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猫と山羊とゴミが学校を包囲

家畜と衛生問題
家畜と衛生問題 posted by (C)ほじょこ

猫と山羊とゴミが二つの学校を取り囲んでいる

 世界中の多くの国が「家畜インフルエンザ」の拡散に警告を発しており、いくつかの国では何千もの家畜の群れを屠殺しているのに、バシュティールの学校地区ではまったく状況が異なる。毎日何十もの羊と山羊がバシュティールの衛生施設と「ガマール・アブドゥッナーセル」と「イル=マギド」の二つの小学校の柵の周りに集まってくる。これらを取り囲んでいるゴミの山から、餌を漁るためだ。
 同地区の住人の一人サアード・シャアバーンは、こう語った。「何十もの羊飼いが、朝早くから家畜を連れて、学校と衛生施設の周りのゴミから残飯を餌にやるため、やって来るようになってしまった。責任者たちは、この危険な行いに心を配っていない。それが近隣住民、特に隣接する学校の生徒たちを脅かしている。豚インフルエンザの感染者が増えていて、家畜インフルエンザウィルスへの怖れが高まっているのに」。
 同地区住人の一人ウンム・ムハンマドは、彼女と住人たちを苦しめているのは、ゴミの山から来る酷い匂いだ、という。「わたしも学校の生徒たちも、ハンカチやマスクで鼻を覆って、ゴミの山から来る酷い匂いの苦しみを避けている。おまけに、羊や山羊が、ゴミの中の残飯を漁りにやって来る。時々、ゴミを食べていた羊が突然死んでいる。持ち主は気に留めることもなく、通りにそれを放置している」。
 匿名希望の一人の学校長は、豚インフルエンザやその他の感染症ウィルスから生徒たちを守る試みは、地域が苦しんでいる汚染のせいで、うまくいかないだろう、と語った。学校の柵の周りに積み上げられているゴミの山は、とりわけ休暇期間中に大きくなっている。彼はこう述べた。「わたしたちは地域当局に、ゴミの山の除去と、学校の柵の周りで家畜を飼育している違反についての調査を行うよう求めたが、ほとんど返答がなかった。柵を越えようとしているゴミの山を除去するのに、清掃業者に料金を支払っている」。

 羊や山羊の群がゴミを漁っている、というのは、時々見る光景ですね。
 エジプトの豚は主にゴミの残飯を餌に育てられていること、豚肉がイスラーム的にハラームであることから、豚インフルエンザ絡みで「豚はゴミを食べて育っているから危険なんだ」とか見当違いなことを言う人がいましたが、羊も山羊もゴミを食べてます(笑)。
 残飯を動物にやること自体は結構ですが、中にはよろしくないものも混じっているでしょうし、住宅地の真ん中でやるのは衛生上やはりマズいですね。
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  1. 猫と山羊とゴミが学校を包囲|2010/01/10(日) 05:15:52|
  2. 新聞・メディア

レイプ現場の地下道封鎖

レイプ現場の橋
レイプ現場の橋 posted by (C)ほじょこ

カイロ県、レイプの巣窟への入り口を閉鎖
代替保全手段模索のため設計見直しを道路運輸局に依頼

 カイロ県知事アブドゥルアジーム・ワジールは、イムバーバにかかる橋内部にある空洞に至る入り口の閉鎖を決定した。これが路上生活者の少女のレイプと非倫理的行為に利用されていることを本紙が明かしたことを受けたものである。知事は、カイロ道路運輸局局長マフムード・ホスニー氏に、橋の交通維持に必要な通行に影響のないよう、入り口と空洞を塞ぐ設計の見直しを命じた。
 知事は、清掃機構長ワジーフ・イル=リファーイーに、橋の内部および閉鎖前にあった部屋の清掃計画を指示した。県道路運輸局局長マフムード・ホスニー氏は、本紙に対し確言するところでは、知事の指示後ただちに、橋を設計し1990年の施工を監督した県の諮問事務局に、このようなことが繰り返されないよう空洞を塞ぐ方法を調査するよう依頼した。
 県道路運輸局前局長アフマド・カーミル氏の明らかにするところでは、建設時から橋に入り口があるのは、両側の歩道の間で楽に横断できるようにするためで、また橋の基礎を検査、保全するためでもあった。
 カーミルによると、橋の空洞を塞ぐ方法は二つあり、かつてあった鉄の扉を再設置し、かつこの地域の治安警備を強化する、というものと、空洞を完全に閉鎖し、橋の検査・保全を土台と足場によって下から行う、というものである。
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  1. レイプ現場の地下道封鎖|2010/01/05(火) 05:23:46|
  2. 新聞・メディア

