霧のニュース posted by
(C)ほじょこ
霧により七名が死亡、五十六人が負傷 メトロが三時間停止
一昨日朝、大カイロ圏および海岸地域のほとんどの道路で、濃い霧によって、交通がストップした。10月6日県警察の報告によると、二名の市民が死亡事故を起こし、他の十五名が霧による二つの事故で負傷した。昨日、イッ=ダカリーヤ県、イル=ガルビーヤ県、イル=イスマイーリーヤ県の各県で、霧と視界不良による交通事故で、五名が死亡、四十一人が負傷した。イッ=スワイス県では、天候不良により五箇所の港が閉鎖された。
気象観測公機構は、昼間暖かい天候が続き、最初の夜は寒く、次に非常に寒くなる、と予想していた。一方、メトロの第一路線ヘルワーン-マルグは昨日朝、濃い霧の原因となった激しい雷により電気回線が遮断され、三時間に渡り運行を停止した。トゥラ・ル=バラド駅での制御ケーブルの断線により、トゥラ-ヘルワーン間で電車の運行が止まり、駅のホームが人で溢れかえった。
霧はフスハーではضباب(ダバーブ)ですが、記事ではアーンミーヤのشبور(シャッブール)という言葉が使われています。
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テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- 濃霧で交通が乱れる|2009/12/30(水) 01:42:46|
- 新聞・メディア
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行列よ、どこへ行く posted by
(C)ほじょこيا طابور قولي رايح على فين
「行列よ、どこへ向かっているのか言っておくれ」。
これは、
يا وابور قولي ريح على فين
「汽車よ、どこへ向かっているのか言っておくれ(汽車よ、どこへ行く)」。
という歌の歌詞のモジリだそうです。
وابورという単語は、初めて見ました。辞書にありますが、フスハーでもアーンミーヤでも聞いたことがありません。「今は使わない言葉」とのこと。「フスハーに起源を持つものの、時代遅れのアーンミーヤ単語」ですね。
テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- 行列よ、お前はどこへ行く|2009/12/11(金) 03:51:56|
- 新聞・メディア
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旅から帰り、また単調な生活に戻っています。
水曜日に夜行列車でルクソールから帰って、少し休んで授業に行ったものの、この日はかなりグッタリ。
その晩爆睡したものの、翌木曜日になっても疲れとロバから落ちたダメージが抜け切らず、授業後図書館に行っても今ひとつ集中できません。
早めに帰ったら、夕方からの日本語クラスに出るNちゃんと、近所の駅前でバッタリ会いました(家がご近所さん)。Nちゃんは、長身スレンダーな美人さんだけれど、おっとりした性格で、他の友達といると常に背景にフェイドアウトしてしまうタイプ。そういう地味なところに勝手に好感を持っています。「びっくり!」と日本語で言われて、二度びっくり(笑)。
彼女はどうも日本のアニメが好きなようなのですが、わたしの方が詳しくなくて着いていけません。日本のアニメファンの男の子は、エジプトに来ればこんな可愛い子にモテモテかもしれませんよ!
早めに帰って寝て、また爆睡したところ、いつもは起きないファジュルのアザーンで目を覚ましました。もちろん二度寝(すいません)。
この金曜日の休日は、近所に買い物を行った以外、ほとんど一日中部屋で勉強したり翻訳したりゴロゴロしたりして過ごす。
旅から帰った直後には動いていたネットが、丸三日くらい落ちていて、旅行記の続きがアップできないし、せっかく部屋にいるのに遊べないし(それが良かったかもしれませんが・・)、少しイライラしました。こういう時のために、読み応えのあるwebページやpdfをいくつかダウンロードしてあります。
土曜日から再起動。いい加減体力も完全回復しました(ネットは夕方まで回復せず)。
時間を増やした授業も順調にこなす。
普段の土曜日は閉まっている某日本関係施設の図書館が、日本語検定直前ということで開いていたので、便乗して行ってみると、NちゃんとSちゃんにまたバッタリ。
一緒の机で勉強していたSさんとも友達になり、勉強している脇から次から次に日本語のことを質問され、図書館で喋るわけにもいかず、外に出て臨時教師になります。
でも、説明しているうちにこっちもアラビア語の勉強になり、お互い益がありました。「○○のくせに」という表現を説明するのに難儀しました。「○○にも関わらず」ということなのですが、それだけでなく、非難するような調子が込められている、ということを伝えないといけません。
日本語検定二級のテキストを見せてもらいましたが、書き言葉でしか使わない洒落た表現も沢山入っていて、かなりレベルが高いです。その割に普通の会話がまだまだスムーズではないですが、丁度日本人が凝った英語表現を知っている割に会話がたどたどしいのと一緒なのでしょう。
メトロで一緒に帰宅。
車内でルクソールで撮った写真を見せている時、子供のロバをجحشというと教えてもらう。カイロ方言の発音だと「ガヘシュ」くらいの感じ。ガヘシュ超かわいい!
