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減るもんじゃなし、は必ず減る

 ヒジャーブその他の「武装」を解除した美人さんのことを書いたら、「超絶美女期」を隠してしまうのがもったいない、というご意見を頂戴しました(念のためですが、そんな美女はエジプトでも日本でもフランスでも一握りですよw)。
 思うところが色々あります。

 個人的にはですね、やっぱり隠すべきだと思っています。具体的にどこまで隠すねん、というのはさておいて、大雑把に「慎ましさ」といのは、非常に重要ですよ。
 少なくともアラブ世界では、女性の就労は男性に比べて遥かに不利ですし、国によってはほぼ不可能です。となれば、彼女たちは、人類学的な意味で「交換される」しかない、つまり自らの価値を最大限に発揮して「永久就職」するしかないわけです(離婚も非常に多いですが、慰謝料が莫大なので女性はあまり損しない)。
 その時、美醜によって極端な格差ができては、社会的な不平等感が過大になります。どうせ結婚するなら、男性は美人と結婚したいでしょうが、「結婚できない=生活できない」のだとしたら「ブサイク=死」です。それではいくら何でも過酷すぎます。
 まぁ「美人も三日で飽きる」と言いますし、そんなしょうもないことで振り回されては、男性も女性も不幸でしょう。アラブには「醜さは女の番人」という諺があります(ブサイクの方がむしろ穏やかに暮らせるよ、という教え)。
 心配しないでも、超絶美人でも十年後には象さんですから、むしろ良い象か悪い象かで選んだ方が男性も身のためです(笑)。

 こういうことを書くと「ええやん、減るもんじゃなし」と言う男性がいますが、大間違いです。
 減るんですよ! これは本当に、減るんです!
 「減るもんじゃなし」と言われているものが実は減る、ということを認識しなければ、大人の女になれません。それを忘れてしまったことが、日本の女性の大失敗でした。
 いや、別に減ったら減ったで、別の生き方を模索すれば良いので、それも一つの選択なのですよ。問題は、「永久就職」的ロマンスを捨てきれないくせに、そこでものを言う価値を安易に安売りしている、ということです。
 「交換される対象」としての価値で生き抜きたいなら、その価値を最大限に生かすよう「隠す」必要があります。
 その価値を捨てる、あるいは依存しないなら、別に隠す必要もないし、「減って」も気にしないで大丈夫です。

 ここにはもちろん、対男性だけでなく、対女性という要素もあります。ぶっちゃけ、嫉妬を買うからです。これは洋の東西を問わず非常に恐ろしいものなので、みんなおしなべて隠しておくのが、一番平和です。本当にこれは、素晴らしい仕掛けなんですよ。

 また、「ロマンス」ということでは、女性だけでなく男性も、日本ではロマンスが過大です。いわゆる先進諸国の中では、日本と韓国がずば抜けて結婚・恋愛についての「ロマンス志向」が強いそうですが、もし「米国並み」を目指したいなら、男性も変な夢は捨てることです(「目指すべき」だとは全く思いませんが)。
 もちろん、エジプト男性は、日本男性の比ではなく超ロマンス志向です(笑)。彼らが女性や恋愛に抱いているファンタジーの強度は、日本男性の比ではありません。空でも飛べる気でいます。

 「交換価値」か「その他の価値」、この二つの志向性は、厳密に「二者択一」というわけでもなく、無数の中間レベルが想定可能なものですが、個人レベルでも社会レベルでも当てはまるはずです。
 一つの問題は、個人レベルで「わたしは交換価値は捨てた、力で生き抜く!」と思っても、当該社会がそれを許さない場合がある、ということです。
 各個人と各社会には、それぞれ「女性の交換対象度および女性の社会的自由度」というのがあって、個人と社会で一致していれば割と楽チンですが、ズレていると結構大変です。

 まったくの個人レベルでぶっ飛んだキャラだったせいで苦労する、というのは、根性さえあれば乗り切れるのでまだ良いのですが(わたし個人はココw)、この歪みが社会そのものに内属していると厄介です。
 どういうことかというと、「減るもんじゃなし」な風潮に乗せられてさんざん安売りした挙句、最後には専業主婦か何かに落ち着く、という一連のコースがモデル化していると、そのモデルには内的な矛盾があるので、世の中全体で歪みが拡大していく、ということです。今の日本がそうでしょう。
 さんざん安売りして肌も髪も露出し、挙句に性交渉さえ奔放に行われていて、最後の一発で「身売り」しようとしたって、値踏みされるのは当然です。
 そして、こうして「安く」なった「嫁」しか期待できないとなれば、男性たちが結婚に消極的になるのも当たり前でしょう。

 「減るもんじゃなし」を容認するモデルで突き進むなら、社会全体で女性の生涯就労および「パートナー」的婚姻関係を受け入れるしかないし、日本は将来的にそうなっていくのかもしれませんが、今のところ旧来のモデルと混交としているところがあり、結果的に「普通にやってきたのに結婚できない」というアホな勘違いと不幸の原因を作ってしまっています。
 もちろん、就労という面については、個人の努力だけでは限界があるので、そちらに進むなら社会全体として覚悟をもって作り変えていく必要があります。