ガザ封鎖への抗議、在エジプト・イスラエル大使館へ

ガザ行きを求めるハンガーストライキ
ガザ行きを求めるハンガーストライキ posted by (C)ほじょこ

「ガザ」の抗議、イスラエル大使館へ デモ隊、テルアビブのボイコットを求める

 外国人を含む四百名あまりがパレスチナ人らと共に、ギザのイスラエル大使館前に現れ、ヘブライ国家の政策に抗議し、ガザ封鎖を批判し、イスラエル製品のボイコットを求めた。デモ隊は大学橋の中央で止またっため、治安当局が出動し大使館向かいの歩道で集まるよう強制することになった。治安当局は、タハリール広場で座り込みをしていた三名を巻き込んだ一昨日の小競り合い以降、デモ隊の誰とも摩擦を起こさないようにしているようだった。また昨日、ほとんどが中高年女性の三十名の外国人活動家が、食料と医薬品運搬のためのガザ地区入りを認めさせるべく、ジャーナリストの前でハンガーストライキを始めた。活動家らの声明によると、この中にはナチス収容所の生還者ハイダー・イブスティーン(八十五歳)が含まれている。彼女はガザ国境が開かれるまでハンガーストライキを宣言し、三日の間飲み物しか口にしていない。
 一方、イスマーイーリーヤ治安当局は、様々な国籍のヨーロッパ人活動家らを、ラファフに向かうべく水路の東側へ渡ろうとしたところを、ムバーラク・ッ=サラーム橋の上で拘束した。
 ヨーロッパに住むパレスチナ人民と連帯するグループは昨日、声明を発表し、その中で、壁建設決定への抗議のため、在エジプトのヨーロッパ諸国大使館の前でデモ隊の列を組織することを呼びかけた。
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  1. ガザ封鎖への抗議、在エジプト・イスラエル大使館へ|2010/01/03(日) 04:21:18|
  2. 新聞・メディア

蝋燭で勉強、惚れさせる責任

 水曜日。
 部屋で勉強している時、そばにあったティッシュに蝿が止まる。
 ルクソールのYさんに伝授して頂いた通り、そっとティッシュを持っても、蝿は逃げません。蝿は「接近してくる何か」には素早く反応するけれど、自分のとまっている物体の動きには無頓着なようです(視界の中で不整合な動きをするものに反応しているのだろう)。
 さすがにそのまま机に叩きつけると逃げられそうなので、左手でライターを持って、蝿のとまっているティッシュの方を動かして近づけて行ったら、見事蝿を焼き殺すことに成功しました。
 教訓:周りがみんな同じに動いていたからといって、危ないものは危ない。

 停電する。
 最近割とよく停電しますが、大抵は1、2時間程度で復旧します。また自宅にいないことが多いし、寝ている時なら気付かないので、実際はあまり不便を感じたことはありません。
 この日は勉強している時に電気が落ちました。まだ昼間ですが、室内は薄暗いので(防寒対策で新聞紙とか張りまくってる)、本は読めません。ラップトップはバッテリで動くので、バックライトの明かりを頼っていたのですが、ふと思い出して蝋燭を使ってみました。