Nちゃんと家のそばまで歩いている時、車に乗った若者連中がこっちをジロジロみて、例によってはやし立ててきます。
ムカついて車をガンガン蹴飛ばし「降りろ! 殺す!」とか怒鳴ってしまってから、Nちゃんが一緒なのを思い出して「やり過ぎた」と思ったのですが、大人しいNちゃんも味方してくれて怒ってくれ、最終的には運転手の男が謝りました。
Nちゃんが「ごめん」と謝りますが、もちろん彼女には1ミリも罪はないし、「全然平気! いつもだから!」と笑います。物静かなNちゃんですが、「ああいう時は怒った方がいい、あれくらい言って当然」と、流石エジプト女!というところを見せてくれます。
こういうことがある度に(毎日だけど)、つくづくエジプトがイヤになりますが、同時に彼女のようなエジプト人や、数は少ないですが男でもマトモなのをいることを思い出して、エジプト人が嫌いにならないように努めています。ああいうアホな若者は世界中どこでもいるし、滅多に暴力行為等に発展しないだけ、エジプト(イスラーム圏全般)はかなりマシな方だと思いますが・・・(それを考えると、日本の若者のお上品度はすごい)。いやほんと、女友達がいなかったら、エジプト全否定しているところです。
次にエジプトに来る時は、催涙ガス辺りの中間距離で使える武器を持ってきます。殺傷能力が高すぎてもマズいし、手元の愛用武器は射程が短いのであんまり役に立ちません。爆竹とか殺虫スプレーとかも良いと思います。うっかり大怪我させても、走って逃げたらこの国なら逃げ切れる気がします(非推奨)。
学校や図書館といった閉鎖空間は平和なのですが、とにかく通りを歩くのが一苦労です。息を止めて「ハッ!」と突っ切るような気合が要ります。
部屋の中ではにこやかだった女の子が、外に出た途端「防御モード」に切り替わるので、別に外人だけの問題ではないようです。
「何事も起きない」って最高です。
ちなみに、一緒に歩いている時、後ろから来たトゥクトゥクに軽く接触されました。カイロの道で他人と喋りながら歩くと、注意が散漫になり結構危険です。横に並んで歩くだけで危ないのですが、「騒音の中で外国語で話す」のにかなり集中力を取られてしまっているので、お喋りも命がけです。
この日一緒だったSさんも「こないだ事故に遭った」と言っていたし、ほぼ毎日事故現場に出くわします。
「突き飛ばす」くらいのダメージで済んだ場合は、車の側には「事故った」という意識すらありません。しかも大きく避けると面白がってわざと突っ込んでくるので、チキンレースだと思ってこっちから突っ込むくらいが安全だったりします。
カイロの交通は本当に頭がおかしいです。
念のためですが、カイロの交通を憂えているのはエジプト人も一緒で、彼らがこのままで良いと思っているわけではありません。
公共交通網を整備し、車検や関税などのプレッシャーで自家用車数を制限すべきだと思いますが(カイロを走っている車の99%は日本の車検を通らないはずw)、それ以前に交通放棄を厳格化し適用するだけで、かなりの改善が見込めるはずです。
この話題は、エジプト人との間で話し飽きました・・・。
日曜日の授業で、古典テクストの抜粋を読んでいたのですが、短い文章なのに物凄い難しくて、七転八倒する。
休憩の時にF女史に「これはエジプト人にとっても難しいよね?」と救いを求めると、「うん、難しい。古いフスハーは本当に難しいよ。全然違うよ」と言ってくれる。
彼女は、福音書のアラビア語訳を貰ったことがあるそうですが、難しくて全然分からず、英訳を買ったそうです。「英語の方がずっと簡単だよ」と言うエジプト人。
「昔の人は本当にこんな言葉で喋ってたのかな? 絶対違うと思うよ。一般大衆は、アーンミーヤみたいの使ってたに決まってる!」と言うと、ちゃんと笑ってくれました。ギリギリな話題かな?と思ったら、別に普通にネタとして通りました。
ちなみに、福音書アラビア語版はわたしもちらっとだけ読んだことがあるのですが、エジプト人も投げ出したと聞いてちょっと安心しました(笑)。でもメチャクチャかっこいいですよ。
月曜日の授業で、少し蝿のことを話す。
エジプトの蝿の多さを恐れて蝿取り紙を持参したものの(エジプトでも買えます)、幸い我が家にはほとんど蝿が出ず、かつ自分の方がすっかり蝿に適応してしまって、何も感じなくなった、という話。