 もちろん、「女性の社会参加」が進めば「交換価値」など捨ててしまって良いかというと、そんなに話は簡単ではありません。
 女性が男性同様に就労すれば、当然男性の職を奪う結果にもなります。
 第二次大戦終戦直後に、米国で「女性は家庭に」のモデルがもてはやされたことを想起すべきです。戦線から帰った男たちに職を確保するには、女性を家庭に押し込める必要があったのです。
 女性と男性がまったく同等に職を奪い合うなら、今度は職にあぶれた男性に対する社会的セイフティネットが必要になります。
 女性の場合、まだ伝統的なネットが機能しますが、特に日本は職のない男性に冷たすぎます。職がないだけで気の毒なのに、男性が平日昼間にブラブラしているだけで、犯罪者か何かのような目で見る人がいます。
 そうした「後衛」の備えが全然ないにも関わらず、「女性もどんどん働いて、性も奔放に」というのでは、うまく行かないに決まっています。

 米国と日本のホームレスを比べると、米国では男性・女性共にホームレスがいるのに、日本では女性のホームレスは非常に少ない、という記述を読んだことがあります。
 良くも悪くも、日本の女性は上に行きにくい分、下にも落ちにくいのでしょう。
 これが男女平等になることが一概に良いとは思いませんが、結婚の価値を貶め、女性の就労を推進し、男性をどんどん職から弾き出す、というなら、この種の「平等」も覚悟すべきです。

 エジプトの男性が結婚するのは、日本の男性より遥かに大変です。
 まず家を用意しなければならないし、昨今の家賃高騰の影響で、賃貸ではなく持ち家を要求されることも多いです。その持ち家を買うなんてのは、一般エジプト人にとっては果てしない難関で、そのせいでどんどん晩婚化が進んでいます。本人ではなく親が三十年ローンで買ってあげる、ということもあるそうです。
 以前知り合ったエジプト人男性には婚約者がいましたが、結婚資金が足りずに正式に結婚できず、夜も昼もトリプルワークくらいで寝ないで働いていました。しかも、しんどそうな顔は少しも見せず、むしろ誇りにしているようでした(その分仕事はトロいのですがw)。
 そんなものすごい苦労があるにも関わらず、ほとんど毎日、結婚式の大騒ぎを目にします。
 多大な困難にも関わらず、エジプト人は結婚します。
 それは一重に、女性の「交換価値」が高いからでしょう。「減るもんじゃなし」が減るとわかっているので、減らないように大事にして、結婚に賭けているのです。社会全体で、結婚と女性の価値を下支えしているし、その規範に従った男性にも敬意を払うのです。
 この状況が全面的に良いとは言いません。個人的には、むしろウザい部分も多いですし、エジプト男性の「保護し支配する」性質には心底うんざりしています(笑)。エジプト人自身も、多額の結婚資金などはおかしい、と思っている人が少なくないでしょう。また、女性についても、裏を返せば「交換価値」以外の価値が貶められている、と言えます。
 でも、結婚に期待し、結婚の社会的位置付けを保とうとするなら、これくらいやって丁度だ、ということです。美味しいところだけつまみ食いしようとしたって、うまく行かないに決まっています。

 少子化が問題視されていますが、ただの「お付き合い」ならともかく、子供を作って育てるとなれば、結婚、もしくは類似の社会的システムは必須でしょう。新しい子育てシステムを作るにしても、「結婚と家庭」に匹敵するようなシステムを定着させるには、百年二百年はかかるはずです。
 そこでとりあえず、結婚と子作りをセットにしてみるなら、結婚への志向性を高めなければ、子作りへの志向性も高まりようがない。
 そして結婚を志向するには、女性の「交換価値」が一定以上でなければならない。別にアラブ世界ほど「隠しまくる」必要はないかもしれませんが、一定以上はないと困ります。
 多分、今の日本はその価値が敷値を割ってしまって、なおかつ「新型結婚」のモデルが模糊としてつかめないでいるのでしょう。

 話が膨らみすぎましたが、「見せないのがもったいない」とか「減るもんじゃなし」というのは、軽々に言って良いことではありません。
 まぁ、世の男性は何千年もそう訴えてきたのかもしれませんが、女性は乗ってはいけないし、昔は家庭や社会の目が厳しくて、乗りたい女性も乗れなかったのでしょう。アラブ世界では、もし姉や妹など家族の一員に対しそんな口を聞く男性がいれば、兄弟が確実にブン殴りに行きます。もし「乗った」ら、女性も殴られるでしょう。
 その世界にはその世界の問題が色々あったでしょうし、エジプトには今でもありますが、そこには一定の理があるし、このホメオスタシスを壊すというなら、少なくとも次の定常状態を見つけるまで、相当のカオスと不幸を覚悟すべきです。
 ご先祖様が何千年も繰り返してきた仕掛けというのを、軽く見てはいけません。「今の仕掛け」を冷静に眺めて、あと千年繰り返せると自信を持って言えないのなら、頭を垂れ死者たちに教えを請うべきです。
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  1. 減るもんじゃなし、は必ず減る|2009/11/13(金) 02:23:56|
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