蝋燭
蝋燭 posted by (C)ほじょこ

 なかなか風流です。
 まぁ、たまにだから風流とか言っていられるのであって、年中「蝋燭で勉強」を強いられる世界の学生さんには本当に頭が下がりますが・・。

 Nちゃんと一緒に勉強する予定だったのが、連絡の不手際などもあって流れてしまう。
 さらにF女史体調回復せず、翌日も授業が流れることに。焦る。

 木曜日。大晦日。
 前日引きこもりでどうしたものか、と思っていたら、また引きこもって一日勉強しているだけに。
 家の方がマシンの辞書も使えるし、重くて持ち運べないアーンミーヤの辞書も使えるので便利なのですが、部屋から出ないというのは、やっぱり憂鬱です。こういう時、「ちょっと近所を散歩」とかいう選択を気安く取れないのが辛い。基本的に、ここでは道は楽しんで歩ける場所ではないし、歩く度に色んなことが起こりすぎるので(笑)、覚悟をもって散歩に出ないとダメです。
 図書館に行きたいのですが、日系は年末年始で休み、欧米系はまだクリスマス休暇。エジプト的には普通の日なのですが、微妙に不便です。

 金曜日。元旦。
 サッバーク(水道工事屋)が昼過ぎに来てちょっと作業するというので、待っていたら、作業が5、6時間かかるといいます。
 約束もあるし、結局手はずが整わなかったので翌日作業することになったのですが、翌日夕方からそんな長い時間他人が部屋にいると思うと、かなり欝になります。

 Nちゃんの部屋に遊びに行く。Nちゃんの妹の誕生日で、ケーキを頂いてしまう。
 色々質問していたら、さらにご飯が出てくる。もうお腹いっぱいで食べられません。
 食事中に、Nちゃんが「この曲が好き」と、携帯に入れたkiroroの『未来へ』を聞かせてくれる。
 「部分的にしか聞き取れないけれど、すごく暖かい歌なんだな、というのはわかる」。
 こんなベタな歌、日本にいた時はまったく射程内にありませんでしたが、異国で聞くと妙に心に染みます。歌詞の内容も素直で美しく、日本語学習者にはぴったりです。音痴のくせに熱唱してしまいました。
 これが「椎名林檎が好き」とか言われたら、到底歌詞をアラビア語で説明できる自信はないし、それ以前に日本語が聞き取れないかもしれません(笑)。
 質問とご飯のお礼に、歌詞をすべてスクリプトに起こし、解説していく。
 出だしの「ほら足元を見てごらん」なんて、日本人から見ると単純極まりないフレーズなのですが、「ほら」を「أهو بصيのアホ!の感じ(ほら、見て!)」とか、「『ごらん』は非常に軽い命令」などというところから始めないといけません。「『ごらん』はمؤدب(丁寧)?」と聞くので「丁寧だよ」と答えると「先生に対しても使える?」と聞かれます。丁寧だけれど、目上の人に使うのは不自然で、子供に話しかけるニュアンスのある「丁寧な軽い命令」、と、非常に説明的なことしか言えません。こういうのは、本職の日本語教師の方はどんな風に説明しているのでしょうか。
 「歩む」というのは「歩く」のことですが、普通の初級学習者は「歩く」は知っていても「歩む」は知りません。こういう微妙な違いでわからなくなってしまう感じは、フスハーとアーンミーヤの単語レベルでの差異に少し似ています。母語話者からすると「ちょっと丁寧に言っただけ」なのに、外国人から見ると別単語です。
 この歌で唯一少し分かりにくいのは「その優しさを時には嫌がり 離れた母へ素直になれず」の部分でしょうか。ここだけちょっと複雑な心理になっているので、「お母さんが愛ゆえに色々注意してばかりくると、時々鬱陶しいでしょ?」などというところから語ってみます(こういう解釈で正しかったでしょうか?)。
 ストンと落ちない部分は、彼女も少し神経質になって早口で質問してくるのですが、このイライラする感じは日頃アラビア語でイヤという程味わっていてよく理解できるので、辛抱強く穏やかにゆっくりと説明していきます。

