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مي عز الدينマイ・アッズ=ッディーンとحماد هلالハマーダ・ヒラール、外国人同士でフスハー談義、ダハブからカイロへ

9/26

 起床し、まずは長距離バスターミナルまでカイロ行きのチケットの購入に。最終バスは22:00発ですが、人気があるので満席にならないうちにゲットしなければなりません。
 乗り合いトラック乗り場付近で足を探す。往復するだけなのでトラックの荷台で良かったのですが、タクシーが声をかけてきて、10ポンドというところを5ポンドまで値切れたので(これが相場価格)、タクシーで行くことにしました。
 運ちゃんはジィーズ。アブドゥルアジーズというよくある名前が本名ですが、長いのでジィーズと呼ばれている、とのこと。
 若くて乱暴そうな見た目ですが、例によって死ぬほど甘いお茶を差し出し「飲め」と薦めてくれるし、最後の一個の飴を「割って半分にして二人で食べよう」と分けてくれるし、イイヤツでした。
 わたしがカメラを出していると「写真が好きなのか? 俺も写真を撮るのが大好きなんだ」と言い、携帯を差し出します。携帯にはダハブのあちこちの写真と一緒に子供の写真が収められています。「ジィーズの子供?」と聞くと「そうだ」との答えで、ダハブやシャルムで働く大勢のエジプト人と同様、出稼ぎに来ているそうです。
 チケットを購入した後、ジィーズが「写真が好きなら良いところに連れて行ってやる」と、ラグーナ方面の海がキレイなところまで連れて行ってくれました。

砂漠のタクシー
砂漠のタクシー posted by (C)ほじょこ

 最初に5ポンドまで値切ったのですが、往復してくれたし、ジィーズがすごくイイヤツだったので、結局10ポンド渡して来ました。
 バスのチケットは確か80ポンドでしたが、後で確認すると、チケット自体には60ポンドと書いてあります。80ポンドなら事前にチェックしておいた相場価格なので構わないのですが、シャルム-ダハブ間も毎回値段が違うし、印刷された値段と払う価格も毎回違うし、何だかさっぱりわかりません。

 マシュラバに戻り、街をブラブラ。
 サミールという服屋の兄ちゃんが話しかけてきて、一緒に店でダベることに。というか、エジプトに来て以来「誰かに声をかけられる>お金は使わずダベる」というパターンでほとんどの日が過ぎている気がします(笑)。向こうも暇なので話し相手が欲しいのでしょう。
 ゆっくりわかりやすいアーンミーヤで喋ってくれ、わたしが質問すると丁寧に言葉を教えてくれて、親切な人でした。
 ちなみに、彼の店で売っていたバッグに変な日本語のプリントされていました。アメリカ製。

つやつやロンヘアを手に入れよう!
つやつやロンヘアを手に入れよう! posted by (C)ほじょこ

 またバッサームの店で一緒にテレビを見る。
 مي عز الدينマイ・アッズ=ッディーンという女優主演の映画。父親の元に娘だと名乗る同じガミーラという女性が訪れ、それが全然違うキャラ、というお話。今ひとつ筋がつかみ切れませんでしたが、三人のうちの一人のデブキャラ女優がすごく面白かったです。バッサームが彼女を指してمي عز الدينと言うので、このデブキャラ女優がその人かと思ったのですが、そうではなく主演がマイで、同じ役を三人が演じている、という意図だったようです。
 このデブキャラ女優が、日本のデブキャラ芸人の比ではないものすごい巨漢で、しかもすごく面白く、ただひたすら彼女の巨大ぶりを楽しんでいました。

 続いてحماد هلالハマーダ・ヒラールという俳優主演の映画。クソマジメで女の子に縁のない男が、ふとした偶然で超アクティヴな女性新聞記者に一目惚れして、友達の助けを借りつつアプローチする、というラブコメディ。
 حماد هلالは劇中では冴えない純情男ですが、画像を探すと二枚目です。
 ハマーダが父親にデート費用をねだり、父親が渋るのを「ケチ」と言ったら、父親が激怒してバルコニーに出て、周辺住民の前で「みんな、これが見えるか! 100ポンド紙幣だ! 今からこれを破って捨てる! わしがケチではないところを見てみろ!」と本当に破って捨てる場面がエジプト人らしくてウケました。
 エジプト人、本当にこんな感じの行動を取りますね。彼らの口喧嘩は相手を打ち負かすものではなく、野次馬=オーディエンスをいかに説得し自分の味方につけるか、という、スピーチコンテストみたいです。
 またبخيلバヒール(ケチ)を最も蔑むのも、典型的です。前にも書きましたが、彼らはボッタクリ商法を平気でやる一方、使う時も気前がよく、チビチビ溜め込む態度を本当にバカにします。景気対策としては大変よろしいです(笑)。「バヒール」は冗談でも口にしてはいけない言葉のようです。ケチと罵られれば、本当にこの父親のような行動に出るんじゃないかと思います。

 店を出て少し一人で散歩。
 アクセサリ屋の男が声をかけてきて、「運を呼び込む」という石を釣り糸みたいなものでくくってネックレスにしてくれました。本当にタダでくれて、しばらくお喋りして普通にバイバイできましたが、このネックレス、ただの紐なので外せません・・・。

 ツアー企画みたいな男が声をかけてきて、またちょっとお喋り。横でベドウィンが礼拝しています。
 この男が露骨にロクデナシで、「結婚しないでセックスするのは日本の文化なのだろう?」とか言ってきます。「確かにそういう人はいるが、文化ではないし、わたしはそれは悪であり、ハラームだと考えている」と言い返しますが、何かすれ違っている気がします。
 これについて考えたいて面白いことに気づいたのですが、長くなるので別エントリに分けます。とりあえずこいつとは即効バイバイ。