F女史によると「アメリカ人は蝿に敏感」。本当かどうかわかりませんが、アメリカも蝿が少なくて慣れていないのかもしれませんね。
鬱陶しいけど、別に実害もないので、慣れたら放置モードです。
図書館のお手洗いに行ったら、何人かの女性が窓の外を見て騒いでいるので、何かと思ったら天気雨でした。
雨自体あまり降らないので、天気雨が珍しいようです。
一人の女の子が「写真撮りたい(サウワル)」と言ったら、横で興味なさそうに煙草を吸っていたオバチャンが「石鹸(サーブーン)欲しい?」と聞き違えて「石鹸ちゃうよ!」とツッコまれていて面白かったです。関西人なら「サしか合ってないやんけ!」と畳み掛けるところです。
雨と言えば、一ヶ月くらい前からテレビが映りません。
アンテナの向きがズレたんじゃないか、と思っていたのですが、ルクソールOASISでYさんと話していて、「雨のせいだ!」と気付きました。
この国では、雨が降ると一斉に色々なものが壊れます。あらゆるものが晴天以外想定しないで出来ているので、電気配線系などは見事にイカレます。アスファルトの上の砂が濡れて滑りやすくなり、さらに皆ツルツルのタイヤで走っているので、いつもより更に交通事故が頻発します。
東京で大雪が降った時みたいです。
火曜日、カイロでイスラーム法を学ぶインドネシア人のOちゃんとチャットになる。
某SNSの普及率があまりに高くて、気が進まないまま入ったら、チャットの機能なんかもあって、面白いやら煩わしいやら(笑)。
共通言語は英語とアラビア語で、彼女はちょっとだけ日本語もできるのですが、ミックスで始まって結局英語に落ちちゃいますね(笑)。タイピングが楽だし。
エジプト人は「チャットアラビック」というラテン文字表記の簡易アラビア語のようなものを操るのですが、わたしはなかなかついていけません。ラテン文字で書かれると、パッと見た時の直観的理解が阻まれるように感じるのですが、それはわたしがまだまだ書記に頼っているからかもしれません。日本人的。
彼女は家族でカイロに住んでいて、イスラーム法を学んでいるのもお父様のご意向とのこと。「最近ペルシャ猫飼ってる」とか言うので、インドネシアの富豪お嬢様かもしれません。
ちなみに「欲しかったら一匹あげる」と言うのを、「猫はアパートに沢山いるよ、wildなやつが!」とお断りしました(笑)。
ルクソール 過積載ぎみのロバ posted by
(C)ほじょこ
テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- 埃っぽく怒りっぽい一週間|2009/12/09(水) 05:22:07|
- エジプト留学日記
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我が家のネット回線は、窓からLANケーブルを引っ張り込む、という、「アマチュア無線かっ」なすごい仕掛けで接続されているのですが、このケーブルがどこにつながっているのか、ずっと気になっています。ちなみに、ケーブルを通すために窓を開けておかないといけないかというと、そんなことはないです。建てつけが悪いので、窓を閉めてもケーブル一本くらい余裕で通るからです(笑)。
今日何気にnet viewしてみたら、サーバのような個人PCのような名前がいくつか丸見えでした。
「まさかねー」と思いながら、適当なものにつないでみると、普通に入れました。
ついでにルータの管理画面に入って、端末のMACアドレス一覧まで取れます。
「寛大」って素晴らしい。
オートビスとマイクロバスは、どちらもカイロ市内交通の要。
オートビスというのは、所謂普通の路線バスですが、時間帯によっては、人がぶら下がるくらいの勢いで混雑しています。停車ポイント以外でも、減速したタイミングで飛び降りれば、どこでも降りられます。
マイクロバスは、ワゴンバンを利用した小型バスのような乗り合いタクシーのような交通手段。定員以上は乗せないので、必ず座れます(全席埋まるとかなりギュウギュウですが)。ルートは定番コースですが、降りる場所は自由に指定できます。といっても、マイクロバスの運転手は大抵テンパっているので、要領よく伝えないといけません。
それはともかく、この二つの表記を見て、ふと面白いことに気づきました。