 彼女とゆっくり話すのはこれが最後の機会かもしれなかったのですが、彼女が可愛い箱に入ったクルアーンのムスハフ(書かれたクルアーンの本)をプレゼントしてくれる。
 感動で胸が熱くなり、抱きしめてしまう。
 あぁ、わたしは何もお返しできない。東京に来たらずっとうちに住んでくれ。日本の本とか持ってくれば良かった。
 彼女も少し「変わってる」エジプト人だけれど、わたしのことも「変わった日本人だから、これをあげても良いと思った」と言ってくれる。ありがとう。わたしは確かにかなり変わった日本人です。変人で良かった。

 最近の日本の言論を眺めていると、何だか後ろ向きの話ばかりで、焦って徒に欧米に尻尾を振っているように見えて仕方ありません。政府がそういう態度ならともかく、若年層の一般国民がそんな調子で、あまりにも余裕が無さすぎます。
 多少蔭りが見えたと言っても、日本はまだまだ豊かな国です。それとも、「欧米なみ」でなければ、あとは無価値だとでも言うのでしょうか。国力の維持・発展も大事ですが、それがなくなった時に、一切のプライドと希望を喪失してしまうことの方がもっと恐ろしいと思うのですが、多くの日本人にはそういう発想はないのでしょうか。世界中のほとんどの国は「一流」ではないですよ。そういう国でも毎日人が生きて死んでいるんですよ。
 日本の国力が落ちてきていることを心配し、中国に対して神経質になっているくせに、今まで築き上げてきた日本イメージと、それに対して素朴な憧れを抱いてくれている世界中の多くの人々のことを、まるで省みていない。気にすることといったら、アメリカに捨てられないか、だけですか。
 誰に惚れても結構だし、強い人に振り向いて欲しいのもわかりますが、そうやって周りが見えなくなっている時にも、背中を見ていてくれる人はいるんですよ。あなたの見ていないところで、あなたを見てくれている人が必ずいる。だから自信を持たないとダメです。
 惚れる責任もあれば、惚れさせてしまう責任というのもあります。
 そして、惚れた人に振り向いてもらう時には、見えないところで惚れてくれていた人の力、モテのようなものが、暗黙的に後押ししているということに気付くべきです。
 わたしたちに惚れてくれている人だって、まだまだ沢山いますよ。そういう人を「お前なんかにまとわりつかれても邪魔なだけだ」と足蹴にしていたら、惚れた相手にも振り向かれず、惚れてくれていた人も最後には愛想を尽かしていくだけです。
 惚れた相手が振り向くかどうか、そんなことは相手次第の風次第。
 そんなことより、惚れさせてしまった相手に対して、最後までカッコつけて責任取っていきましょうよ。

 「お父さん、空飛べるんやろ?」って言われたら「あ、あぁ、膝治ったらな」くらい言えなくちゃ男じゃないよ。膝治ってベランダから飛び降りて死んでも、立派な日本男児の死に様だよ。
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  1. 蝋燭で勉強、惚れさせる責任|2010/01/02(土) 04:50:41|
  2. エジプト留学日記

ヨーロッパ人活動家らがカイロでガザ入りを求める

ガザ入りを求めるヨーロッパ人がカイロでデモ
ガザ入りを求めるヨーロッパ人がカイロでデモ posted by (C)ほじょこ

ガザ入りを求めるヨーロッパ人たちのデモがカイロで続く 外務省「デモ隊は約束を尊重していない」
「生命線3」エジプトの要請に応えイル=アリーシュに向かう 金属障壁の掘削機械がラファフに届く