 さらに散歩して、ラグーナの辺りでH氏に出会う。
 彼はホテルの経営者らしく、地元の「顔」で多くの外国人と付き合いがあるようです。
 H氏と共に少しマシュラバに戻った辺りのカフェに入り、エジプト人・外国人の混ざった輪に加わります。エジプト人とその妻のオランダ人、長くエジプトに暮らすイギリス人女性、といった雑多な集まりです。ダハブの中の上クラスくらいで遊んでいる欧米系の空気です。
 エジプト人と結婚したオランダ人女性は、まだアラビア語がほとんどわからず、夫婦の会話は英語かオランダ語とのこと。こういうカップルはエジプトに非常に多いです。「言葉が不自由で夫婦生活が成り立つのか」と訝しがられるかもしれませんが、これは本当に大丈夫です。こちらで生活していると、言語を完全には理解できていなくても、相当のところまでコミュニケーションが取れる、ということを実感します。逆に母語を共有していても、結婚なんて失敗する時は失敗するでしょう。
 非常に面白かったのが、アラブ世界で長く生活しているイギリス人Cさんのお話。彼女はバーレーンで二年あまり学んだ後、ギザの非常に大衆的エリアに七年住んだ、とのこと。残念ながら地区の名前を失念してしまったのですが、その名前を聞いた途端に周りのエジプト人すべてが「正気か!?」という反応をしていて、一人が「エジプト中の銃とドラッグがそこから来る」と言っていました。
 実際、そこでの日々は、異様に人々が密着してひたすら怒鳴りあうもので、それまでシャイだった彼女は、ホウキを武器にマスジドで大暴れしたり、獣のようにまとわりついてくる子供達を張り倒すくらい、タフな女性に生まれ変わったそうです(見た目はスレンダーな美人さんで、エジプトによくいる象のように図々しい女性では決してありません)。
 それはそうでしょう。わたしが知っている範囲の「貧しい地区」でも、ただ歩くだけで大変な騒ぎです。特に子供の厄介さは、経験した者にしかわからないです。言葉を喋る狼が後から後からゾンビのように追いかけてくる、と思ったら少し近いです。しかも喋る言葉といったら「金くれ」だけです(笑)。幸い今まで子供を暴力で倒したことはないですが、多分一人や二人殴り倒しても、後から後から沸いてきて対抗できないと思います。『ブラックホーク・ダウン』でアメリカ人を包囲するソマリア人みたいです。
 彼女はわたしに「アラビア語を上手になりたいなら、そういう地区に何年か住むのをお勧めするわ」と言っていましたが、丁重にお断りさせて頂きたいです(笑)。

 こんな話の流れで、「カイロは外国人が住むには最もハードな街の一つだ、一方アレキサンドリアは本当に違う」と一同盛り上がっていたのですが、それはちょっと言いすぎにしても、確かにアレキサンドリアの方が外人には住みやすそうです。H氏がアレキサンドリア出身なので皆で持ち上げていただけかもしれませんが、アレキサンドリア人はエジプト人と言っても祖先にヨーロッパ人の血が混じっている率がかなり高く、カイロ以上に「国際的」な街です。
 カイロは何と言っても首都だし、仕事をするならベストに決まっていますが、わたしの訪れた日本以外のいくつかの都市の中では、確かに一番過酷な世界に思えます。「外人にとっての住みやすさ」という意味では、東京もかなり酷いと思いますが、カイロには東京のような外人差別や物価高がない一方、エジプト人の超絶人懐こさ故のストレスと、凄まじい喧騒が待っています(もちろんマアーディやザマーレクに住むなら全然別)。
 まぁ、Cさんはいくら何でも住む場所間違えすぎだと思いますが・・・。

 わたしがフスハーの方が得意(というかアーンミーヤがヘボすぎる)ということがわかると、座が「フスハー合戦」になりました。
 何人かのエジプト人は上手にフスハーを操り、流暢に詩のように語るのですが、何人かのエジプト人は「えー、フスハー!?」という感じで、上手下手以前に照れてしまって喋ろうとしません。
 Cさんのアーンミーヤは見事なものなのですが、一方でフスハーは冴えません。大衆エリアで鍛えたのなら、当然でしょう。新聞を読むのも「難しいしイヤ」と言っています。
 それでも「フスハーはとても美しい、詩を沢山聞いて、完全には理解できないけれど、とても荘重な言葉だと感じる」と語ります。応じてH氏が二ザール・カッバーニの詩を読んだので、ここぞとばかりにイリーヤ・アブー=マーディの詩を暗誦したのですが、発音が悪すぎるせいか今ひとつウケませんでした。

 少し不思議だったのが、サイーディには評判の悪いベドウィンが、アレキサンドリア人と白人、というメンバーの中では割とポジティヴに評価されていたことです。
 一方で、サイーディのことはバカにしています。「沢山のサイーディがここで働いているが、彼らは外国人をひっかけに来ているだけだ。彼らの多くは、一年か二年するといなくなる。外人女をつかまえて地元に帰るか、悪いことをして警察に捕まるのだ」と言います。「わたしはここに十年以上も暮らしている。それだけいられるというのは、わたしが間違ったことをしていないからだ」と言うのは、確かに一理あるかもしれません。何でも「そこに長くいる人」には、長くいられた理由があるものです。
 ただ、わたしの経験の範囲では、サイーディのイメージは全般に良いです。一方でベドウィンは悪印象で、もし強引に単純化して上エジプトと下エジプトの対立軸で考えるなら、個人的な感触では、上エジプトの人々との方が楽しい時を過ごせる確率が高いです(あくまで確率)。