أتوبيسات
ميكروباصات
両方複数形ですが、耳で聞こえる通りオートビスが「ビス」なのに、マイクロバスは「バス」です。
それよりも、オートビスの「ス」はسなのに、マイクロバスではصになっています。なぜサードなのでしょう。全然気が付きませんでした。
語源的には、オートビスはフランス語、マイクロバスは英語から入ってきた言葉でしょう。音としてはどっちもsだと思うのですが、エジプト人には違って聞こえたのでしょうか。
エジプトのお菓子類は異様に甘く、菓子パン系も砂糖の塊みたいなのがあります。
見た目おいしそうなので、いくつか試してみたのですが、甘すぎるかパサパサかのどちらかで、幾度となく裏切られました。
そんな中で、個人的に結構気に入っているのがクロワッサンです。
お菓子屋さんのようなパン屋さんのようなお店なら、大抵どこでも置いていますが、甘すぎないし、菓子パンだと思えば丁度良いくらいだと思います。
العبدという人気のお菓子屋さんのクロワッサンは、2ポンドもしますが(普通は75ピアストルくらい)、どーんと大きくて味もなかなか。でもデブ一直線食品なので、控えています。
ちなみに、エジプトの菓子パン屋さんは、店員さんが手でパンを袋に放り込んだり、自分でビニールに入れたりします。
日本のコジャレたパン屋が、変なハサミみたいなので摘んでお盆に載せたり、一個ずつ袋に入れたりするのがウザくて仕方なかったので、非常に楽チンです。あの日本の仕組みは何なんですかね。ほんと気取っててムカつくんですけれど。
アバーヤ買いました。
さんざん見て回った挙句、何度となく前を通っていた店の奥に、程よいアバーヤを発見。
一つは前をボタンで留めるタイプで、コートっぽく着られて楽なもの。ペラペラの生地で装飾も地味ですが、100ポンド以下で値段が非常に安かったので購入。
もう一つ、同じ店で、アバーヤというより単なる黒い超ロングワンピっぽいものをゲット。雰囲気はアバーヤですが、普通のアバーヤよりデコルテが開いているし、カジュアルな印象。値段も許容範囲内。
最初に買ったアバーヤと併せて、アバーヤっぽい仲間が三着になりました。これと重ね着で冬を乗り越えます。
肩パットの入っているアバーヤが多いのですが、わたしは肩幅が広いので「これ要らん」と言ったら、お店の子がバリバリ素手でひきちぎってくれました。獣っぽくてイイです。
考えて見ると、最初に買ったアバーヤは、いい感じのものを良い値段でゲットできました。最初300ポンドとか言われて、150ポンドまで値切って買ったのですが、150ポンドならアバーヤとしては無茶な値段ではありません。
今日アバーヤで歩いていたら、例によって若者に「アバーヤアバーヤ!」とか声をかけられました。それは服だ。わたしの名前じゃない。
でも面白いから、アバーヤとかウンムアバーヤとか呼ばれてみたいです。バカ一直線。
タイ製のお醤油購入。
前に買った中国製のお醤油が余りに酷く、疑心暗鬼になっていたのですが(笑)、これはアタリ。ナンプラーなのかな、と思ったら、普通のお醤油のタイっぽく薄いタイプでした。
いつもの野菜炒めを醤油味にしてみる。美味しい。
毎日毎日ひたすら「野菜炒めと米」「野菜スープと米」だけで過ごして不満のない味音痴の言うことなので、本当に美味しいのかは自信がありませんが・・・。
米は素晴らしいなぁ。米と鍋があればどこでも住めるよ。
F先生との授業で、フスハーとアーンミーヤとアラビア語の未来についての文章を読む。
大学受験英文解釈くらいのレベルの文章で、最近(わたしにとっては)異様に難しい文章ばかり読んでいたせいか、非常に楽に読めた上、テーマがズバリ関心ど真ん中なので、めちゃくちゃ楽しかったです。
この手のテーマや、ヤバくない範囲での政治・宗教について語り合えるので、彼女との授業が毎日本当に楽しみです。神様に感謝。
ふと思ったのですが、日本人アラビア語学習者で、フスハーの方がエジプト方言より話しやすい、と感じる人はいないでしょうか。
「日本である程度フスハーを学んでから、本場で修業しようと思ったらみんなエジプト方言で話していて、結局アーンミーヤも頑張ることに」という、わたしのようなパターンが多いと思うので、単なる学習年数の違い、というのがまずあるでしょう。