 昨日、42もの国籍を含む数百のヨーロッパ人活動家が、カイロの多くの場所でデモを続け、住民への人道援助物資輸送、および同地区にイスラエルが「弾丸を注ぎ込んだ」攻撃の一周年記念を彼らと分かち合うためのガザ行きが認められないことに抗議した。人道および医療援助をガザ地区に運び入れている団体「生命線3」のメンバーは、ヨルダンのアル=アカバ港に数日間足止めされていたが、昨日、シリアに戻ることを決めた。ヌエバア港からのエジプト入りをエジプト当局に拒否され、イル=アリーシュ港からエジプトに入る準備のためだ。これは、本件に関するエジプトの要請に対し応えたものだ。活動家らは昨日、ナイル川コルネーシュの世界商業センタービル前で、抗議の座り込みを組織し、パレスチナを支援するシュプレヒコールを繰り返した。タハリールのモガンマア前では別の座り込みが組織された。三百人にのぼるデモ隊のほとんどはフランス人だが、一昨日夕方、ガザ広場に続くムラード通り(以前のシャルル・ドゴール通り)を三時間半にわたり遮り、フランス大使館前の通りに向けて広がり、ガザへ渡るためのラファフ(訳注:エジプトとガザ地区の国境の町)行きが治安上の理由で許可されなかったことに抗議した。一方、多くのイタリア人活動家は、イタリア大使館に向かい、同様の要求を主張した。
 また、外務省スポークスパーソンのヒサーム・ザキー大使は昨日、在カイロフランス大使館前で座り込みを続けているフランス人活動家らは、政治活動を行うつもりで観光ビザでエジプトに入国している--彼の言によると--点において、「自分たちの約束を守っていない」とした。一方、金属障壁のための作業は継続され、掘削作業を行うための機械が、昨日ラファフ港隣接地域に到着した。

 エジプト・ガザ地区間の国境封鎖や金属障壁建設には、アラブ諸国だけでなく欧米の活動家からも非難が浴びせられていますが、ちょっとこれは筋違いなのでは、と思えます。
 ガザに援助物資を運び入れたいなら、イスラエル側にも陸路はあり、ガザそのものにも港があります。そこからガザ地区入りできないのは、イスラエルが拒否しているためです。
 エジプト政府の政策を諸手を挙げて支持するわけではありませんが(というか疑問もかなり大きいですが)、エジプトとしても非常に苦しい判断の結果、国境封鎖という選択をしているのであり、そもそもこの状況を作り出したのもイスラエルです。
 なぜイスラエルではなくエジプトが抗議の対象になるのか、納得いきません。エジプト人がエジプト政府に抗議したり、百歩譲ってパレスチナ人や他のアラブ諸国から非難されるならともかく、ヨーロッパ人がカイロくんだりまで来て「ガザに入れろ」と叫ぶのは、文句を付ける先を間違えています。
 もちろん、イスラエルに抗議したところで「じゃあどうぞ」と入れてくれるわけもないし、だからこそ「何とかなりそう」なエジプトに目を付けているのでしょうが、エジプトとしてはとんだとばっちりではないでしょうか。

 こういう風景を眺めていると、イスラエル「建国」以降のパレスチナ周辺の歴史というのは、ユダヤという「外部」を措定することで「ヨーロッパ」であった者たちの、巨大な自己愛的贖罪ゲームの掌の中にあるように思えてなりません。ユダヤとは斜線を引かれたヨーロッパの主体なのです。
 アメリカのシオニストというのもまた、ある種の「裏切り感」というものに駆動されている自己愛において、「ヨーロッパ」と並行的です。
 念のためですが、文字通りのユダヤ人やヨーロッパ人を言っているわけではありません。ある歴史物語、自我を支えるファンタジーがあり、そのファンタジーへの病的耽溺が、イスラエルという存在を結果的に招いてしまい、今尚支えている、ということです。

関連記事:
ガザ虐殺から一年
エジプト・ガザ国境ラファフの密輸トンネルと窮状
エジプト・ガザ地区間の密輸トンネルと国境の街ラファフの苦悩
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  1. ヨーロッパ人活動家らがカイロでガザ入りを求める|2009/12/30(水) 17:34:52|
  2. 新聞・メディア