 このカフェで働く白人女性(国籍は尋ねませんでした)が、最近シャルムに赴いてボッタくられた話をしていました。ネスカフェ(トルココーヒーではない普通のコーヒーのこと)で80ポンド(約1600円)請求されたそうです。「最初冗談を言っているのかと思った」とのことで、一同大憤慨です。公定料金では、ファイブスターのホテルでも25ポンドが上限とされているそうです。8ポンドでもかなり高いのに、シャルムは本当に狂っています。カイロの普通のマクハーなら3ポンドです。

 ちょっとトラブルがあり、ダハブ滞在の最後で非常に不愉快な思いをしたのですが、そんなこんなでバス発車のギリギリの時間に長距離バスターミナルに滑り込む。バッサームに挨拶できなかったのが本当に心苦しいです(翌日電話して、カイロで再会することを約束)。

ダハブ 夕暮れの猫
ダハブ 夕暮れの猫 posted by (C)ほじょこ

 バスの隣が若いエジプト人で「こりゃ寝られないな」と思ったら、彼は母親と一緒で、ママの前のせいか流石にお行儀良く、彼ともその母親とも楽しくお喋りできました。
 母親がダハブに住む姉妹を訪れた帰りだそうで、親孝行な好青年です。彼はバスの仕事も手伝っている様子で、従業員なのか純粋な乗客なのかよくわかりません。バス会社で働く青年がツテで安く母親を乗せたのか、単なる乗客がエジプト人らしくバスのことを色々気遣っているのか、どちらなのでしょう。
 カイロへの帰路の途中、またトイレ故障のトラブル発生。行きと同じトラブルで、同じ車両だったのかもしれません。長距離バスで二回も臭い思いをしました(笑)。
 隣の青年が責任もないのに「せっかくの旅行で気持ち悪い思いをさせて申し訳ない」と言っていて、すごくジェントルマンでした。ママの前でかっこつけていたのかもしれません(笑)。

 バスの中でعمر وسلمى(ウマルとサルマー)という恋愛映画を見る。
 行きのバスでは字幕付きアメリカ映画でしたが、帰りはエジプト映画でした。寝ている乗客が多く、しかもほとんどはアラビア語のわからない外国人たちに対してエジプト映画を大音量で流すのはどうなんだ、と思いましたが、個人的には非常に楽しかったです。
 途中で寝てしまったので筋がよくわかりませんが、تامر حسنيターミル・ホスニーという主演俳優が、二枚目キャラなのだけれど眉毛が思い切りつながっていて、ちょっとウケました。彼が髪型を気にしている場面があるのですが、「髪型より眉毛をなんとかした方がいいよ」とツッコみたいです。彼はエジプトでは普通に二枚目俳優なので、エジプト的には問題ないのですけれど(この美意識も理解できる)。
 台詞は部分的にしか聞き取れないのですが、一方で外国映画の字幕も完全には読みきれません。字幕はフスハーですが、現在のわたしの読解スピードでは、理解できる前に字幕が消えてしまいます。せめて字幕についていけるくらいは、読み取り力を上げたいです。吹き替えやエジプト映画がアーンミーヤの練習になる一方、字幕付きのアメリカ映画は、フスハーの訓練に結構使えます。

 アッバセーヤ着。
 この時までよく知らなかったのですが、シナイ半島方面からカイロに帰ってくるバスは、アッバセーヤのمحطة سيناء للاوتوبيساتマハッタトゥ・スィーナーッ・リル=オートビサートに到着することが多いようです。ここはカイロ中心部からかなり離れているのですが、最初「トルゴマーンの近くだろう」と思いタクシーの客引きを断りまくってしまい、ちょっと失敗しました。
 「メトロが近くにあるはず」と勘でかなり歩いた後、ようやく周辺地理を理解して、引き返す羽目になりました。イッ=ディメルダシュあたりが直近のメトロ駅ですが、大荷物をかかえて歩く距離ではありません。タクシーは乗りたくないので、ラムスィース行きのマイクロバスをつかまえました。3/4ポンド。

 一週間留守にしただけですが、出発したのがラマダーン明けのイード中だったせいか、自宅近辺の様子が少し変わっていました。ラマダーン中に引っ越してきたので、ラマダーン中休業の店が営業再開したり、店の品揃えが大幅に変わっていました。

ダハブ 犬と男の夕暮れ
ダハブ 犬と男の夕暮れ posted by (C)ほじょこ

 一週間の小旅行でしたが、この旅は非常に非常に楽しかったです! 特にサイードとバッサームとの出会いが、最高でした。
 ダハブは本当に素晴らしい場所で、是非住んでみたいです。ダハブでアラビア語語学学校をやったら結構儲かるのではないかと思うのですが(現在でも家庭教師みたいなものはあるが、多分質は低い)、先生に提案してみます。需要があるのはアーンミーヤだけでしょうけれど、ちゃんとした学校を作れば、長期滞在して敢えてフスハーと併習する、という学生も現れる気がします。わたしならそうしたいです。地元人に聞いたら、「どこそこのドクター何ちゃらはフスハーが達者」という話を聞けたし、どこの町でも何人かはそういう「物知りおっちゃん」がいるので、自分で探して交渉して家庭教師にするのも一手です(ただし、そういうおっちゃんは大抵非常に信心深いので、イスラームを学ぶ覚悟が必要)。
 今までの人生で、一番楽しい旅行で、元々観光にも遺跡にも海にも興味がなかったわたしが、エジプト中旅をしてみたい!という気持ちになってきました。特にアスワーンは一ヵ月後には絶対訪れます、インシャアッラー。
 ダハブももう一回行ってみたいので、日本から友達が遊びに来てくれたら、一番に連れて行きたいです。その時は国境近くまで行くか、国境越えてヨルダン突入したいです(イスラエルは入りたくないので船で)。寒くならないうちにおいで!
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テーマ:エジプト - ジャンル:海外情報