それ以外にも、フスハーの方が概ね発音が明瞭で、比較的母音をしっかりつけていく、という辺りが、日本人には易しい気がします。
また、先日触れた「目的語を名詞文のムブタダウにして、動詞文のハバルで受ける(寿司、わたしは好きだそれが)」タイプの語り方が、エジプト方言では難しい(不自然)、というのがあるように思います。
個人的に、最後のコレが気になっていて、文法的にはずっと難しいけれど、語順についてはフスハーの方が楽だなぁ、と思うことが時々あります。
「語順の統語論的重要性が高い」というのは、日本人にとって存外に壁になるのではないでしょうか。思いついた名詞をぽっと口に出して話し始める、という語らいにすっかり脳が出来上がっていませんか。わたしはすごくその傾向が強くて、日本語なら「は」で明示するトピックが、たまたま主語だとラッキーですが、目的語だった場合、アーンミーヤでは不自然な文になってしまうことがよくあります。
一方で、疑問詞が最後に来る構文は、アーンミーヤの方が楽チンですね。とても自然。
というか、イウラーブ以外はフスハーが極端に難しいとも言えない気もします。会話では基本イウラーブは誤魔化してオッケーですし(笑)。女性複数とか双数の音が呼応して連なる、いかにも古い屈折語的な響きも、今では愛しいです。
メトロに乗っていたら、女性専用車両なのに男の人が数人乗り込んで、全員の切符とIDをチェックし始めました。
「切符拝見」は初めての経験でしたが、IDを確認させられるのがエジプトらしいです。
国内で旅行すると至るところで検問で止められますし、市内でもちょっと警備のしっかりしている所ではパスポート必携ですが、メトロの中で確認させられるのは、ものものしかったです。
誰か外国の要人でも来ていたのかもしれません。
ウストゥルバラド近くで、門番のおっちゃんが「お茶していけ」とか声をかけてくる。
いい加減こういうのは完全スルーしているのですが、たまたま機嫌が良くて、ちょっと付き合ってみることにする。
念のためですが、ウストゥルバラドとか観光名所で外人に声をかけてくる男は、99%セックス&マネーが目的です。面倒に巻き込まれたくないなら、完全無視するのが一番です。わたしは面倒に巻き込まれたいので(笑)、時々相手をします。
「どこに住んでいるんだ」「何でアラビア語が話せるんだ」とか、定番の話の後で、突然「こっちがトイレだ」とか言い始めます。トイレのことなんて全然聞いてないのに、「こっちだ、来い」とか凄い勢いで招きいれようとします。
「分かりやすいやっちゃなー」と思いながら敢えて中に入ってみると、案の定「キスさせろ」とか絵に描いて額に入れたような展開に。
適当にあしらってバイバイしてきましたが、そういうのが苦手な人は、どんな人の良さそうな人とも、絶対に人目のないところに行くべきではありません。
わたしは、正義の名の元に人体をボコれる機会を拾えたらラッキー、くらいに開き直っています。非推奨。
最近非常に心穏やかなのは、こうしてアホなことに首を突っ込むのを自制し、女と話している時間が長くなったからでしょう。
エジプト女性のすべてが付き合い易いとはまったく思いませんが(無教養な人や知的好奇心の低い人は非常に疲れる)、男どもが次から次への引き起こす面倒に比べたら、ずっとマシです。エジプト男性と結婚されている方には申し訳ないですが、わたしはあの野郎どもはパスです(笑)。
背が低くて丸々と肥えている子が多いし、ヒジャーブしているとお地蔵さんみたいで可愛いのも気に入っています。一緒にいると、なんか動物が集まって会議しているみたいでホンワカします(本人たちに言ったら怒られるやろな・・)。
図書館で会う何人かの男性以外とは、ほとんど会話しなくなりました。
今日ハッとしたアーヤ。
ما تشاءون إلا أن يشاء الله رب العالمين
「だが万有の主アッラーの御望みがない限り、あなたがたはこれを望むことも出来ないのである」(التكور 29)。
職人さんと猫 posted by
(C)ほじょこ
テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- オートビスとマイクロバス、エジプトのクロワッサン、メトロで検問|2009/11/05(木) 08:03:49|