アーシューラーの断食、フェミニストのムスリマ

 土曜日。
 駅前のスークでイチゴを買う。1キロ3.5ポンド(70円以下)。スーパーだともう少し高いですが、いずれにせよ物凄い安さです。
 日本のイチゴのように粒は揃っていないし、痛んでいるものも混ざっていますし、味も甘いものから酸っぱいものまで、当たり外れがありますが、まったく問題ありません。
 というか、イチゴに限らず、「日本製品」全般について思うのですが、高品質なものを手に入れられるのは結構なのですが、高品質なもの「だけ」しかなくて、高いお金を払わざるを得ない、というのが納得いきません。質の高いものが高いのは当然ですが、安くて質の悪いものも一緒に置いて欲しいものです。

 日曜日。
 授業の後、しばらく図書館で自習し、それからNちゃんの家に遊びに行く。
 いつもの待ち合わせ場所から、自力で歩いて行こうとしたところ、記憶も覚束ない上、例によってトゥクトゥクとマイクロバスが飛び交いバカが次々と変なことを言ってくるしんどい道で、精神的にかなりダメダメになる。さらにNちゃんと行き違いになり、超バッドな状態で会ってしまう。
 彼女の部屋に行き、喋っているうちに大分治ってくる。ごめんよ。
 「通りでブラブラしている若者や、遊んでいる子供は、全員ダメな人たちだ。やることがなくて、道で溜まっているので、ちょっと珍しいものを見たり女の子が通ると、暇つぶしに囃し立てて来る。原因の一つは失業だ。若者の行き場がない。彼らは知識人ではないし、知識人は子供を道で遊ばせたりしない。わたしも道を歩く時は、ただじっと足元を見て、何も見ない、何も聞かないようにしている」。
 ずっと年下の子に、こんなに整然と慰められる、というかたしなめられて、ちょっと恥ずかしかったです。
 それにしても、エジプトの知識人階級の若者は、普通の大学生でも非常に流暢に論理を展開し、政治・社会問題についても分析的な目を持っています。また、大人しいNちゃんでも、信仰の話になると立て板に水のように語ることができ、素晴らしい能力です。わたしも負けないようにしないと。
 「足元だけ見て、何も見ない、何も聞かない」と、カイロの道では即効車にはねられる可能性がかなり高いのですが、エジプト人は余裕でヘッドホンをしながら歩いたりしています。わたしも大分慣れてきて、普段は常時サングラスで視線を合わさず早足で歩いていますが(通りを渡る時も、下手に車に対してビビると負けるので、平気な顔で突っ切る)、流石に東京のような「完全閉鎖モード」では歩けません。物理ダメージをかわすセンスが十分磨かれて、はじめて精神バリアを使えるようになります。

 Nちゃんが断食している。アーシューラー(ムハッラム十日、初期イスラーム集団の断食潔斎の日)だったからですが、スンナ派ではほとんどの人はアーシューラーは普通に過ごしています。彼女はかなり敬虔な部類に入ります。
 日没前になんだかデラックスなご飯を出してくれてしまったのですが、彼女が断食しているのにわたしだけ食べられません。エジプト的には、一人が食べずに他の人が食べている、という風景は全然珍しくなく、別に失礼ではないようなのですが、気持ち的にどうしてもできません。別に飢えてもいなかったので、一緒に日没まで待ちました。
 ちなみに、断食明けは一般に大食いしないものですが、それにしても彼女は、ちょっとしか食べていませんでした。彼女はエジプト人にしては珍しく、スリムでとてもスタイルが良いのですが、普段から自制的な食事を心がけているのかもしれません。素晴らしい。
 体型的にも、顔付き的にも(色白)、性格的にも(大人しい)、日本人とあうタイプの子で、これが日本好きの結果なのか、逆にこういう性格だから日本が好きになったのか、ちょっと気になります。
 彼女とは「ジズルと漢字ってちょっと似てるよね!」等の、日本語とアラビア語を両方知らないと分からないニッチな話題を共有できるので、非常に楽しいです。会話はほとんどアラビア語で、最初の頃は外国人と話慣れていない彼女の言葉に苦労していたのですが、大分シンクロ率が上がってきました。