  1. مي عز الدينマイ・アッズ=ッディーンとحماد هلالハマーダ・ヒラール、外国人同士でフスハー談義、ダハブからカイロへ|2009/09/29(火) 12:51:25|
  2. シナイ半島の旅

エジプトのITエンジニア、ムハンマド・へニーディ『アメリカ大学のサイーディ』、サッカーの嫌いなエジプト人

9/25

 起床し、ペンギン・ビレッジに併設されたマタアムでネスカフェを飲む。5ポンド。観光地価格です。
 同じくペンギン・ビレッジ系列のネットカフェに入る。日本語環境があり、ブラウザはFireFox、1時間8ポンド。エジプトでネットカフェに初めて入ったので相場がわからないのですが、かなり高めだと思います。日記を二日分だけ書いて自分宛に送信し、ダーリンとお母さんにメール。
 このネットカフェとホテルの従業員を兼ねている男の子の一人が、ペンギン・ビレッジ到着以来、しきりに誘っていました。お肌のツヤからして二十歳そこそこの若い子で、「こんな年増じゃなくて若い子沢山おるやん」と呆れてしまったのですが、わたしの指輪を見つけてからは「婚約してるのか、なんだよ、つまんねえな!」と引き際よく仲良くしてくれて、可愛らしくて好印象でした。
 ダハブにはネットカフェが沢山ありますが、ほとんどは通り沿いで当然眺めなんてありません。無線LAN使い放題のカフェはもっと大量にありますし、海辺で自分のマシンで作業する方がずっと良いです。当初二日程度でカイロに帰ろうと思っていたので、マシンを持ってこなかったのを後悔しました。カメラのバッテリの充電器も置いてきてしまい、失敗しました。

 バッサームの店に行くも、不在。またマタアムMEYA MEYAに戻り、ベジサンドイッチを食べる。なぜかこの日はあんまり美味しくなかったです。18ポンド。ペンギン・レストランでは、ベジサンドイッチが28ポンドと表示されていました(入ってないので内容は不明)。いずれにせよ、ビーチ沿いのマタアムはかなりお高い観光地価格です。

 この日の日中は、ほとんどぼんやり読書をしたり、バッサームと一緒にテレビを見て過ごしました。ダハブくんだりまで来てテレビで映画を見ているのもバカみたいですが、勉強になるし、一緒にテレビを見るのって何だか和みます。
 夕方になり、バッサームとわたしと居合わせたエジプト人二人で、ドミノを始める。ルール自体はシンプルなのですが、偶然の支配する要素が大きく、勝つ秘訣があるのかよくわかりません。

 バッサームにベドウィンの言語について尋ねる。やはりベドウィンには独自の方言があるらしいですが、それ以上に、知り合ったアスワーン人が悉くベドウィンを毛嫌いしているのが興味深いです。

 夕飯は大衆食堂のベジタリアン定食。10ポンド。

ダハブの大衆食堂
ダハブの大衆食堂 posted by (C)ほじょこ

ダハブの大衆食堂のベジタリアン定食
ダハブの大衆食堂のベジタリアン定食 posted by (C)ほじょこ

 大衆食堂でもカイロよりは高いですが、そんなに無茶な価格ではありません。

 この大衆食堂で、ムハンマドというエジプト人と相席になりました。ダハブで働いている人ではなく、観光客で、しかも一人で来ています。
 ダハブへ一人旅をするエジプト人というのは、相当珍しい人種です。ビーチリゾートに遊びに来られる時点でお金持ちなのは間違いありませんが、純粋な遊びで一人で旅をしているエジプト人には初めて会いました。
 ムハンマドはカイロで働くSE兼マネジャ。昨日に引き続いて同業者との邂逅でしたが、彼はエジプト人。気になるエジプトのITビジネスについて探りを入れる絶好の機会です。元々はjavaがメインの開発者だったらしいですが、実装から離れて久しいので「忘れてしまったよ」とのこと。これは世界共通です。
 大衆食堂を出て、ビーチ沿いを散歩してから海辺のお洒落な店に入ります。完全にナンパモードで、今思うと、彼が一人でダハブまで来たのは外国人をひっかけるためではないかと思うのですが、下心はどうでもいいです。話して情報を得るキッカケができるし言語の訓練にもなるので、ナンパも時に便利です。下心はお互い様。
 ビーチを散歩している時に、日本人らしい女性が地元イベントのチラシを配っているのに遭遇。英語で話していたので、日本人か韓国人か確信が持ていませんが、住民もしくは長期滞在者なのは確かです。脚の長い美人さんでした。
 ムハンマドはユーロディズニーに遊びに行って二人の日本人と知り合いになった、とか話しているので、本当にリッチです。フランス語を趣味で勉強しているそうです。
 わたしがフスハーの方が上手だと知ると、フスハーで話そうとするのですが、理系らしくあまり得意ではない様子。教科書を見せると「僕もこれが必要だな」と笑っています。
 昨日のロシア人といい、理系男子はトーク上手ではなくて、それがかえって安心します。日本の理系男子はシャイすぎますが、エジプト人だと丁度良い感じになります(笑)。
 以前にクウェイトで働いていたことがあるそうで「暑い?」と尋ねると「حارじゃない、نارだ」と冗談を言います(ハーッルは暑い、ナールは炎で、駄洒落になっている)。クウェイトにはクウェイトの方言があるそうですが、「本当のところ、みんな英語で話しているんでしょう?」と言うと「その通り」と笑います。湾岸は本当に英語使用率が高いようです。
 話が性的な方向に流れそうになったので、こじれる前に断ってバイバイ。一般のナンパエジプト人のような強引さがなくて、かなり照れながら誘っていて、可愛らしい人でした。

