルビーニー イラン ダンス 大統領選 法律 衛生 キリスト教 サウジアラビア お酒 水道 洪水 教材 遺跡 Google マクハー スウェーデン ジョーク タウフィーク・アル=ハキーム 古代エジプト 子供 喧騒 スイス オールドカイロ コカコーラ 賄賂 モガンマア ビザ 自動車 ヘブライ語 イントネーション ジェスチャー 原爆 シリア トンデモ アル=フサリー 陰謀説 排外主義 ピラミッド タンターウィ コシャリ スーパー 商業 ダム イスラーム主義 看板  教師 イスラーム地区 エチオピア コンゴ google 動物園 タヒーナ 携帯電話 ダウンタウン 倫理 メトロ リスク 大気汚染 グローバリズム スーフィー 孤児   オーストラリア ムハンマド・へニーディ グラスボート ハリーグ・ッナアマ 煙草 オールドマーケット ベドウィン 礼拝 イフタール シャルム・イッシェーフ ナイトクラブ 護身 短剣 貧富の差 パピルス 否定文 ショッピング 砂糖 ヘルワーン 化粧品 お土産 アレキサンドリア アルジャジーラ子供チャンネル 仕事 CM 言語 アルアファーシー  服装  書籍 正書法 ラファフ サファリパーク 民主主義 長者番付 道徳 寛容 家族制度 開発 アーシューラー サッカーラ 名誉殺人 ウルフィー 家父長制 人口爆発 性犯罪 イスラームヘイト ヒジャーブ キファーヤ カイロ大学 セクハラ  ファイスブック  臓器売買 EU 憲法 表記 ウサーマ・ビン=ラーディン 大統領選挙 ガーダ・アブドゥルアール ナギーブ・マフフーズ カタカナ ナンパ タイ クリスマス 汚職 健康保険 西岸 行政 麻薬 スーダン 農業 イブラーヒーム ムバーラク 憲法改正 シャルム・ッ=シェイフ 訃報 タンターウィー エネルギー アズハル 少子高齢化  試験 飛行機 豪雨 日本人 スンナ 天皇陛下 ファルド アスワンハイダム ユースフ・アル=カルダーウィー 清掃 リビア 道路 拷問 CIA 人権 ウクライナ 痴漢 アル=アファーシー 風刺漫画 ユダヤ教 湾岸 おしん サマータイム ウナギ文 ヒズブッラー 日本語教育 リンゴ セイフティネット  地域社会 電化製品 UAE   戦争 軍隊 徴兵制 ファストフード 接客 ストリート アザーン 陰謀 建築 翻訳 北朝鮮 歌詞 ヒシャーム・アッバース  エジポップ 字幕 ワールドカップ カルナック フルーカ 方言 安宿 断食 休暇 下水 王家の谷 王妃の谷 アイデンティティ ターハー・フサイン バックパッカー 砂漠 ハトシェプスト女王葬祭殿 メムノンの巨像 漫画 マアラ イラク フランス アラブ諸国 巡礼 オバマ オペラ 発音 イメージ シーフード  人生 文学  老人 書店 結婚式 

検索フォーム

RSSリンクの表示

プロフィール

ほじょこ

Author:ほじょこ
アラビア語修行にエジプト留学して帰国。翻訳やっています。お問い合わせは下のフォームから御気軽に。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。