 彼女は日本人と友達になりたがっていて、ネット上での交流もあるようで、「日本人ムスリムのグループを見つけた」等と嬉しそうに語ります。
 「でも、普通の日本人が相手の時は、最初からイスラームの話題を喋りすぎない方がいいよ。日本人のほとんどは、そういうことに慣れていないし、ムタタッリファ(過激ムスリマ)だと思われてしまうかもしれない。まず、普通の話題から入って、時々イスラームのことを話し、でも話しすぎないようにおさせるくらいが丁度良いよ」と、老婆心ながらアドバイス。
 この辺の感覚は、逆にエジプト人にはなかなかつかめないようです。
 ネット越しだと、ただでさえも誤解が生じ易いのに、言語や文化的環境の違いから、変な誤解を受けてしまわないか、心配です。

 この日、電話で彼女が言った台詞から、يرن(ユリン、未完了三人称単数)という俗語を覚える。
 「電話をかけるが、相手が出る前に切る」「ワン切りする」くらいの意味で、文字通り「リン」から来ています。「わたしがリンした」なら「リンニートゥ」。
 電話代を節約するために「着いたよ」とかの単純メッセージを伝えるのに使われる他、日本同様「かけて」という意味にもなるそうです。

 彼女が日本人観光客の出迎えバイトをするそうで、この場面で使う日本語表現をいくつか質問されました。何か教えるたびに「これは丁寧な表現?」と確認していて、日本語における敬語表現の重要性を良く理解しています。
 「聞き取れなかった時に、『すいません、英語で話してください』と言ったら、怒られますか」と聞かれたので、「誰も怒らないけれど、英語も話せない日本人は多いよ」と応えます。
 彼女は苦笑いして「英語を喋れる日本人も沢山いるけれど、カタカナ・イングリッシュですね」と言います。よくわかっています(笑)。多分彼女なら、普通のエジプト人より「日本人英語」をうまく聞き取ってくれると思いますが。

 月曜日。
 長丁場授業。合間にフェミニズムとイスラームについてF女史とちょっと話す。フェミそのものも、反イスラームなフェミもどうでもいいけれど、ムタダイイナ(宗教熱心)でかつ教養あるフェミニストのムスリマというのも希少ながら存在して、その立場だけが非常に気になります。この狭いゾーンにいる人だけ、心を開いて本当に面白い話ができるような気がします。
 ムタダイニーン(宗教熱心な人たち)とムタタッリフィーン(過激派)は違うのですが、時にその違いが危うくなる上、日本のように全般に宗教色の薄い国の人には理解されにくく、この点をもっとアピールし伝えなければならない、と主張すると、強く同意して貰えました。いやほんと、これ大事です。

 彼女の中にも色々相克があるようで、自分の中の矛盾とも戦っているようです。しかし、わたしとしては、そういう矛盾を抱えているからこそ真の信仰なのであり、そういう姿をもっとイスラーム圏の外の人に知ってもらいたい、と感じてしまいます。
 彼女は大抵薄化粧をしているのですが(エジプトでよくある超ケバいメイクではない)「化粧は本当はハラームだ」と言います。「クルアーンに明示されているわけではないが、人目を引くのは良くないことだ」。
 それはわたしもわかっているのですが、一番重要なのは「やたら男性の目を引くような格好をしないで普通にせよ」ということであって、化粧なら即ハラームだ、というのは言いすぎではないか、と反論(擁護?)します。
 「あまり解釈を進ませると何でもアリになってしまっていけないが、大切なのは『奇抜になりすぎるな』ということのはずだ。化粧一つでも、どんな化粧かで違う。エジプトでは膝下のスカートでも目立つし、ハラームだが、日本ならまったく普通で、別にハラームとは言えないと思う(もちろんミニスカートはハラームだ!)。信仰の根本は変化してはならないが、末端は常に変化し、土地の風習にあわせて考えるべきではないか。要はTPOを守れ、ということでしょう」。
 そう言うと、F女史が「なるほど」と一定の賛意を示してくれます。
 「極端な話、エジプトではヒジャーブは義務だが、日本ではむしろハラームかもしれない。なぜなら、日本でムスリマがヒジャーブをすることは、かえって衆目を引く効果を発してしまうからだ」。
 これは極論ですが、常日頃から考えていたことで、こうして率直に話せる知的なムスリマ(でかつフェミニスト)と知り合えたことは、大変ラッキーです。彼女もうなって考えていました。
 形式を粗末にし、やたら根本に返って解釈し直すことは、信仰を形骸化させる第一歩ですから、慎重になる必要はありますが、末節にこだわるばかりでも本末転倒です。これはバランスの難しいところです。
 ただ強調したいのは、何度も言っているように、ある形式を「義務」と信じて厳密に守っているムスリム(またはムスリマ)であっても、他の信仰者がその形式を軽視していたからといって、非難したり侮蔑するようなことはほとんどない、ということです。この距離感を理解するのは、日本からだと難しく、わたしも常に気を使っていますが、社会の絶妙なバランス感覚だと思います。