 バッサームの店に戻って、またテレビを見ながらのんびり。
 サッカーをやっていたので「サッカー好き?」と馬鹿げた質問をすると、驚いたことに「嫌い」との返事。「エジプト人は全員サッカーが好きなのかと思った」と言うと「俺はピンポンとビリヤードが好きだ」と、エジプト人なのに根暗なお返事。「ボールが一つで22人でプレイするなんてクレイジーだ。ボールは一人一個あればいい」とか言っているので「それじゃكرة القدمじゃなくてكرات القدمだよ」と冗談を言ったらウケてくれました(「ボール」を意味する単語を複数形にしただけのシャレ)。

 前にفول الصين العظيم(フール・ッシーン・ル=アジーム 偉大なる中国の豆)を話題にしたحمد هنيدي(ムハンマド・へニーディー)主演の映画を見る。見ている途中で、「これは『アメリカ大学のサイーディ』だ!」と気づき、色々な要素がバチバチッとつながりました。
 『アメリカ大学のサイーディ』は、ムハンマド・へニーディ主演の大ヒット映画で、サイーディ(上エジプト出身者のことで、エジプトでは「頑固な田舎者」というイメージ)が、生まれとは正反対のカイロのアメリカン大学に入り、ドタバタ喜劇を演じながら、アイデンティティの危機と再発見が描かれる、という名作です。八木久美子先生が『アラブ・イスラム世界における他者像の変遷』で取り上げられているのを目にしてから、ずっと気になっていました。
 実際に目にするのは初めてで、その主演が、同じく非常に面白かった「フール・ッシーン・ル=アジーム」のムハンマド・へニーディだとやっと気づき、自分の興味が連鎖して一気につながった感じです。
 ムハンマド・へニーディは本当に面白いコメディ俳優で、彼の主演作品はもっと日本で紹介されてしかるべきです。エジプトのコメディ映画は非常に面白くてわかりやすく、台詞がロクに聞き取れないまま見ても十分に楽しめます。
 「エジプトはアラブ世界のエンタテイメントの発信基地だったが、今はアメリカ文化に押されてちょっと落ち目」というのはよく聞く話ですが、わたしの眺める限りでは、今でもエジプト人はエジプト映画やエジプトのポップ音楽が非常に好きで、特にコメディ映画は、外国人のわたしから見ても質が高いです。ハリウッドのコメディなんかよりずっとわかりやすくて笑えるのに、何でもっと紹介されないのか不思議です。言語を磨いて、一円にならなくてもそういう仕事のお手伝いがしてみたいです。

 バッサームが店を閉めてから、一緒に海辺をお散歩。
 「ダンスを教えてやる」と言って歩いていくのでどこに行くのかと思ったら、マシュラバビーチを南の方にずっと下ったBlack Princeというクラブの辺りに来ます。大音量でダンスミュージックをかけているロシア人の多い店で、「そんな高いところに入るのか」とびっくりしたら、そのまま通り過ぎて、浜辺の暗がりに行きます。Black Princeから流れてくる音楽のおこぼれで楽しもう、ということらしいです。確かにそれならタダで、彼の嫌いなお酒も目にしないで済みます(笑)。
 そこから更に南に歩くと、周囲が真っ暗になり、星がキレイに見えます。まだ秋口なのにオリオン座が見えます。そこはシェラトンが新しいホテルと作っているところで、もう少ししたらまた一つ美しい暗闇が消えてしまうことになります。
 アカバ湾の向こうに、サウジアラビアの街の光が見えます。バッサームは「タブークだ」と言っていましたが、タブークは内陸のはずで、マグナーという街です(文字で見ると「マコナー」くらいの発音になりそうですが、ダハブ在住の他のエジプト人がマグナーと発音していました。エジプト方言の読み方ではないのですが、当地の発音に従ったものなのか、どこかの訛りなのか、わたしの耳がおかしいのか、気になります)。
 その南には、ラグーナという高級ホテルがあります。値段相応にすごくデラックスで楽園のようなオーラを放っています。

 それにしても、土地ごとに観光客の出身国が違って、また国ごとに利用先タイプが分かれているのが興味深いです。シャルムはイタリア人、ダハブはロシア人が多く、日本人はシャルムにはほとんどいなくて、ダハブはバックパッカー系の楽しみ方をする人だけが集まります。日本で「デラックス・エジプト」を楽しみたい人は、カイロやルクソル、アスワーン、アブ・シンベルなどのみに集中し、ビーチリゾート系には流れないのでしょう。高級ビーチリゾートを求めるなら、日本人ならタイ辺りの方が手軽ですからね。
 元々「観光」にあまり興味がなかったワタクシですが、この旅が非常に楽しくて、今頃になって旅行がすごく好きになってきました。砂漠キャンプとか、いかにもひたすら過酷そうなものも、体験しておこうかと考えはじめました。こういう楽しみを紹介できるなら、観光産業というお仕事も素敵ですね。今までスルーしていてごめんなさい。

ダハブの犬
ダハブの犬 posted by (C)ほじょこ
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  1. エジプトのITエンジニア、ムハンマド・へニーディ『アメリカ大学のサイーディ』、サッカーの嫌いなエジプト人|2009/09/29(火) 12:34:41|
  2. シナイ半島の旅