- エジプト留学日記
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先日貼った動画と同じ場所を、昼間に歩きながらテキトーに撮った映像です。
カイロの細い道は一方通行が多く、大きな道路は大抵中央分離帯があるので、外国人には難しいことで知られる道路横断も、「片側だけに集中」して一車線ずつ渡るのが一つのポイント、とよく言われます。
ところが、この道路は、ショボいながらも中央分離帯があるのに、逆走する車やトゥクトゥクやバイクやロバが後を絶ちません。
原因の一つは、メトロの駅前で片側車線の半分近くを塞いでいる屋台でしょう。屋台なので二十四時間いるわけではありませんが、これが道を塞いでいると、買い物するお客さん、その更に外側の車道を歩く歩行者のせいで、どんどん道幅が狭くなります。そこで、
1 「ちんたら通ってらんないよ! 逆走しちまえ!」
2 逆走で突っ込むので、当然のようにつっかえて大混乱。時々事故ってさらに大混乱。
3 混乱のせいで反対車線も渋滞
4 1に戻る
という無限ループが出来上がり、ただひたすらに渋滞・騒音・罵声・粉塵・ロバの糞がインフレしていく、というどうしようもない状態に陥ります。
日本だったら、どんなに通行が難しい状態でも、中央分離帯のある道路で逆走するというのはあり得ないでしょう。
この道の先の交差点を渡ることがよくあるのですが、ただでさえ「片側だけ見て渡れ」の法則が通用しない道がクロスしていて、さらに交差している道路の一つが高架の影になって見通せないので、かなり集中力が要求されます。
道がボコボコでいつも渋滞しているので、速度を出せないのが救いです。まぁ狭い道路なので一瞬集中すれば問題ないのですが・・。
テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- 逆走と渋滞の無限ループ|2009/09/18(金) 11:27:44|
- エジプト留学雑記
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朝食後、先日知り合ったSさんとの待ち合わせでタラアト・ハルブへ。
待ち合わせで五分くらい広場に立っていただけで、乗馬ツアーの客引きのような男が寄ってきて、馬に興味がなさそうだとわかるとお茶に誘い、お茶もダメだとわかると「マッサージしようか?」と言ってきます。それが一番いらん!
Sさん到着し、近くのマクハーでシーシャを吸いながらお茶。最初に会った時より会話が続かなくて微妙に焦ります。でも、Sさんはよくいるエジプトのナンパ男のように、歯の浮くような台詞をまくし立てることがなく、静寂の美しさを知っているようにも見えます。
定番の恋愛話になり、Sさんが将来の夢などを語る。
「二年も付き合っているのに何故結婚しないんだ?」と、不思議がられます。エジプトでは婚前交渉などもっての他、二人きりでのデートすら難しく、早くに結婚して子供をもうけるのが当たり前だからです。
色々説明してもうまく伝わらず、またわたし自身も今の日本の恋愛状況(婚前交渉が当たり前のように行われる一方、結婚が控えられる)が必ずしも良いとは思っていないので、逆に「どうしたら彼は結婚したくなると思う?」と相談してしまう。「君の気持ちを真剣に伝えないとダメだ」と澄んだ目で諭されます。というわけで、ダーリン、これを読んでいたら結婚しましょう(笑)。
「日本人はなぜエジプトに悪いイメージを持っているんだ?」と尋ねられる。
「別に悪いイメージは持っていないと思うけど」
「でも、ちょっと話しかえるだけで、とても怖がられることがある」
「それは一つには、悪い商売人が多いので気をつけているんだよ。また、日本人は良いエジプト人と悪いエジプト人を簡単には見分けられないし、一般に社交上手じゃない。英語もうまく喋れない人も多い。それに、日本では道を歩いていて初対面の人が話しかけてくることはまずないし、そういうのに慣れていないんだと思う」と説明します。
これは割と納得してもらえて、実際、詐欺まがい、というか詐欺そのものの商売人については、大抵のエジプト人も嘆かわしいことだと思っています。