 夜、久しぶりに大家さんのファトマがやってくる。下水工事に関する相談。
 ファトマは相変わらず気をつかって、フスハーとアーンミーヤが混ざった謎のファトマ語で喋ってくれるのですが、気がつくと彼女の言葉も100%聞き取れるし、こっちもまったくストレスなくアーンミーヤで喋っています。
 もちろん、ちょっと慣れない話題になったり、慣れない相手になると(そう、相手を知っているかどうかが重要!)、未だに非常に苦労するのですが、まぁなんとかこの程度のところまで来ることはできました。
 もっと勉強しないと・・・。

 火曜日。
 朝出かけようとすると、部屋の前が緊迫した情勢に。

階段の猫1
階段の猫1 posted by (C)ほじょこ

階段の猫2
階段の猫2 posted by (C)ほじょこ

 朝の授業時、F女史の体調が何だか悪そうだったのですが、その後自習し夕方の授業を待っていたところで、体調不良でキャンセルという連絡が。
 翌日も授業がなくなってしまったので、Nちゃんと一緒に勉強する約束をする。
 F女史の体調が心配。最近非常に忙しかったし、その一因はわたしにあるので、気になります。
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  1. アーシューラーの断食、フェミニストのムスリマ|2009/12/30(水) 17:26:11|
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濃霧で交通が乱れる

霧のニュース
霧のニュース posted by (C)ほじょこ

霧により七名が死亡、五十六人が負傷 メトロが三時間停止

 一昨日朝、大カイロ圏および海岸地域のほとんどの道路で、濃い霧によって、交通がストップした。10月6日県警察の報告によると、二名の市民が死亡事故を起こし、他の十五名が霧による二つの事故で負傷した。昨日、イッ=ダカリーヤ県、イル=ガルビーヤ県、イル=イスマイーリーヤ県の各県で、霧と視界不良による交通事故で、五名が死亡、四十一人が負傷した。イッ=スワイス県では、天候不良により五箇所の港が閉鎖された。
 気象観測公機構は、昼間暖かい天候が続き、最初の夜は寒く、次に非常に寒くなる、と予想していた。一方、メトロの第一路線ヘルワーン-マルグは昨日朝、濃い霧の原因となった激しい雷により電気回線が遮断され、三時間に渡り運行を停止した。トゥラ・ル=バラド駅での制御ケーブルの断線により、トゥラ-ヘルワーン間で電車の運行が止まり、駅のホームが人で溢れかえった。


 霧はフスハーではضباب(ダバーブ)ですが、記事ではアーンミーヤのشبور(シャッブール)という言葉が使われています。
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  1. 濃霧で交通が乱れる|2009/12/30(水) 01:42:46|
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Author:ほじょこ
アラビア語修行にエジプト留学して帰国。翻訳やっています。お問い合わせは下のフォームから御気軽に。