ハリーグ・ッナアマ(ナアマベイ)、グラスボート、オールドマーケット

9/22

 Dさんからの電話で目を覚ます。「朝食を食べよう」とのことでしたが、さっき食べたばかりで眠いし、気が乗りません。一度は「いらない」と言ったのですが、寝ていても仕方ないので、仮眠のみのままノソノソ朝食へ。
 外へ出ると、日差しが痛いです。空気は澄んでいますが、太陽光線のパワーもカイロより一段強力です。
 朝食はフールとエーシとチーズやサラダといった、よくあるホテルの朝食メニュー。あんまりおいしくなかったですが、どのみち食べる気がなかったので、ちょっとつまむだけで終了。
 大通りまで一緒に出て、マイクロバスを拾います。「ハリーグ・ッナアマに行けばなんでもある」と言い残して、彼は仕事で途中で降りてしまいました。
 超マニアックですが、シャルム・ル=ミーヤの大通り近くに、漫画太郎の作品のババァに似ている岩があります。わたしの中で「ババァロック」と名づけました。

シャルム・ッシェーフの画太郎っぽい岩
シャルム・ッシェーフの画太郎っぽい岩 posted by (C)ほじょこ

 ハリーグ・ッナアマ(ナアマベイ)到着。もう、絵に描いて額に入れたような高級ビーチリゾートです。

シャルム・ッシェーフのハードロックカフェ
シャルム・ッシェーフのハードロックカフェ posted by (C)ほじょこ

シャルム・ッシェーフのビーチ
シャルム・ッシェーフのビーチ posted by (C)ほじょこ

 タイのプーケットのような場所を想像していたのですが、まったく比較にならないほどゴージャスです。まわりはヨーロッパ人ばかり。特にイタリア人が多く、英語に次いでイタリア語が公用語のようです。あられもない格好の欧米人に混ざり、時たま湾岸のアラブが完全武装で歩いている、という、面白い風景になっています。
 マリンスポーツに興味がないし、通りを歩いていても殺人的に暑いだけなので(夜は天国)、「どうしたものかなぁ」と、とりあえず海のそばまで行きます。
 海は素晴らしく澄んでいて、テレビでしか見たことのない極彩色の魚が普通に泳いでいます。それを見たら、大して興味のなかったビーチが段々素敵に思えてきました。

シャルム・ッシェーフの海
シャルム・ッシェーフの海 posted by (C)ほじょこ

 グラスボート(底が透明になっていて海の中が見られる船)があると聞いていたので、うろうろしていると、マグディーと名乗るおっちゃんが声をかけてきます。グラスボートもやっているようなので、値段を尋ねると40ポンド。事前に仕入れていた相場価格より安いので、乗ってみることにします。
 ボートの乗客は、エジプト人が多いです。ムスリマは水着になれないし、結果的にグラスボートに流れてきているのでしょう。わたしの他は、サウジの男性が一人と、後は全部エジプト人の家族連れでした。

シャルム・ッシェーフのグラスボート内部
シャルム・ッシェーフのグラスボート内部 posted by (C)ほじょこ



 動画で見ると、海の魚より船のエジプト人のはしゃぎっぷりの方が面白いです。
 ちなみに、このサウジのアラブは、普通にエジプト方言で話していて、会話に不自由ないようでした。エジプト人が聞いたら「なんちゃってエジプト方言」なのかもしれませんが、わたしにはまったく識別つきませんでした。エジプト方言は、映画やテレビの影響でエジプト以外でも通じることが多い、とされていますが、この人が元々エジプト方言を話せるのか、エジプトで仕事でもしていて話せるのかはよくわかりません。

 グラスボートの後、まったくやることもないし、高いので飲食店にも入りたくないので、あてどもなく日陰を求めてさまよいます。
 くつろいでいるおっちゃん二人が声をかけてきたので、お邪魔すると水をおごってくれました。
 ハーリドと名乗るおっちゃんは、わたしがLMアブヤドを勧めても「俺はマルボロしか吸わない」とか言うし、モハンディスーンに家があるとか言ってるし、相当お金持ちな感じです。まぁ、ここで働いていれば、エジプトのどこで稼ぐよりリッチになるのは簡単でしょう。出身はアスワーンのようです。
 一緒に新聞を読んで遊びます。ナイル上流で取水口が建設されているのにイスラエルがかんでいるとか、そんな話をおっちゃん二人とダラダラしました。

 ハーリドさんとバイバイしてから、またウロついていると、例によって男が声をかけてきます。客引きは非常に多いのですが、「お茶しよう」とか言っているし喉も渇いていてしんどいので、ナンパを利用してタダメシでもゲットするかと着いていったら、よくあるオイル屋のキャッチでした。
 でもエアコンきいてて涼しいし、お茶もタダなのでテキトーにダベります。ドバイに両親がいるとのことです。適当に調子を合わせていると、ナンパはダメだとわかったのか、オイルの売り込みが来ます。試すだけならタダなので腕に塗ってもらったら気持ちよかったので、ものは良いのかもしれませんが、1グラム1ポンドとかすごいことを言ってくるし、買う気ゼロです。
 「いらん」と言うと「効果がなかったら、もう一度来たときに一番大きい瓶をあげる」とか言いますが、そんなことでシャルムに戻ってくるバカはいません。断ると「マッサージしてあげる」とか、これまたよくあるパターンに。
 こういう「金かセックスか」が渦巻く風景にはうんざりしますが、考えてみれば世界中どこでも一皮剥けば世の中そんなもんだし、エジプト人は露骨でわかりやすいだけ、むしろマシかもしれません。一方で、金でもセックスでもないモチベーションで助けてくれる人も大勢いるし、すべてが極端なだけで、本質は世界共通な気もします。
 マッサージは丁重にお断りし、無料でお茶とオイルお試しを頂戴し、トンズラしました。