「それから、そもそもほとんどの日本人はエジプトやアラブの文化について、知識がない。特にイスラームについては、非常に断片的で偏ったことしか知らない。欧米のバイアスのかかった情報ばかりが溢れている」。
そう言うと、Sさんは少し寂しそうな目をして、頷いていました。
エジプト人自身が嘆かわしいとよく口にし、この時も話題に上がったのが、悪名高いカイロの交通事情です。
最初の頃は「これはひどい!」と憤りすら感じたのですが、当の住人たちも苦しんでいるのですから、八つ当たりするのはやめましょう。
エジプトでは人を轢き殺してしまっても、スズメの涙のような賠償金を払えば済んでしまい、「安い死」と言われているそうです。この辺の法制度を整えるだけで、すごく状況が改善すると思うのですが、この多様性を絵に描いて額に入れた国では、なかなか意見の一致に至れないのかもしれません。
ちなみに今日も一回交通事故の瞬間に居合わせました。
宿に戻る途中でターンメイヤのサンドイッチを買い、宿で食べながら宿題を片付ける。
ちょっと面倒なことがあったけれど、悪いことなので割愛。
長丁場の授業開始。直前にイヤなことがあった上、先生が連絡なく三十分も遅れてきて、機嫌が悪かったけれど、しばらく話しているうちに調子が出てくる。我ながら赤ちゃんなみのワガママです。
週に一回のテストの後、平行して使っている二つの教科書をそれぞれ進める。一つの教科書で今読んでいる文章が難しく、七転八倒する。
先生はいつも愚痴を聞かされて気の毒です。ごめんなさい。
生活全般でこちらの意思をうまく伝えられなかったり、習慣の違いからイライラすることが多いので、ついそういう話を先生にぶつけてしまいます。
最後の方はいつものようにヘロヘロになるものの、何とか終了。
最近、宿にアフリカンの団体さんがよく来ていて、エレベーターの中などで二言三言会話することが多いです。昨日はガンビアから来た、という方とお話しました。「ガンビアだよ、ザンビアじゃないよ」と言っていましたが、正直、どっちも位置がおぼつかないです。地図で確かめます。
今日ちょっとだけ話したアフリカン(国は聞いていない)は、「カイロは良い場所じゃないね」とボヤいていました。日本人以外の外国人がカイロについて不満を言っているのは、初めて聞いた気がします。何がお気に召さなかったのか気になります。
晩御飯はまたコシャリ。今日も食費100円未満を達成できました。
何度か悪口を書いてきたエジプトの食べ物ですが、大分適応してきました。甘すぎるものや肉は相変わらず好きにはなれませんが、ある程度受け付けるようになりました。調子に乗ってデブらないよう気をつけます。
たまたま今日、先生とも話題にしたのですが、食べ物の値段にしても、エジプトは極端です。一日100円未満でも食べられる一方、高いものはちゃんと高いです。「エジプトは物価が安い」というのは事実ですが、立派なレストランで食事でもすれば、日本並まではいかないにしても、相当の額にはなります。
単純に安いというのではなく、差が極端なのです。高級な食べ物といっても、別に特別変わったものが出てくるわけではなく(行ったことないですが・・)、それこそ缶ジュース一つでも場所や状況によってあり得ないくらい値段が違います。そういう違いは日本でもありますが、とにかく何から何まで極端に振れているのがエジプトなのだと思います。
貧富の差が大きいことはよろしくないことですが、上から下までそれなりの暮らしがある、という意味では懐が大きいとも言えます。
それにしても、朝から晩まで本当に喋ってばかりいます。人生でこんなに沢山喋りながら生活したことはありません。日本では「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します」しか台詞がない日も珍しくなかったのに、ものすごい違いです。
疲れることも多いですが、話し相手に困らないのは結構なことです。この国でホームステイするほどの根性はないですが・・。
テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報
- エジプトの「安い死」|2009/08/19(水) 06:50:19|
- エジプト留学日記
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