 通りでまたナンパ。これは通例なのですが、この男がイスラエル人でした。
 シャルムにはイスラエルからの観光客が大勢いますが、イスラエル人と接触したのは生まれて初めてでした。
 ただ彼は、英語もアラビア語も片言以下しか喋れず、「何がしたいねん!」とこっちがツッコむくらいコミュニケーションが取れません。彼も歯がゆいようで、手首にはめたホテルのキーを「ここ、ここ」と見せてきます。そんな犬を手なずけるような方法についていく女が、世界中のどこにいるというのでしょうか。
 さすがシオニスト、やることが半端ないです。

 夕方にオールドマーケットに戻ります。昼間はグッタリしているしかないオールドマーケットですが、夜は一変してワンダーランドへと変貌します。

シャルム・ッシェーフのオールドマーケットの夜
シャルム・ッシェーフのオールドマーケットの夜 posted by (C)ほじょこ



 素人らしく「地球の歩き方」情報からナグマト・シーナーゥというシーフードレストランに。
 オールドマーケットの南のゲートを入ってすぐ右に曲がり、ちょっと行った左側です。イル=マスリイーンの並びです。
 店の雰囲気は小奇麗すぎてファミレスみたいで、少し悪い予感。
 昨日食べ損なった(というかこの日の朝ですが)ボリ・マシュウィーを食べます。サラダ、エーシ、タヒーナ、ロズはデフォルトでついていて、40ポンド。

シャルム・ッシェーフのヌグマト・スィーナーッのボリ・マシュウィー
シャルム・ッシェーフのヌグマト・スィーナーッのボリ・マシュウィー posted by (C)ほじょこ

 ぼったくりとまでは言わないですが、内容の割りには高いです。メニューもないのでボラれたかもしれませんが、シャルムという前提なら相場的にあり得る価格なので、文句は言いませんでした。
 魚がないことさえ受け入れるなら、イル=マスリイーンの方が値段も味もずっと良いです。

 暇でぶらぶらして、ホテル近くのショッピングモールに入っているカフェでアシール・ライムーンを飲む。10ポンド! しかも異様に甘くて最悪。
 この店にはアイスクリームもあったのですが、25ポンドという凄まじいお値段でした。

 シャルムの海はキレイだし、お金さえあればゴージャスに遊べますが、小奇麗さを求めていない貧乏旅行者にはあまり楽しい場所ではありません。帝国主義者どもの退廃ぶりにも、客引きのしつこさにもグッタリします。
 この日一日の経験の中では、ハーリドおじさんとのおしゃべりが一番楽しかったです。
 部屋に戻って寝転がりながらホテルで勉強しました。勉強は心が落ち着きます。
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  1. ハリーグ・ッナアマ(ナアマベイ)、グラスボート、オールドマーケット|2009/09/28(月) 05:11:19|
  2. シナイ半島の旅

シャルム・ッシェーフ

 旅に出ていて更新できませんでした。すいません。旅行中の日記を順次アップしていきます。

9/21

 ラマダーン明けのイード・ル=フィトルで暇なので(日本のお正月状態)、D氏の誘いに乗ってシャルム・イッ=シェーフに行くことにしました。
 シャルム・イッ=シェーフはシナイ半島南端のビーチリゾート。カイロからはバスで7時間ほどです。
 例によって計画性もなく、とりあえず必要そうなものをバッグに詰めて、トルゴマーンの長距離バスターミナルに向かいます。途中でサンダルが壊れるトラブルがあり、2ポンドでおじさんに直してもらいつつトルゴマーン着。
 長距離バスターミナルということで、薄汚い場所を想像していたのですが、ショッピングモールと一体化した新しくて近代的な建物でした。新宿駅西口のバスターミナルの百倍綺麗です。


トルゴマーン長距離バスターミナル内部
トルゴマーン長距離バスターミナル内部 posted by (C)ほじょこ

 シャルムへのバスは一日に何便も出ているのですが、イード中ということもあってか、当日乗れるのは19:30の便のみ。3時間くらい待つ羽目になって迷ったのですが、引き返すのも馬鹿らしいので、モールをうろついたり勉強したりして暇をつぶしました。ファラーフィルのサンドイッチ(3.5ポンド)を食べる。

 バスの中はほとんど欧米系の観光客。アメリカ人がやかましいです。隣のエジプト人青年が英語の本を読んでいて、わたしも勉強していたのですが、すぐに消灯されてしまい、青年もチッと舌打ちしてあとはナッツをポリポリしていました。
 途中でトイレが壊れるトラブル発生。車内に臭い匂いが立ち込めて、乗客一同かなりバッド。こういう時は、決して黙って我慢したりしないエジプト人が頼もしいです。「臭い、なんとかしろ」と騒ぎ立てた結果、途中で砂漠の真ん中でバス会社の関係らしいエンジニアが応援に駆けつけ、何とか解決。
 7時間の行程中、何度もゲートで止められ、そのたびに全員のパスポートかIDを確認されます。「シャルムまで20キロ」の看板が見えたところで、アメリカ人が歓声をあげていました。

 夜中の3時すぎにシャルム・イッ=シェーフ着。例によってタクシーの客引きが寄ってきますが、当然スルー。
 Dさんに電話したのですが、もう寝ているのか返答なし。完全に想定内なので、少しも不安になりません。基本、一人ですべてやらないとだめです。むしろ気楽で楽チンです。
 とはいえ、初めての土地で真夜中、砂漠のど真ん中の一本道に取り残されて、さすがにちょっと心細いです。真っ暗な中をひたすらハイウェイだけが続いていて、飛行場みたいです。
 大通りまで歩きながら「どうしたもんかなぁ」と考えていると、タクシーが寄ってきたので「いくら?」と聞くと、「25ポンド」とあり得ない価格提示。「いらん」と言うと20ポンドでいいと言いますし、シャルムでは相場なのかも、と少し不安になりますが「歩くからいらん」と言うと「町まで5キロだ」と教えて去っていきました。
 夜で涼しいし5キロなら歩くか、と思ったのですが、万が一道に迷って夜が明けたりしたらシャレになりません。大通り沿いに立っている人がいたので尋ねたところ、マイクロバスが通るとのこと。
 待っているとマイクロバスが来たので「シャルム・イル=ミーヤ行く?」と尋ねると「シャルムのどこや」と笑われます。もっともですが、地名も全然知らないし、自分でもどこに行くかわかっていないので、答えようがありません。「オールドマーケット?」と言うので、それが何なのかわからないまま「アイワアイワ」で乗り込みます。
 マイクロバス3ポンド。驚きの高値ですが、ぼったくりではなく相場です。正確には、シャルムとハリーグ・ッナアマ間が3ポンドで、バスターミナルまでなら1ポンドで乗れることもある、と後で知ったのですが、とにかくカイロやアレキサンドリアではあり得ない値段です。

 シャルム・イッ=シェーフは、大雑把に北のハリーグ・ッナアマ(ナアマベイ)と南のシャルム市街の二つの地区から構成されていて、北がお高い高級リゾートということは知っていました。長距離バスターミナルは、二つの地区のちょうど真ん中あたりにあります。
 ちなみに、この真ん中のエリアは観光産業などで働くジモピーの住宅地になっていて、砂漠の真ん中に突然巨大なガーマがあり、なかなか壮観です。
 後日撮影したシャルムのガーマ。

シャルム・ッシェーフのガーマ
シャルム・ッシェーフのガーマ posted by (C)ほじょこ

 イッ=スーゥ・ル=アディーム(オールドマーケット)は南の市街の中心にあるスーク。とはいえ、カイロで「スーク」と言われて連想するような場所では全然なく、完全に観光地です。後になってナアマベイよりは大分薄汚いとわかりましたが、いわゆるスークより圧倒的に綺麗なアミューズメント拠点です。
 時間的にほとんどの店が閉まっていたのですが、一通り回った後、結局イッ=スーゥ・ル=アディームの南ゲート入ってすぐ右にあるイル=マスリイーンというマタアムに入ります。バスで何も食べなかったので結構飢えていて、「シャルムだから魚がおいしいだろう」と「ボリ・マシュウィー、ボリ・マシュウィー」と歌のように口ずさむ勢いでウキウキしていたところ、「魚はない」と衝撃の返答。
 ションボリしたのですが、先に持ってきてくれたサラダが新鮮でおいしそうです。これは良いマタアムの証拠。店員さんの勧めで、やむなく鳥のグリルとロズ・ビ=キブダを頼みました。
 結果としては、大正解。暇な時間だったせいか出てくるのも早いし、おいしいし、アイマードعيمادというおっちゃんがとても親切で、わたしの下手糞なナイフさばきを見かねてか、肉を切り分けてくれたりしました。
 お値段23ポンド。大衆食堂よりはレベルの高いマタアムであることを考えると、全然高くないです。カイロなら普通くらいですが、シャルムという前提なら激安と言っても良いです。イル=マスリイーン、超おすすめです。オールドマーケットに行くならイル=マスリイーン!
 後日撮影したオールドマーケットとイル=マスリイーンの写真です。

シャルム・ッシェーフのオールドマーケット入り口
シャルム・ッシェーフのオールドマーケット入り口 posted by (C)ほじょこ

シャルム・ッシェーフのマタアム・イル=マスリイーン
シャルム・ッシェーフのマタアム・イル=マスリイーン posted by (C)ほじょこ

 食事中にD氏から電話があり、スークまで迎えに来てくれます。彼が仕事で宿泊しているSANDY HOTELという宿にチェックイン。150ポンド(朝食つき)。安くないですが、シャルムでエアコンもついているということでは、かなり安めだと思います。シャルムにはいわゆる「安宿」はほぼないんじゃないのではないでしょうか。すべてのホテルが中級以上、という印象です。
 部屋はお値段相応程度で、トイレットペーパーがあったのが感動的でした。タオルやシャンプーはなかったですが、タオルは頼んだら持ってきてくれました。
 驚いたのが、レセプションの脇に黒いラブラドールレトリバーがいたこと。エジプトでは宗教上の理由から、飼い犬は非常に少ないですし、野良犬は大量にいますが、どれも薄汚くてやる気がなく、時々危険な生き物です。人懐こくて賢いラブラドールなんて、初めて見ました。ヨーロッパのようです。犬の名前はウォッシ。多分watchのことで、エジプト式にchをshで発音しているのでしょう。
 夜明けすぎに就寝。
 ちなみに、Dさんは仕事で来ているだけなので、結局このときを含めて数回顔を合わせただけで、まったく行動を供にしませんでした。

シャルム・ッシェーフのサンディ・ホテル中庭
シャルム・ッシェーフのサンディ・ホテル中庭 posted by (C)ほじょこ
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  1. シャルム・ッシェーフ|2009/09/28(月) 04:37:02|
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